インターネットやモバイルを活用したサービスを展開しているLINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)。世の中がPCからモバイルへとシフトチェンジしていく中で、Apple製品とシームレスに連携できる開発環境の必要性が増したことや働き方の変化への対応が課題でした。そこで、業務で使用するPCにMacを選択できる体制を整備。その際、会社全体でポリシーを統一することでセキュリティを強化し、効率的でかつ柔軟に働ける業務環境も実現することができました。
「Macの導入でユーザーの利便性や生産性が格段に向上しました。企業のガバナンスも整えられ管理面でもセキュリティ確保できるようになりました」
LINEヤフー株式会社
コーポレートIT統括本部 ITインフラ本部 本部長 廣瀬 正則 氏
ITサービス事業とeコマース事業を中心に展開しており、インターネット広告やモバイルサービスをグループ内で効果的に活用しているLINEヤフーは、2023年10月の合併により事業の幅を広げ、AI要素の導入や海外拠点の拡大を進めています。
昨今インターネットやスマートフォンを活用したコミュニケーションの強化に注力している同社では、LINEとヤフーの2社合併前より各プラットフォームの統合計画を含め、PCからモバイルへのシフトチェンジを進めていました。そんな中、Macの必要性が顕著になっていたほか、これまでの個別管理での限界、全体統制やセキュリティの必要性という点を課題として認識していました。
以前はWindows環境が中心で、セキュリティ面や管理面を考慮すると業務でMacを利用するという選択肢はなかったのですが、iPhone の登場とともにモバイルのアプリケーションを開発する必要が出てきました。
「2000年前半頃はWindowsのデスクトップPCが主流だったのですが、その後PCがラップトップに代わり、電話もiPhone へと移行されていきました。iPhone やiPad の普及が進むと、デザイナーや開発者からは『アプリの開発にMacが必要だ』という声が増えていきました」(廣瀬氏)
しかし、会社としてWindowsPCに加えてMacも導入するのは管理が複雑になるという問題があったため、Macが必要な場合は各部門が個別に購入・管理するという運用をしていたと言います。そのため、全社的に統一されたポリシーが未整備で管理体制が整っておらず、セキュリティリスクの増大や管理コストの増加が避けられないという課題が浮き彫りになっていたのです。
「企業としてMacを導入するのは少し抵抗があり、部門ごとに個別で購入・管理するようになっていました。そのため物品管理やセキュリティのパッチをあてることもできていませんでした。これを企業のガバナンスにおいて問題視し始め、部門でそれぞれ管理するよりも会社全体として情報システム部門で一括管理する運用にしくことになり、ポリシーを決めて管理を統一化し、WindowsとMacを同じように管理する運用へと変えていきました」(芝田氏)
「例えば型番などの違いでサポートの統一性が図れないといった技術的な問題もありました。そういった点でも、情報システム部門で必要な型番を用意して提供・管理する一括管理へと変えていきました。
ユーザー目線でも不利益が多かったですし、ライフサイクルといった観点でも、部門購入では管理できていない状況だったので、経営的目線でも会社全体で一元管理すべきだというということになりました」(芝田氏)
芝田氏
また、同社ではiPhone やiPad が導入・配布されており、とにかくデバイスを使い倒すように指示されていたと言います。そうした背景からワークスタイルも変化していったそうです。
「Apple製品を使い倒し、最大限活用するためには、PCをiPhoneやiPadと連携させないと難しいところがありました。また、コロナ禍を経てリモートワークが普及したタイミングで、働き方にも柔軟性が必要ではないかという議論が一気に加速しました。iPhoneの活用や社外からでも効率的に業務が行える環境整備が急務となった際に、どうしてもWindowsPCだけでは働き方を変えにくいところがあったので、解決策としてMacの導入が検討されたのです。そこでMacという選択肢を増やしていこうという方針になりました」(廣瀬氏)
