AI時代の「振り返り習慣」と「作業記録を資産に変えるメモ術」

2025年12月21日掲載

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こんにちは、IoTデバイス開発のプロジェクトマネージャーをしている横井です。

この記事は、ソフトバンクアドベントカレンダー2025の21日目の記事です。

 

AI時代の業務は複雑で変化が速く、自己管理の力が問われるようになっています。

本記事では、AI時代における自己管理力を高めるための振り返り習慣と作業記録のメモ術について紹介します。

忙しい日常の中でも継続可能な作業単位の振り返り方法を解説し、情報の蓄積と再利用を通じて作業効率を最大化する作業記録のメモ術について説明します。

目次

本記事は下記のような方に向けて書いています。
  • 日々の振り返りの仕方で悩んでいる方
  • 日々の作業効率を高めたい方
  • AI時代における自己管理力を高めたい方

(注釈)

  • 本記事は年単位、月単位などの大きな振り返りではなく一日単位、タスク単位の小さな振り返りに焦点を当てています。
  • 私の場合、小さな振り返りを大きな振り返りの材料にしています。

1. はじめに

仕事に限らず、さまざまな分野で振り返りの重要性が説かれています。

では振り返りはなぜ重要なのでしょうか。

 

同じ失敗を繰り返さないため、目標とのずれを修正するため、小さな成功体験に気付くため、気持ちに区切りをつけるため等さまざまな理由が挙げられますが、私自身一つ一つの経験に対して、そこから得た学び・気づきを自分の中で抽象化し、別の経験に生かしていくために重要だと考えています。

一方で、日々の業務に忙殺される中で、振り返りの時間を定期的に取るのは難しいと感じることも多いのではないでしょうか。

また、まとまった時間を取って振り返ろうとしても、何をしてきたか思い出せず、うまく振り返れないことも多いのではないでしょうか。

私は、時間が取れず振り返りが続かない、振り返ろうと思ってもそもそも何をしていたか詳細を忘れているという問題で悩んできました。

 

そこで、これらの問題への対処方法として、私が現在行っている振り返りと作業記録の方法について紹介します。

2. 振り返りできない問題へのアプローチ

早速ですが、振り返りの時間を取れない、振り返る内容を思い出せない問題への対処方法を説明します。

これらの壁にぶつかっていた当初は、一日の終わりに一度にまとめて振り返りを行っていました。

 

そこで現在は発想を変え、作業単位でこまめに作業記録や振り返りをすることにしています。

この方法の利点は次の通りです。

  1. 作業終了後1, 2分間取るだけで振り返りができる
  2. 記憶が鮮明なうちに振り返りができる
  3. 作業記録もしておくことで、今後の役に立つ
  4. 作業間の頭の切り替えになる

1番目と2番目は課題への直接的なアプローチになりますが、3番目と4番目のような副次的効果も得られます。

次節では、これらの副次的効果も最大限に高めるためにどのように振り返っているかに関して説明します。

3. 振り返り習慣

私は現在下記のフォーマットで振り返りを行っています。

## ${タスク名(リンク付)}
${開始時間}
やること
- ${具体的にやること} @${終了予定時間}
${終了時間}
やったこと
- ${やったこと}
わかったこと
- ${予定との差分、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、感じたこと等}
次にやること
- ${次にやること}

まず、このフォーマットのベースになっている手法の説明をします。

3.1 インタースティシャルジャーナリング

インタースティシャルジャーナリングは、1日の中で休憩時間や別のタスクに移る際の「隙間時間」を利用して、タスクの進捗や思考、次の行動計画などを書き留めるジャーナリングの手法の一つです。

「インタースティシャル」には小さな隙間や間隔という意味があり、まとまった時間を取ってジャーナリングを行うのではなく、少しずつこまめにジャーナリングを行うのが特徴です。

