クラウドリフトとは？クラウドシフトとの違い、メリット・デメリットを解説

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メリット

ここからは、メリットを６点解説します。

１.短期間でクラウド化を実現できる

新たな開発や既存システムの改修が発生するクラウドシフトと比較して、クラウドリフトでは短期間でクラウド化を実現できます。BCPやスケーラビリティを向上すべくクラウド移行を進めたい企業にとって最適な方法となるでしょう。

２.導入費用を抑えられる

クラウドリフトは、コストを抑えつつクラウド化を実現できる点がメリットです。クラウド環境に移行すると、物理的なサーバなど機器の購入やメンテナンスが不要です。また、オンプレミス環境の運用費もかかりません。結果として、最小限のコストでクラウド移行が可能です。

３.ハードウェア機器の調達・設置が不要

クラウドへ移行すると、ハードウェア機器の調達や設置が不要になります。物理的な機器は、調達だけでなくメンテナンスにも手間やコストがかかり設置場所も必要でした。固定資産の管理も不要になり、棚卸し作業も不要になります。クラウド環境では調達やメンテナンス業務から解放され、省スペース化も実現できるでしょう。

４.IT管理者の運用負荷や障害対応を削減できる

クラウドベンダが提供するクラウド環境では、障害発生時にIT管理者の運用負荷を軽減できる点もメリットです。サーバなどハードウェア機器に障害が発生した場合、従来のオンプレミスでは自社で対応する必要がありました。しかし、クラウド環境ではベンダがクラウドサービスのインフラに関する障害対応するため、IT管理者の負荷削減につながります。

５.システムの拡張・縮小が柔軟にできる

オンプレミスでは、サーバ台数の追加や性能を向上するためには、物理的な機器や作業が必要となりコストが増大する点がデメリットでした。しかし、クラウド環境なら、クラウドベンダが提供するWebアプリケーション上から設定するだけで、拡張や縮小を柔軟に対応できます。

６.BCPの一環になる

クラウドリフトを行い、自社からサーバなどハードウェア機器を撤去することでBCPの一環となります。自社が自然災害にあっても物理的な機器がないので、緊急時の被害を最小限に抑えられます。クラウド事業者が保持するデータセンターは一般的なオフィスよりも災害対策がされた堅ろうな環境であり、また、重要なデータはクラウドに保管されているため、非常時でも早急な事業回復を実現しやすくなるでしょう。

デメリットとリスク

ここでは、３つのデメリットとリスクを解説します。

１.クラウド化のメリットが生かしきれない

クラウドリフトでは既存システムのまま移行するので、業務効率化や生産性向上をもたらすクラウドサービスを生かしきれません。クラウドリフトを実施するのであれば、あわせてクラウドシフトの実施も検討すべきでしょう。

２.古いシステムが残存し、保守や運用の手間がかかる

既存システムをそのまま移行するクラウドリフトでは、古いシステムが残存するため保守や運用の手間がかかります。開発者やIT管理者がケアすべきシステムが古いままという点はデメリットといえます。

３.既存オンプレミスのシステムとの連携が難しい

クラウドリフトでクラウドへ移行した場合、既存オンプレミスサーバとのシステム連携が難しくなるケースがあります。そのため、業務に影響を及ぼすリスクも忘れてはならないポイントです。そのような場合、クラウドサービスに熟知したIT人材が必要となるでしょう。

クラウドリフトにかかる費用

かかる費用は大別してイニシャルコストとランニングコストがあります。

 イニシャルコスト（初期費用）

クラウドリフトで、オンプレミスからクラウドを導入・移行する際の以下のコストが発生します。

• 移行コスト
• 学習コスト
• SIerなどへ外注する場合の委託費用

オンプレミスと違いハードウェア機器を調達するコストはかかりません。クラウドの初期費用もほとんどかかりませんが、学習コストや社内でクラウドリフトを推進できない場合はSIerへの業務委託費用がかかります。

ランニングコスト（維持費用）

クラウドリフト後は、以下のランニングコストがかかります。

• クラウドの月額料金
• クラウドの運用費用
• 担当者の人的コスト

クラウドサーバの料金体系を例にあげると、使った分だけ支払う従量課金制が取られています。機能や特長を考え、最適なサービスを選択することでランニングコストを最適化する事ができます。

クラウドリフトの手順

では実際にどのようにして実施すればよいのか、手順を５ステップに分けて解説します。

１.クラウド上に本番と同様の検証環境を用意する

移行する前に、利用予定のクラウド上に本番と同じ検証環境を作りましょう。クラウドの特性上、本番と同じ環境を作りやすい点もメリットです。

２.クラウド環境をテスト利用する

次に、クラウド環境をテスト利用し、想定通りに動くか確認します。クラウドリフト後に稼働が停止するリスクもあるので、重要度の低い仮想サーバからはじめるとよいでしょう。テスト利用することで、クラウド環境との相性や課題を確認できます。

３.クラウド移行する

テスト利用で大きな問題がなければ、本格的にクラウド移行をはじめます。すべてのシステムを一度に移行するのではなく、影響が少ないシステムから段階的に実施しましょう。

４.クラウド運用を検討する

クラウド環境に問題がないようであれば、クラウド運用の方向性を検討します。クラウドサービスの特長を生かし、メリットを最大化するための運用に向けて計画を立てます。

５.クラウドシフトやクラウドネイティブな環境も検討する

クラウドリフトでオンプレ環境からクラウドへ移行した後は、よりクラウド化のメリットを受けられるようにクラウドシフト（既存システムの改修や新規開発）の検討もしましょう。クラウドシフトすることで、機器の調達が不要になり、システムを拡張・縮小したい時に、設定一つで柔軟に対応できるようになるため、システム管理者の運用負担を削減することができます。

また、ハードルは上がりますが、クラウドネイティブなシステム基盤の環境を構築することで、クラウドの恩恵を100％受けられるようになります。コンテナやマイクロサービスなど、クラウドに関するさまざまな技術を活用しながらソフトウェア開発や運用を行うため、オンプレミスの環境から完全に脱却することができます。

自社のDX戦略にもとづいてクラウド環境をどのように利用するかを検討し、生産性の向上を目指しましょう。

クラウド環境の最適化については、こちらの記事をご覧ください。
「オンプレからクラウド移行」が分かる。移行手順、メリット、よくある失敗事例を解説」

まとめ

クラウドリフトは、企業のクラウド戦略の第一歩となります。DXを推進してイノベーションを起こすためには、レガシーシステムを刷新してクラウド化することが求められています。しかし、企業担当者の中には、クラウド化に向けて次のような悩みを持つ方が多くいらっしゃいます。

• 本格的なクラウド導入になかなか踏み切れない
• システム基盤にかかる費用面に不安がある
• BCPを検討したい

ソフトバンクではクラウド移行を支援しています。お困りの際は一度ご相談ください。

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