半径約300mの広域Wi-Fiエリアを構築する可搬型の衛星通信サービス “サッと設営サッと使える”「SatPack」を提供開始

~前田建設工業株式会社の工事現場で先行導入し、高低差を含むエリアでの運用性や通信品質の有用性を確認~

2025年12月18日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、建設現場や自治体の防災拠点、災害時の通信確保などBCP(事業継続計画)対策に対応するため、半径約300m ※1の広域Wi-Fiエリアを即時に構築できる可搬型の衛星通信サービス「SatPack(サットパック)」を2026年1月中旬から提供を開始します。

「SatPack」は、ソフトバンクが提供する衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」と、アライドテレシス株式会社(以下「アライドテレシス」)の屋外用Wi-Fiアクセスポイント「AT-TQ6702e GEN2」、アンカー・ジャパン株式会社(以下「アンカー・ジャパン」)のポータブル電源などを組み合わせたもので、現場一帯の広域Wi-Fiエリア化と可搬性を両立するサービスです。

本サービスは、山間部や通信インフラが整備されていない地域でも安定した通信を実現し、災害発生時の情報共有・避難所運営支援・自治体の初動対応など、BCP体制の強化にも寄与します。提供開始に先立ち、前田建設工業株式会社(以下「前田建設工業」)の東北および九州地方にある2カ所の工事現場において、運用性や通信品質を検証する実証実験を2025年10月28日に実施し、サービスの有効性を確認しました。


<サービスロゴ>

サービスロゴ

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■ 背景

近年、災害対策や地域防災の現場でもデジタル通信の重要性が高まっています。建設・土木・林業などの現場では、作業員の安全確認や作業データのクラウド共有、建設機械の遠隔操作など、インターネットを必要とする業務が増加しています。一方で、山間部・島しょ部の不感地帯や、被災地など通信が一時的につながりにくい地域では、安定した通信環境を確保するために高い費用や時間を要してしまうという課題がありました。
また、自治体においても、災害発生時のBCP対策として、避難所や臨時防災拠点における通信確保のニーズが高まっています。


■ 「SatPack」の主な特長

「SatPack」はこうした課題に対して、現場一帯における半径約300mをカバーする広域でのWi-Fiエリア化と高い可搬性を両立し、平時・災害時を問わずに迅速な通信確保を可能にする可搬型衛星通信サービスです。ポータブル電源を付属することで、停電時も約10時間の稼働※2が可能となり、避難所や仮説拠点での緊急通信にも対応します。


・サッと設営、サッと使える手軽さ

「SatPack」は、工具が不要で、10分※3ほどの簡単な組み立て作業で設営が可能です。あらかじめ必要なネットワークの設定がされているため、電源を入れるだけで即時にインターネットを利用できます。


・半径約300mの広域Wi-Fiで現場一帯をエリア化

見通しの確保された環境では、半径約300mのエリアにWi-Fi環境を構築できるため、現場全体や避難所のネットワーク環境を効率的に整備できます。これにより、情報共有や安否確認、災害対策本部との通信を効率化します。


・車載可能、持ち運びが容易

「SatPack」は、ソフトバンクの「Starlink Business」スタンダードV4アンテナに加え、アライドテレシスの提供する屋外用Wi-Fiアクセスポイント「AT-TQ6702e GEN2」、アンカー・ジャパンが提供する超高速充電対応のポータブル電源などで構成されています。3つのユニットに分割することで、車載による現場間の移動だけでなく、利用者自身で設置場所を柔軟に変更することが可能です。また、ダム・トンネル・高速道路などの工事現場や、災害現場、自治体の防災拠点、避難所の臨時ネットワーク構築にも最適です。
 ※別途、ソフトバンクでのStarlink Businessの契約が必要です。


収納イメージ

<収納状態>

接続イメージ

<接続イメージ>


■前田建設工業株式会社 福岡県みやま市・甲田造成現場での実証実験について

福岡県みやま市の甲田造成現場において、実際の現地環境下で通信性能の検証を実施しました。最大到達距離 343mおよび約±20mの高低差のある地形でも通信が可能であることを確認しました。これにより、平坦地に限らず高低差を含む広範囲な通信性能を実証しました。


現場利用の様子 現場利用の様子

<現場利用の様子>

エリアサーベイ結果

・測定条件

測定端末:iPhone 14
測定内容:
・インターネット速度テスト(Google社提供)
・Wi-Fi アクセスポイントによる2.4GHz/5GHz帯のRSSI値(電波強度)
高低差
 アクセスポイントを基準として −20〜+10m


・結果

  「SatPack」設置地点
  下り:187Mbps / 上り:46.2Mbps RSSI:‐43dBm

 地点①
  「SatPack」からの距離 : 343m
  下り:38.7Mbps / 上り:17.0Mbps RSSI:‐78dBm

 地点②
  「SatPack」からの距離 : 252m
  下り:20.7Mbps / 上り:21.1Mbps RSSI:‐76dBm

 詰め所
  「SatPack」からの距離 : 189m
  下り:83.1Mbps / 上り:29.2Mbps RSSI:‐66dBm


付帯条件

・アクセスポイントと測定地点の間に障害物がなく、見通しが良好であること。
・現場周辺にノイズ源となる電波が発生していないこと。


■ 今後の展開

ソフトバンクは、「SatPack」のさらなる利便性向上に向け、導入企業や利用現場からの声や意見を踏まえながら、運用面での改良や機能の最適化を進めていきます。また、災害時の通信確保や防災・BCP対策など、自治体や企業での活用も見据え、幅広い分野への展開を推進していきます。


  • ※1
    当社による実測値です。天候や周囲の地形、Wi-Fiアンテナと接続デバイス間の遮蔽物の有無などにより、通信範囲や品質は変動します。
  • ※2
    当社による実測値です。利用環境や接続機器の使用状況によって消費電力が異なる場合があります。性能を保証するものではありません。
  • ※3
    当社による計測値です。設営環境や作業条件により、所要時間は変動します。

本サービスについてのお問い合わせ
SatPack DESK
GRP-satpack@g.softbank.co.jp

Starlink Businessについて
https://www.softbank.jp/biz/services/network/satellite/starlink-business/

アンカー・ジャパン ポータブル電源について
https://corp.ankerjapan.com/posts/592

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