前述の私の振り返りフォーマットの大部分はこのインタースティシャルジャーナリングを参考にしています。

3.2 YWT

YWTとは、本能率協会コンサルティング(JMAC)が開発した振り返り・リフレクション(内省)の考え方・実践手法です。

Y、W、Tは、それぞれ「やったこと(Y)」、「わかったこと(W)」、「次にやること(T)」の頭文字を指しています。

YWTの他にも振り返りの有名なフレームワークに、KPT (Keep, Problem, Try)や経験学習モデル(具体的経験、内省的反省、概念化・抽象化、能動的実験)があります。

これらのフレームワークも試しましたが、作業単位の小さな振り返りを行う際はYWTが最も振り返りやすかったため、現在はYWTの振り返り手法を採用しています。

続いて、このフォーマットの具体的な使い方を説明していきます。

3.3 作業開始時にやること

まず、作業開始時に「タスク名」と開始時間を記入します。
※後述しますが、作業記録を残すために私はタスク名をリンク化しています。リンク先のノートは別途作業記録メモとして使用しています。

次に、「やること」の部分に具体的にやることを書き出します。このとき、「やること」は「(誰に)何をどうする」を意識して具体的に書き出すようにしています。例えば、「メール送付」ではなく「AさんにXのメールを送信する」のように記載しています。複数ステップの作業がある場合は、いわゆるタスク分解のイメージでやることを複数書き出します。また、締め切り効果のため、終了予定時間も書き出しておきます。

一連の作業後には以下の例のように書き出した状態になります。

## Aプロジェクトの会議資料作成
14:30
やること
- 前回会議の議事録を読み、必要なトピックを抽出する @14:50
- トピックごとに簡易スライド構成案を作成する @15:10
- 構成案をもとに会議資料を作成する @15:25

このようにやることを具体的に書き出し、「考える自分」が「実行する自分」に指示を出すことで、思いつきの作業や面倒な作業からの逃避を防ぎ、集中できる状態を整えてから作業に取り掛かっています。

慣れないうちは違和感を感じましたが、やることを洗い出すことによって作業間の頭の切り替え効果を最大限に高めています。

3.4 作業終了時にやること

作業終了時は、まず終了時間を書きます。

次に、「やったこと」を書きます。「やったこと」には「Aさんにメールを送信した」のように事実だけを記載します。

その後、「わかったこと」に事実とは切り分けた自分の解釈を記載します。「わかったこと」は特にフォーマット等考えず、思ったことを思ったままに箇条書きで書き出しています。やることに書いた予定との実際の差分や、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、その他思いついたこと等を書き出すことが多いです。

最後に、「次にやること」を書き込みます。ここでは、次に同じ作業の続きを始めるときに、まず何をやるべきかを書き出します。「やること」の記載と同様にできるだけ具体的に記載するように意識します。

これにより、次回の作業開始時に「前回はどこまで進めて、今回はどこから進めれば良いか」を思い出す手間を省くことができます。

また、直前まで行っていた作業から脳のメモリを開放し、安心して次の作業に集中できるようになります。

 

一連の作業後は下記のように記入がなされています。

## Aプロジェクトの会議資料作成
14:30
やること
- 前回会議の議事録を読み、必要なトピックを抽出する @14:50
- トピックごとに簡易スライド構成案を作成する @15:10
- 構成案をもとに会議資料を作成する @15:25
15:40
やったこと
- 上記全て実施した
わかったこと
- 議事録の確認に手間取り、開始の抽出作業で予定より10分オーバーした。。。
- 先に構成案を作ったおかげで、資料作成の迷いはなかった
- p.4に掲載するデータが手元にないことに気づいた
	- 他の人への確認が必要な作業は先に確認しておくべきだった。。。
次にやること
- Bさんからp.4のデータ受領後データ入力し、資料全体を完成させる

これらを一つのまとまりとして、一日の時系列の中で複数のまとまりを記載していきます。

全てが上記のように上手くいくわけではないですが、できるだけ一連の自分のリズムで作業できるよう意識しています。

4. 作業記録のメモ術

前章では、「次にやること」を書き出すことで、次回の作業に取り組みやすくすると説明しました。

しかし、時系列に沿って複数のまとまりを書き連ねていく中で、どこに「次にやること」を書いたか忘れ、それを探すのに時間を取られては本末転倒です。

そこで、本章では振り返り習慣と並行して行っている作業記録のメモ術についても説明します。

 

