生成AIを業務に取り入れる中で、ダイダン株式会社では図表を含む資料の検索回答精度や処理効率が課題となっていました。そこで導入されたのが、ドキュメントを自動構造化する「TASUKI Annotation(以下、データ作成ツール)」です。これにより自社でデータ加工を内製化できるようになり、コストと工数の最適化を同時に実現しました。さらに生成AI基盤との連携強化により、自動的な情報連携が可能となり、ナレッジ活用が一段と進化しました。
ダイダン株式会社は、空調・電気・情報通信設備工事を中心に、設備エンジニアリング全般を担う企業です。DXの推進を重要戦略と位置づけ、2024年3月からはアイデア創出、要約、翻訳など、生成AIを用いた一般業務への活用を本格的にスタートしました。
その中でも特に注力していたのが、社内規程や技術文書をAIに読み込ませて検索・回答が可能な「ナレッジシステム」の構築です。しかし、テキスト情報のみであれば一定の検索精度を担保できたものの、図や表を含む資料では意図した情報にたどりつけない場面が多く、実務での活用には課題がありました。
課題解決のために着目したのが、ソフトバンクが提供する「データ作成ツール」でした。同ツールは、RAG(検索拡張生成)を前提とした構造化データの作成を支援するもので、生成AIと組み合わせて利用することで、ナレッジの検索回答精度を高められるソリューションです。
選定にあたっては、精度や効率性だけでなく、業務プロセスとの柔軟な連携や、コストパフォーマンスの高さも重要視されました。導入を主導した田島氏はこう語ります。
「他社のAIサービスではチューニングが難しく、自社ニーズに即した最適化が困難でした。その点、データ作成ツールは自社主導でデータ構造化を進められる柔軟性があり、プロジェクト進行の自由度が高いと感じました。社内で進捗や品質を細かく管理できるので、成果物の確認や再修正のやり取りも効率的に行えます」(田島氏)
導入後、まず大きな改善として現れたのが、図表を含む資料に対する検索回答精度の向上でした。従来は該当情報の抽出に苦労していた場面でも、構造化によって生成AIが正確に情報を把握できるようになり、回答精度は80%まで向上しました。これにより、「業務で活用できるナレッジ検索環境」が現実のものとなりました。
さらに、生成AI環境(ソフトバンクが提供する生成AIパッケージ)との連携が強化されたことで、これまで連携用ファイルを使って手作業で行っていたデータのアップロード作業が不要になりました。これにより、作業効率が劇的に改善しました。
「アップロード作業が1回15分程度かかっていたものが、自動連携によって不要となり、日々の業務負担が大幅に軽減されました。繰り返し作業の削減は、担当者の時間をより付加価値の高い業務に振り向けることを可能にしています」(田島氏)
データ作成ツール「TASUKI Annotation」と生成AI環境のデータ連携イメージ
すでに一定の効果を実感している同社では、今後の展開として社内規程やマニュアル以外の技術文書にも応用を広げていく方針です。また、将来的にはほかの業務支援ツールとの連携も見据え、ナレッジ活用のさらなる高度化を目指しています。
「まずは社内活用の領域を拡大し、技術部門の知見とも連携させていきたいと考えています。将来的には、他業務ツールや社外連携も視野に入れ、全社横断でのナレッジ活用基盤として進化させていきたいですね」(田島氏)
活用の基盤が整い次なるステージに進む準備ができた今、社内活用の範囲拡大にとどまらず、さらなる業務高度化を目指していくことが期待されます。
お話をうかがった方
ダイダン株式会社
業務本部 DX推進部
田島 氏
生成AIの精度向上に直結するデータを効率的に構造化&精度評価。RAGを高度に活用する際に課題となるポイントをテクノロジーで支援するツールです。RAGに関する知見がなくても、社内データを活用した精度の高いRAG回答生成を簡単に得ることが可能です。
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