WindowsPCとMacのどちらを使うかは選択制となっているものの、新入社員はMacを選択する割合が圧倒的に多いそうです。
「基本的には利用する本人の希望に沿った形でPCを用意しています。特に技術部門や開発者でなくても希望があればMacを提供しており、現在正社員は半々くらいでMacを選択しています。新入社員にとっては、そもそもMacを使えるということの魅力が大きく、所有満足度という点でモチベーションにもつながっています」(廣瀬氏)
また、Macは業務の効率化にもつながっていると続けます。
「ユーザーにとってMacを利用することの効果は『利便性』と『生産性の向上』です。Macは操作性や使い勝手が良く、業務が効率化できて時短にもなっています。また、以前はWindowsPCではうまく業務が進まない場合に、そのときだけMacを使う、といった使い分けをしていたので、それが全て1台でできるようになったことでも大きく業務を効率化できています。特に開発者はローカル環境でも作業できることに圧倒的にメリットを感じています」(廣瀬氏)
廣瀬氏
会社としてWindowsPCとMacの両方を管理する必要が生じたものの、Macは管理工数的にもメリットが多かったようです。
「Macの場合は、在宅ワークで利用するためのセットアップをゼロタッチでできるようになっています。インターネット環境さえあればすぐにPCが利用できるのでユーザーも管理側も工数を削減できます」(芝田氏)
「メンテナンス性についても、WindowsPCほどパッチ適用回数が多くないので、Macの方がユーザー負担が少ないですね。アップデートに不具合がでるケースもMacの方が少ないと思います。さらに、柔軟性といった面でもメリットがあります。MacはOSのバージョンを上げれば多少の不具合があっても使えますが、Windowsはアップグレードバージョンをそのままの環境で使えるかというと難しいところがあります」(諸正氏)
事業展開を進めるにあたっては、海外拠点へのPCデリバリーや運用を短期間で行う必要があり、対応できる販売店がほぼない中、ソフトバンクが全面的にサポートを行いました。
「日本国内から海外拠点に対してPCデリバリーできるベンダーはほぼ無く、特にアジア圏はどこも対応していませんでした。そんな中、ソフトバンクさんには5カ国にヘルプデスクを設置してPCを調達する建付けを行っていただきました。現地購入が必要な国もあり、現地のリセラーを使って購入・運用・一括配送まで柔軟に対応していただきとても助かりました」(廣瀬氏)
グループ会社としてもお互い助け合える関係でありたい、というソフトバンクの担当営業の想いもあり、手厚いサポート体制のもと海外拠点へのPC提供が実現しました。
合併や新しいプラットフォーム基盤の整備が済み、さらなる事業の発展と展開を進めている同社へ、今後の展望やソフトバンクへの期待をお聞きしました。
「グローバルへのサポートは今後もぜひ継続的にお願いしたいと思っています。また、Mac自体には現状とても満足しているので、今後は実際にPCを使用するにあたって発展・活用できるような提案をいただけるとうれしいです」(廣瀬氏)
諸正氏
「iPhoneとMacと連携させることで便利になり、ユーザーへは利便性と生産性向上を提供できているのですが、セキュリティ管理者の立場としては、リスクをどれだけ抑えることができるかが重要です。Appleの法人対応や統制管理できる部分を充足できるような面の対応を期待したいです」(諸正氏)
サービス開発やサービス提供をさらにスピードアップさせて発展へと取り組むLINEヤフー。ソフトバンクはしっかりと伴走し、互いに貢献し合いながら営業活動を行っていきます。
お話を伺った方
LINEヤフー株式会社
コーポレートIT統括本部
ITインフラ本部 本部長
廣瀬 正則 氏
LINEヤフー株式会社
コーポレートIT統括本部
ITサービスインテグレーション部 部長
諸正 康弘 氏
LINEヤフー株式会社
コーポレートIT統括本部
ITアセットマネジメント部
デバイスエンジニアリングチーム
芝田 拓也 氏
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