渡辺パイプ株式会社(以下、渡辺パイプ)は、全国の13万社に及ぶ取引先とのコミュニケーションにおいて、メールや電話、FAXなど複数の手段を利用しており、業務非効率性やシャドーITリスクに課題を感じていました。そこで、コミュニケーション手段を取引先の多くが利用している「LINE」とも連携できるビジネスチャット「LINE WORKS」へ変更。セキュアな環境下での円滑なコミュニケーションを実現し、顧客満足度の向上と業務効率化に成功しました。
「LINE WORKSの導入により、取引先とのつながりが飛躍的に拡大し、業務効率化も実現しました」
渡辺パイプ株式会社
情報システムユニット 運用グループ グループリーダー 中嶋 友美 氏
渡辺パイプは、「水・住まい・農業」の事業フィールドで人々の暮らしを支える専門商社です。同社の特徴について中嶋氏に伺いました。
「創業当初の水道工事店へのパイプ供給から事業が拡大し、現在では管材・住宅設備・電材・建材など、暮らしに欠かせないインフラ商材を豊富に取り扱っている『水と住まいの事業』」と農業総合メーカーとしてビニールハウスの設計から直営農場運営までを手がける『グリーン事業』を2つの柱として、人々の生活インフラを支える役割を担っています。全国に600カ所以上の営業所を展開しており、この広範なネットワークが当社の強みです。これにより、例えば東京のお客さまが遠隔地の現場で資材を必要とする場合でも、現地の営業所で円滑に引き取りが可能となるなど、全国規模での迅速な対応が可能です」(中嶋氏)
デジタル化が進む昨今の取り組みについて、このように話します。
「当社が現在、特に注力しているのは、中期3カ年計画『VISION2025』において掲げる『顧客と【さらに】デジタルで繋がる』という方針の推進です。これは、デジタル施策を再構築することで、お客さまとの接点を一層強化し、提供する価値の最大化と事業成長の加速を目指す重要な取り組みです」(中嶋氏)
お客さまと取引を行う中で、同社はそのやりとりにおいて大きな課題を抱えていました。全国各地に及ぶ複数の取引先の中には、電話やFAXでのやりとりがメインであったり、会社のメールアドレスを所持していないというお客さまもいたようです。
「社員には以前から業務用のスマートフォンを貸与し、LINE WORKSとは別のコミュニケーションツールも使っていましたが、取引先とのコミュニケーションにおいてはメールや電話、FAXなど多岐にわたっていました」(中嶋氏)
日々のコミュニケーションの中で、取引先からはLINEでのやりとりを希望する声が多かったそうです。しかし簡単には、その要望に応えることができなかったと中嶋氏は振り返ります。
「業務用携帯では私的なアプリケーションのインストールを制限していたので、当時LINEの利用はできませんでした。お客さまから『LINEで連絡を取りたい』とのご要望をいただく場面が増える中で、業務上の連絡手段として個人用携帯のLINEを利用せざるを得ないケースが発生していました。これに対し、システム部門では情報管理やセキュリティの観点から、リスクがある状況として認識し、適切な対応の必要性を感じていました。そこで、取引先の満足度の向上や従業員のプライバシー保護、情報セキュリティ確保の必要性から、要件を満たしたコミュニケーションツールの導入の検討が進みました」(中嶋氏)
取引先からの「LINEで連絡を取りたい」という要望に応えつつ、従業員をリスクから守るという目的から、LINE WORKSの導入を決めた渡辺パイプ。既存のコミュニケーションツールからの移行のきっかけをこのように述べます。
「以前は別のチャットコミュニケーションツールを利用しておりましたが、それを利用するにはお客さま側での設定が必要でした。LINE WORKSは、個人が利用するLINEとコミュニケーションができる唯一のビジネスチャットなので、その『使いやすさ、慣れ親しみやすさ』というのが大きな決め手となりました。普段からLINEを使ってる人が多くいるので直感的な操作性により、従業員への導入もスムーズに進みました」(中嶋氏)
中嶋氏は続けて、管理画面における詳細な制御性や、キャリアのMDM(モバイルデバイス管理)との円滑な連携も決定要因の一つであったと語りました。
ソフトバンクのサポート体制はいかがだったでしょうか?
