Google Workspace や Microsoft 365 での日本語ドメインの利用に関して

2023年04月18日掲載

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皆さんこんにちは、ソフトバンクの淺沼です。

あまり流行っていませんが、本日は日本語ドメインについて弊社で取り扱っている「Google Workspace(GWS)」や「Microsoft 365(M365)」で使えるか?についての記事を記載していこうと思います。

ドメインと言えばsoftbank.co.jpなど “英数字+.co.jp”などを思い浮かべるかと思いますが、”日本語+.com”などの日本語での登録も可能になっています。

企業様の中には日本語ドメインを利用してビジネスを展開しているので、ビジネス上のメールも日本語ドメインにして、リリースが簡単なパブリッククラウドサービスを利用したい!といったお客様もいらっしゃるかと思います。

日本語+.comの環境として、弊社で販売しているGWSやM365に実際にドメインを登録するとどうなるのか?を検証しましたので今回お伝えしようと思います。

目次

  • 日本語ドメインをGWSやM365で使いたい方    
  • 対象はシステムの特権管理者やブランディングを行ってる方
  • 日本語ドメインの利用に関して利用者として使えるか

最初に...

GWSやM365などのドメイン登録に関しては以下のヘルプがありますが、特に登録できるドメインがどの様な形か?についての記載はございません。なので、英語ドメインについては問題なく利用できるかと思いますが、日本語ドメインが使えるか?についての公式な見解は公式には無いものとなります。

ユーザー エイリアス ドメインまたはセカンダリ ドメインを追加する - Google Workspace 管理者 ヘルプ
Microsoft 365 にドメインを追加する

それでは検証に進みたいと思います。
まずは、以下環境とドメインの取得は事前に実施しておきました。

【検証環境準備】

・Google Workspaceテナント(検証テナント)
・Microsoft 365テナント(検証テナント)
・日本語ドメイン「やわらか銀行.com」(私物ドメイン)

※今回の検証では日本語ドメインの取得について筆者のお小遣いで購入しています。ドメイン名は完全に個人の自由で取得しておりますのでご理解いただければと思います。

検証1:GWSでの日本語ドメイン利用

先にGWSの検証から進めたいと思います。

①GWS管理コンソールにログインし、ドメインを追加

 →日本語ドメインで登録実施しました。

②ドメイン所有権確認を実施し、正常に日本語ドメインで追加されたことを確認
 →表記もしっかり日本語ドメインで入ってますね。

③ユーザー作成を実施してみました。

 →ドメイン選択時には日本語ドメインで表示されていたが、
  実際に登録が完了するとPunycodeでの記載のみ確認できました。
  ※Punycodeとは?は最後の”まとめ”に記載してます。

  →ユーザーの詳細画面を開いても、やはりPunycodeでしか記載が見当たりません。

→ 他の同一ドメイン内の別のユーザーが日本語ドメインユーザーを確認したところ、Punycodeでの記載のみ確認

④メールの送受信を実施してみました。
 →メールの送受信において、特にエラーやバウンスされること無く外部からも内部からも送受信可能でした。ただし、表記が日本語ドメインで表示されたりPunycodeで表示されたりと環境に依存するようです。

⑤ユーザーログインができるか確認
 →日本語ドメインでもPunicodeでもログイン可能であることを確認しました。日本語ドメインで入力後にパスワード入力画面では自動的にPunycodeに変換されて表示された。以後、アカウント情報などを見てもPunycodeでアドレス表記されていた。

検証2:M365での日本語ドメイン利用

次にM365での日本語ドメイン追加検証に進みたいと思います。

①管理コンソールにログインし、ドメインを追加
 →日本語ドメインで登録実施しました。

②ドメイン所有権確認を実施
 ※この時点で既にPunycode化されている。

 →ドメイン所有権確認完了後、正常にドメインが追加されたことを確認。
 →管理コンソールの表記上、Punycodeでの記載のみ確認できました。

③ユーザー作成

 →問題なくユーザー作成できるが、管理コンソールの表記上はPunycodeで記載されているので、Punycodeでの登録のみ実施。

④メールの送受信

 →送受信共に、Punycodeで行われているが日本語ドメインは確認できなかった。ただ、送信時にはPunycodeで送信されているものが受信側(今回はGmailで受信)では日本語ドメインに変換されているようで、Fromの記載が日本語ドメインに変わっていた。

⑤日本語ドメインでサービスにログインできるか確認
 →日本語ドメインでもPunicodeでもログイン可能であることを確認しました。GWSと同様にM365でも日本語ドメインで入力後にパスワード入力画面では自動的にPunycodeに変換されて表示された。以後、アカウント情報などを見てもPunycodeでアドレス表記されていた。

 

まとめ

日本語ドメインなどの、Unicode(1~3Byte)で記載されたドメインに関してはシステム上の処理が難しいために実際はPunycodeと言われる1Byte文字に変換されて処理されているようです。

そのため、GWSやM365でもPunycodeとしての処理は行えてますが、日本語ドメインでの処理は実施できている部分とできていない部分が混在しています。

日本語ドメイン(Unicodeドメイン)【やわらか銀行.com】
Punycodeに変換すると【xn--u8j2fpax1243i01m.com】

項目

GWS

M365

備考

日本語ドメイン追加

Punycodeとして登録

アカウント作成

Punycodeとして登録

サブドメインとして追加

Punycodeとして登録

ログイン

ログインできるが、稀にPunycode変換時の”--”が入る事でアカウントとして処理されない事がある。※アプリからのログインなど

メール送受信

両システムともメールの送受信はできるが、ピュニコードで表示されるか日本語で表示されるかは受信側のシステムにもよる。

SPFやDKIMの設定

問題ない

システム上の表記

システム上でドメイン=2Byte文字での表記が出来ない模様。ログ等についても表記が日本語で出たり、Punycodeで出たり混在している。

システム内連携

※カレンダー

※ファイル共有

※チャット等

日本語ドメインで処理出来る場合と、処理できなくPunycodeでのみ処理できる場合がある。今回は詳しくは確認していないが、ブラウザー側の補正含めアクセス元の環境依存もある模様。

GWSもM365も日本語ドメインの追加はできますが、主に管理コンソール上ではPunycode記載での登録になっています。アカウントの作成やサブドメインとしての登録なども可能ですが、こちらもPunycode記載での作成になっておりました。

今回の検証を行っていく上で分かった事として、日本語ドメインは正式にはサポートされておらず検証が行えてない部分も含め何が起きるか分からないというのが現状です。日本語表記なのかPunycode表記なのか仕様上何処で変換されているか分からず、ログや管理画面上でも混在しているので管理が非常に難しいと感じました。

また、公式にサポートしているとのアナウンスがありませんので、責任含め利用できなくなることのリスクが含まれるかと思います。

感想としては思っていた以上に使えるけど、リスクも多いので使うか使わないかは利用者の責任でという歯切れの悪い結論となりました。

ビジネス上で日本語ドメインでメールを使いたいなどの要望がある場合、しっかりメールシステムの構築含め日本語ドメインに対応したソリューションで検討して頂いた方が良いかと思います。

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