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こんにちは、クラウドエンジニアの前田です。
私は「リスキリングにてエンジニア未経験者が「AWS Certified Cloud Practitioner」資格に挑戦してみた」でも記載していますが、未経験からエンジニア職に職種変更を行いました。
そんな私は、この度Linuxの資格「LPIC1」と「LinuC1」に挑戦し無事合格いたしました。Linuxの資格を取得しようと思い至った経緯としては、エンジニアとしての基礎を固めるために、まずはテキストベースでコンピュータを操作する「CLI環境」に慣れようと思ったのが、Linuxを学ぼうと思ったきっかけとなります。
今回は、「LPIC1」と「LinuC1」の資格について経験を交えながら解説していきたいと思います。
LPICとLinuCはどちらも、Linux技術者としてのスキルを証明するための有効な資格ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、大きく分けてLPICとLinuCで運営団体が異なります。
LPICは、非営利団体であるLinux Professional Institute (LPI)が運営しており、LPIはベンダーニュートラルで、特定のディストリビューションに依存しない教育と認定を提供することを目指しています。LPICは2001年に認定が開始され、全国180カ国以上で展開されています。
LinuCは、LPI-Japanによって運営される2018年から提供が開始された日本発の認定試験です。日本国内向けの資格で、Linuxのスキルアップにつながる十分な資格となっています。
グローバルか日本国内かで認知度の違いはありますが、どちらもLinuxをしっかりと学べる資格です。
試験範囲も異なる部分がありますので、次の項目で説明していきます。
試験範囲に関しては8割は共通した内容で、一部異なる部分もあるという感じです。
違いについて、例を上げると、LPIC1のLPIC102「シェル、スクリプト、データ管理」の項目で「read」「seq」といったコマンドを学びましたが、LinuC1では出てこなかったと記憶しています。
また、LinuCのLinuC102に「オープンソースの文化」という項目があり、オープンソースについての定義やライセンスについて学ぶ範囲がありましたが、LPICでは範囲外でした。同様に、LinuC102の「セキュリティ」の項目では、「パブリッククラウド」について学びましたが、LPIC102では「セキュリティ」は学びますが、「パブリッククラウド」については範囲外でした。
LPIC1を取得したからLinuC1もそのまま取得できるかというと、内容が異なる部分もあるので、両試験を合格したければ、試験範囲は事前に理解しておくと良いかと思います。
■LPIC1:試験概要
LPIC101およびLPIC102:出題範囲
■LinuCレベル1:試験概要 サンプル問題・例題解説
| LPIC1 | LinuC1 | |
|---|---|---|
| 101の範囲 |
|
|
| 102の範囲 |
|
|
| ♯ | 項目 | LPIC1 | LinuC1 |
|---|---|---|---|
| 1 | 認定条件 | 101/102の両試験に合格すること(※1) | |
| 2 | 前提条件 | 前提条件なし(前提資格保有条件などはなし) | |
| 3 | 試験時間 | 90分 | |
| 4 | 問題数 | 約60問 (単一選択または複数選択の選択式と穴埋め式) | |
| 5 | 合格ライン | 合格ラインは非公開(目安としては65%程度の正解率が必要) | |
| 6 | 受験方法 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン監督付き試験 | |
| 7 | 合否結果 | 試験終了後にスクリーン画面に結果が表示 | |
| 8 | 受験料 | 1試験あたり15,000円(税抜き) | |
| 9 | 有意性の期限 | 資格取得から5年以内に再度同試験を合格するか、上位認定試験に合格 | |
※1 101試験に合格したのち、5年以内に102試験に合格する必要があります。合格しない場合は、101試験の合格が無効となります。また、受験順序は問いません。(101受験→102受験でも102受験→101受験でも可)
今までは、試験範囲などを紹介しましたが、ここからは私の勉強方法について紹介します。
最初はLinuxなにそれ?状態でしたので、まずLinuxを理解したいと思い、こちらの書籍を購入し一読しました。1巡目は全体像を理解したいと思いざっと流し読み、2巡目は実際にコマンドを試しながら読みました。
2.Linux教科書 LPIC レベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応