「ソフトバンクの営業の方からは、LINE WORKSに限らず継続的にさまざまな提案をいただいており、そのレスポンスの速さには常に助けられています。デジタル化で何ができるかという取り組みに対して、当社にあった具体的なご提案をいただけることは、デジタル戦略を推進する上で大きな一助となっています」(中嶋氏)
導入後、取引先のエンゲージメントと業務効率の向上に大きく貢献したそうです。最も顕著な効果として、取引先とのつながりが飛躍的に拡大した点について、中嶋氏はこう語ります。
「LINE WORKSによるコミュニケーションを取り入れた結果、導入から3年足らずで4万8千件を超える連携が実現し、複数のファイルが共有されるなど、活発なコミュニケーションが行われています。営業と取引先の接点が増え、より強固な関係性が構築されたと感じています」(中嶋氏)
導入の効果は、営業活動にも直接的な効果をもたらしているそうです。営業担当者は外出先からでも取引先と円滑にコミュニケーションが取れるようになり、メールと比較して圧倒的にレスポンスが早くなったと言います。外出先からでも社内と連携できるため、顧客満足度が向上しているほか、「取引先との接点が増え、写真による情報共有もスムーズに行えるようになったことは、業務の質を高める上で非常に有効です」と中嶋氏が語るように、迅速かつ視覚的な情報共有が可能になったことで商談の機会が広がるなど、営業活動にも好影響を与えているとのことです。
バックオフィス業務や引き継ぎ業務においても効率化が実現しました。
「画面キャプチャ共有のやり取りで、お問い合わせに対する迅速な解決が可能になりました。既読かどうかが分かる点や、過去のやり取りが見返しやすいという声、社内の伝達がスムーズになり年間24時間ほど業務削減できたというバックオフィス側の声もありました。また、煩雑だった担当者間の引き継ぎ業務においては、グループトーク機能によりに効率化され、情報の抜け漏れなくスムーズに会話ができるようになったという声も出ています」(中嶋氏)
同社はLINE WORKSの導入で得られた成果を基盤に、さらなる未来を見据え、AI技術の活用も見据えた展望についてこのように語ります。
「今後は新しいソリューションの連携を強化し、より業務効率化を目指していきたいです。まずはCXトーク※を通じ顧客対応の質を高め、迅速なレスポンスを実現することを目指していきたいです。ほかにも、LINE WORKS AiNote※のトライアルを実施しており、議事録をテキスト化して要約してくれる機能によって、商談や社内会議の効率化を図る計画も進めています。これにより、コミュニケーションの質とともに業務効率の向上が期待できます。生成AIの技術を活用した新たな取り組みを通し、お問い合わせへのレスポンス向上を実現し、社内のノウハウ蓄積、人材育成の推進を目指していきたいです」(中嶋氏)
※さまざまなお問い合わせをまとめて、チームで対応できるLINE WORKSのオプションサービス
※AI技術を活用した高精度な音声文字起こしができるAI議事録作成ツール
取引先の要望に沿ったコミュニケーションを確立し、関係性の強化や業務効率化を実現した同社。今後はより一層、さまざまなソリューション連携やAI技術の活用を通じ、競合他社との差別化を図り、信頼される企業としての取り組みを進めていくことでしょう。今後も新しい取り組みへの期待がより一層高まります。
お話を伺った方
渡辺パイプ株式会社
情報システムユニット 運用グループ グループリーダー
中嶋 友美 氏
LINE WORKSは、企業向けに設計されたビジネス版LINEです。LINEでおなじみのチャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アンケート、Drive(ファイル管理)といった仕事で使いたい機能がまとまっています。
本事例のサービスに関する導入へのご相談やお見積りなどについては、下記よりお気軽にお問い合わせください。
条件に該当するページがございません