ISDNとは? BRIとPRIの違い、ISDNの今後も解説

2023年8月3日掲載

ISDNとは?BRIとPRIの違い、ISDNの今後も解説

この記事では、企業の新任総務担当者やこれまで固定電話を利用したことがない若手総務担当者に向けて、固定電話の基礎をキーワードごとに分かりやすく解説します。今回は「ISDN」についてです。ISDNとは何か、BRIとPRIの違い、ISDNの今後について簡単に説明します。

目次

ISDN(アイエスディーエヌ)とは

まず最初にISDNについてお話します。ISDNとは「Integrated Services Digital Network(統合デジタル通信網)」の略称です。これは、デジタル方式で音声やデータを伝送するための通信技術のことを指します。

ISDNは、アナログ方式の固定電話網からデジタル方式への移行を促進するために開発されました。アナログ回線では1本の電話線で1つの通話しかできませんでしたが、ISDNでは1本の電話線で複数の通話や高速なデータ通信が同時に行えるようになりました。

また、ISDNにはBRI(Basic Rate Interface)とPRI(Primary Rate Interface)という2つの形式があります。それぞれについて順番に説明していきます。

BRI(ビーアールアイ)とは

BRIは、ISDNの中でも比較的小規模な利用を想定した形式です。BRIは「Basic Rate Interface(基本速度インタフェース)」の略称であり、家庭や小規模オフィスなどで多く利用されています。

BRIでは、1つのISDN回線に64kbpsの帯域を持った2本のBチャンネルと、16kbpsの帯域を持った1本のDチャンネルを持っています。

Bチャンネルとは

Bチャンネルは、デジタル方式の通信で音声やデータを転送するために使用されます。

1本のBチャンネルで、通常の通話もしくはデータ通信を提供することができます。例えば相手と通話を行う場合に1本のBチャンネルが通話に割り当てられ、もう1本のBチャンネルで同時に別の通話を行うことができます。このように、1つのBRI回線で同時に2通話を行うことができます。

また、Bチャンネルの64Kbpsの帯域はデータの送受信にも利用されます。BRI回線は2本のBチャンネルを持つため通話とデータ通信を同時に行うことができ、コミュニケーションの円滑化につながります。

BRI図

Dチャンネルとは

Dチャンネルは、通話やデータ通信の制御や信号処理に使用されます。

Bチャンネルは実際の通話やデータ転送に使用されるのに対して、Dチャンネルは通信制御や信号処理に関する情報をやり取りする役割を担っています。例えば、通話の確立や終了、通話中の信号制御、呼び出し信号の解析などが行われます。

通話を行う際には、Dチャンネルが通話の確立や終了のシグナル情報をやり取りします。通話を受ける側の電話機が呼び出し信号を受け取ると、Dチャンネルを通じてその情報が送信されます。また、通話中の信号制御や呼び出し信号の解析もDチャンネルを介して行われます。

 

以上のように、BRIは1つの回線で同時に2通話を行ったり、データ通信を行ったりすることができます。また、電話機やPCなどを接続するための端子も備えており、利便性の高い通信環境を提供しているのです。

PRI(ピーアールアイ)とは

PRIとは「Primary Rate Interface(主幹速度インタフェース)」の略称であり、BRIよりも大規模な利用を想定した形式で、一般的に中規模以上の企業や公共機関などで利用されています。

PRIでは、1つのISDN回線には23本のBチャンネルと1本のDチャンネルが含まれており、より多くの通話やデータ通信を同時に行うことができます。複数の電話回線を一括管理することができたり、高速なデータ通信やビデオ会議などもスムーズに行えるため、BRIよりも大きな規模のビジネス環境に適した性質をもっていると言えるでしょう。

BRIとPRI

ISDNの今後

以上がISDN、BRI、PRIについての基礎的な説明でした。ここまで説明してきたISDNですが、実は今後、サービス終了の流れにあります。

デジタル技術の進歩によって、より高速で柔軟な通信が可能となり、ISDNの需要は減少したため、将来的には廃止される見通しです。代替サービスとしては、インターネットなどデータ回線を利用したIP電話やクラウドベースの通信サービスなどが普及しているので、これから電話環境を見直す場合は留意しておきましょう。

IP網への切り替え

2017年10月にNTTより固定電話網のIP網切り替えが発表されており、2021年1月からは、すでに携帯電話会社など他事業者との接続はIP接続に切り替えられています。2024年1月には固定電話サービスの契約の一斉引き継ぎが行われることになっています。(2023年7月時点)

2024年以降も音声通話サービスは変わりなく利用できるので、ISDNを音声通話でだけ利用しているユーザにとっては関係ありません。しかし、ISDN回線をデータ伝送回線として利用している場合は、「INSネットディジタル通信モード」が2024年1月から段階的にサービス終了になる予定です。

上記サービスが終了すると、以下のようなシステムで影響が出る可能性があります。該当するシステムを利用している方は、影響があるかどうか移行すべきかどうか、なるべく早く検討しましょう。

  • 金融機関のEB(エレクトロニックバンキング)、FB(ファームバンキング)
  • EDI(電子商取引)
  • CCT(信用照会端末)
  • レセプトオンライン請求
  • G4規格FAX

まとめ

今回は、ISDNの基礎知識をご紹介しました。以前はよく名前を聞いたISDNですが、時代の流れとともにあまり聞かなくなってきました。ぜひ本記事でISDNを理解しつつ、自社の電話やデータ回線の構成を再検討してみましょう。

また、ソフトバンクでは電話に加えてコミュニケーションを向上させる各種ソリューションを取り揃えているので、こちらのページも参考にしてみてください。

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