前述の通り、私はタスク名を書き込むときにタスク名をリンク化し、別途作業記録メモを作成しています。この作業記録メモは下記のフォーマットで作成しています。

Aプロジェクトの会議資料作成

参照資料
- ${参照資料1}
- ${参照資料2}

サブタスク
[×] ${サブタスク1}
[ ] ${サブタスク2}
[ ] ${サブタスク3}

次にやること
- ${次にやること}
  
# ${サブタスク1}
- ${サブタスク1に関するメモ}
  
# ${サブタスク2}
- ${サブタスク2に関するメモ}

振り返りのフォーマットは時系列順に記載しており「縦」の関係性をつなぐのに対し、作業記録メモは特定の作業単位で記載しており「横」の関係性を繋ぎます。

作業記録メモを記載する利点としては、

  • 特定の作業記録のメモを検索するだけで、次にやることがすぐわかる
  • 頻繁に使う資料を探す手間が減る
  • これまでの記録を未来の自分、他者が再利用できる

などが挙げられます。

振り返りのタスク名にリンクする形で作業記録メモを残すことで、日常の作業記録を今の自分と未来の自分のために活かせるようになります。

5. 使用しているメモアプリ

私は現在、Obsidianというメモアプリを使用しています。

私がObsidianを利用している主な理由は下記のとおりです。

  • マークダウンファイルで保存できる(=サービス終了の影響が限定的)
  • ローカルに保存できる(=インターネットに繋げる必要がない)
  • 内部リンクの作成や現在時刻、テンプレート挿入等がショートカットキーで簡単に実行できる

今回紹介した振り返り習慣と作業記録のメモ術は、Apple純正メモのApple NotesやGoogle Document等他のメモアプリ、あるいはSlack等チャットツールの自分宛てのDMやカレンダーへのメモ記入等でも実施できる内容となっています。

自分のお気に入りのツールでメモを取っていただければと思います。

6. 私が意識していること

最後に、振り返り習慣と作業記録のメモ術を試行錯誤してきた中で、私が意識してきたことを紹介します。

6.1 まずは少しずつ始める

いきなり全部の作業から完璧に振り返ろう、作業メモを残そうと思うと挫折してしまいます。

実際、私自身初めは数行のメモしか取れませんでした。

新しく何かを試すときは、初めから全部やろうとするのではなく、まずは少しずつ始めることを心掛けています。

6.2 できるだけシンプルに

上記にも関連しますが、仕組みはシンプルであればあるほど良いと考えています。

シンプルさの目安として、心身の状態が悪いときでも続けられるかを基準にしています。

いかにハードルの低いシンプルな仕組みにできるかが習慣化のポイントだと思っています。

6.3 一石二鳥以上を目指す

一つの作業に対して、できるだけ一石二鳥以上の効果を狙います。

今回紹介した内容で言えば、

1回目: 振り返りと作業記録を行って自分の頭を整理する

2回目: 作業記録を見返す時や大きな振り返りを行う時に参考情報として活用する

という効果を狙っています。

さらに、生成AI時代には、AIに与えるコンテキストとして3回目以降の活用機会があるのではないかと考えています。  

まずは今の自分に確実に役に立てるにはどうするか、そして未来の自分や他者、あるいはAIのためにもなるにはどうすれば良いかを頭の片隅に置くようにしています。

7. さいごに

以上、私が普段行っている振り返り習慣と作業記録のメモ術を紹介しました。

今回紹介したやり方は、私の一例にすぎません。

私自身振り返りや作業記録のやり方は日々変化しており、今後も変わっていくと思いますが、変化の激しいAI時代に良い自己管理ができるよう頑張っていきたいと思います。

皆様も自分なりの振り返りや作業記録のやり方を見つけていただければと思います。

 

本記事の内容が、皆様の振り返り実践の参考になればうれしいです。

ソフトバンクアドベントカレンダー2025の22日目もお楽しみに!

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