通称「スピマス」「白本」と呼ばれる教材で、問題集形式で学べる書籍です。後述するping-tと平行して取り組んだこともあり、こちらは1巡しかできませんでしたが、書籍にある模擬試験では実際の試験と似たような問題もありました。
3.Ping-t
Ping-tはLPICやLinuC以外にも、CCNAやOSS-DBなども学べるIT試験学習サイトです。無料の範囲内で、LPIC101やLinuC101を学べるので、私はLPIC101を無料会員で勉強したのち、有料会員になりLPIC102を勉強しました。
LPICやLinuCの認定教材にもなっており、実際の試験ではPing-tで取り組んだ似たような問題も出てきました。また、Ping-tでの回答形式は単一選択や複数選択を網羅しているので実際の試験に似た形で取り組むことができ、解説も丁寧に書かれているため、勉強しやすかったです。1問回答し解説読んで、次の問題へという流れをひたすら繰り返しました。1巡した後、ミスした問題だけを再度1巡して、最後は模擬試験で60問を90分で解く練習を繰り返し行いました。
これらの書籍やサイトを使いつつ、自身のパソコンに仮想環境を構築し、そこにLinuxをインストールして、実際にLinuxでコマンド入力しながら、取り組みました。書籍やサイトでも十分知識はつきますが、自身でLinuxを操作することも大切だと思います。
各試験のスコアは下記のようになりました。「試験範囲」の「合格ライン」でも記載した目安正解率65%程度という数字に対して、各試験いずれも上回ることができました。
■LPIC1
LPIC101
結果:590/800点(正解率約73%)
※2024年9月合格
LPIC102
結果:620/800点(正解率約77%)
※2024年11月合格
■LinuC1
LinuC101
結果:653/800点(正解率約81%)
※2025年3月合格
LinuC102
結果:586/800点(正解率約73%)
※2024年12月合格
LPIC101(2024年9月) → LPIC102(2024年11月) → LinuC102(2024年12月) → LinuC101(2025年3月)の流れで受験を行いました。
LPIC101のあとはLPIC102を受験し、LPIC102の記憶が新しいうちにLinuC102を受験しました。その後、LinuC102からLinuC101は年末年始が入ったことを言い訳に少し勉強から遠ざかってしまい、期間が空いてしまいました。期間が空くと忘れている内容も多く、再度理解するのに時間がかかってしまいました。
手ごたえとしては、個人的にはLPICもLinuCも「101」が難しく感じました。
コマンドのオプション(例えば、「行番号をつけて出力する。ただし、空白行には番号をつけない」→cat -b? cat -n?どっち?など)を求められる問題や、yumコマンドの後に「パッケージ名」をとるのか「パッケージファイル名」をとるのかなど、勉強している時には理解しても、実際にping-tなどの問題で出題されると「あれ?どっちだっけ?」というのがあり、覚えるまでに時間がかかりました。
実際に各試験60問のなかで前半の問題は回答に自信のない問題も多く落ちたかもという不安な気持ちが高まりましたが、中盤から後半の問題にかけては自信をもって回答できる問題が増えてきて、最終的には合格を得られ安心しました。
最後まであきらめない気持ちが大切だと改めて感じました。
各試験いずれも90分の試験時間が設けられていますが、50分前後で終了しました。問題数としては60問あるので、1問あたり1分以内に回答できたという計算になります。全体的に時間が足りなくなるということはないかと思います。
最初、LPICとLinuCどちらの試験を受けたら良いのかを悩みました。
試しにChatGPTにも質問してみました。回答は「LPICとLinuCのどちらも、Linux技術者としてのスキルを証明するための有効な資格です。グローバルな認知度を求めるならLPIC、日本国内での利用や評価を重視するのであればLinuCが適しているでしょう。」という内容でした。私なりに調べてみても同じような結論に至りました。
上記を踏まえて両試験を受験してみての結論は、どちらの試験でもほぼ同じような範囲を勉強することになり、LPICはところどころ問題の文章が日本語にうまく訳されていないという問題はありましたが、どちらを受験してみてもLinuxについて学べると思います。
ただ、外資系で働きたいのであればグローバルな認知度があるLPICをおすすめしますし、初心者でLinux操作してみたいと思ったらLinuC1を取得し、その後上位資格のLinuC2やLPICに挑戦してみるという進め方もありだと思いました。
Linuxの試験を受けてみようと思っている方々に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
※本記事は、2025年5月時点での情報をもとに執筆しております。
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