2024.3
ポスティングのDX改革
スマートフォン導入で管理業務を見える化

抱えていた課題

ポスティング業界No.1の取り扱い量とスタッフ数を誇っているアト。　配布品質の向上や配布エリアの拡大には業務のシステム化が重要と考え、管理業務のDX化を進めています。配布パートナー用のスマートフォンアプリの開発プロジェクトを任う笹原氏はこう語ります。

「ポスティング業界は転換期を迎えており、後継者不足やDX化の遅れで淘汰がはじまっています。一方で、Web広告が一巡し、新聞購読者が減ってきている中で、狙ったエリアで確実な効果が狙えるチラシ広告へのニーズがあらためて高まってきています。全国のポスティングニーズに業界No.1として応えていこうと、弊社では管理業務のシステム化を進めています」（笹原氏）

今までチラシの配布は、配布パートナーが紙の地図を頼りに行なっていたため、指定エリア外への投函や投函禁止建物への誤配布が生じていました。また、チラシを配り切れずに投棄してしまうといった問題もあり、顧客からのクレーム削減や品質向上が思うようにできずにいました。さらに、配布パートナーが紙に記入した報告書を事務スタッフがPCに入力しており、ダブルチェックにも事務スタッフの負荷がかかっていました。

スマートフォンを貸与し、管理業務を効率化

学生時代からポスティング業界での営業や配布パートナー管理の経験を積んできた創業者の奈須田氏（代表取締役社長CEO）は、以前より管理業務のデジタル化が業務の拡大につながると考えており、配布パートナー向けのスマートフォンアプリの開発を決定。５年ほど前からスマートフォンのGPSを使ったアプリ開発に着手しました。アプリ開発を担った笹原氏はこう語ります。

「配布パートナーに自社開発した地図アプリ（以降、アプリ）の入ったスマートフォンを持たせることにより、位置情報と配送ルートをリアルタイムで管理者のPCから確認できるようにしました。ユーザの声を聞きながらアプリ機能を向上させ、2022年からスマートフォンを全営業所で本格導入したところ、誤配送の抑止やチラシ投棄へのけん制を実現し、配布品質が向上しました」（笹原氏）