コマツ茨城工場における自動運転レベル4による自動走行牽引車の実運用を支援
~ ichimillを活用したAI制御により、構内搬送の自動化を推進~
コマツ茨城工場における自動運転レベル4による自動走行牽引車の実運用を支援
~ ichimillを活用したAI制御により、構内搬送の自動化を推進~
2026年3月31日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、株式会社小松製作所(以下「コマツ」)の茨城工場において、2024年7月から実運用(以下「本取り組み」)されている自動運転レベル4※の自動走行牽引車を活用した構内搬送の自動化を支援しています。本取り組みを通して、合計1.0人工分の搬送業務における工数の削減につながったほか、作業者の身体的負担の軽減など、労働安全衛生の改善につながる効果が得られています。
- ※
特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
本取り組みは、株式会社マクニカのグループ会社であるNAVYA Mobilityが提供するトラクターソリューションを活用し、自動運転レベル4による構内の無人走行を実現するものです。最大17.9トンの牽引能力を備えるトラクターソリューション「AT135」を活用し、重量物の搬送を担う生産設備として稼働するとともに、AI(人工知能)による自動運転制御(障害物検知・走行判断)により、構内搬送の自動化を推進しています。
なお、NAVYA Mobilityのトラクターソリューションを用いた取り組みは、国内の導入・実運用事例として初の事例となります。

コマツ茨城工場における自動運転レベル4の自動走行牽引車による構内搬送の様子
■ 背景
製造業では、労働力不足への対応や脱炭素化の推進など、持続可能な生産体制の構築が重要な経営課題となっています。特に構内の搬送業務は人手依存度が高く、安全性の確保や効率化の観点からも自動化ニーズが高まっています。
こうした背景の下、コマツ茨城工場では、構内における搬送業務の自動化と工場のデジタル化を推進するため、自動走行牽引車を導入し、現在は実運用フェーズに移行しています。

図1 構内搬送の対象範囲と導入プロセス
■ 実運用の状況
自動走行牽引車は、2024年7月の運用開始以降、構内の搬送における「生産設備」の一部として運用されています。導入後も現場の運用に合わせた調整を重ね、現在は生産活動に組み込んだ形で安定的に運用しています。
また、最大17.9トンの牽引能力を活用し、重量物搬送にも対応しながら実運用している点も、本取り組みの特徴です。
■ 実運用による効果
本取り組みを通して、搬送業務における1.0人工分の工数削減(フォークマンの稼働確保)や、約400mのバック走行を伴う搬送作業の代替による作業者の身体的負担の軽減など、労働安全衛生の改善につながる効果が得られています。

搬送工数の削減および労働安全衛生の改善に関する効果
■ 技術の特長
自動走行牽引車(トーイングトラクター)には、NAVYA Mobilityが提供する自動運転システムを用いています。レーザーセンサー(LiDAR)で周囲を360度スキャンし、リアルタイムで地図作成と自己位置推定を同時に行います。さらに、ディープラーニングを活用し、物体認識により障害物を判定することで、安全な走行判断を実行しています。

図2 システム構成イメージ(衛星測位・RTK補正・ネットワークと車載自動運転システムの連携)
一方で、AI制御が安定して機能するためには、信頼性の高い自己位置情報が不可欠です。ソフトバンクが提供する「ichimill(イチミル)」は、GNSSおよびRTK技術を活用し、センチメートル級の高精度測位データをリアルタイムに提供することで、AIによる自律走行の精度と安全性を支える空間データ基盤として機能しています。
■ 今後の展開
本取り組みは、製造現場のデータ活用を通して自動化・高度化を支援する製造業向けIoTプラットフォーム構想の一環です。今後も、高精度測位サービスや通信、AI技術を組み合わせた空間データの活用により、製造現場における自動化・高度化を支援していきます。
また、将来的には、センシングしたデータを現場へフィードバックする仕組みを整備するとともに、生成AIの活用が十分に浸透していないフィールドワーカーに対して、データに基づく意思決定を支援していく体制構築も検討しています。
| 導入拠点/開始 | コマツ茨城工場/2024年7月 |
| 対象業務 | 工場構内搬送業務 |
| 自動運転制御 | NAVYA Mobilityが提供する自動運転システム(レベル4) |
| 車両 | Charlatte Autonom社製 自動走行牽引車「AT135」 |
| 走行ルート |
最大約1.2キロメートル(1.2km)
|
| 空間データ | ichimill(GNSS+RTK、センチメートル級測位) |
| 周辺認識・判断 | LiDAR360度センシング+地図作成・自己位置推定+DL物体認識 |
[注]
●ソフトバンクの「ichimill」 GNSS(全球測位衛星システム)とRTK(リアルタイムキネマティック)技術を活用し、センチメートル級の高精度測位データをリアルタイムに提供するサービスです(詳細はサービスページをご参照ください)。 https://www.softbank.jp/business/service/iot/ichimill/
●MACNICA(マクニカ) https://www.macnica.co.jp/business/maas/
●NAVYA Mobilityのトラクターソリューション「AT135」 LiDARなどのセンサー情報を用いて周辺環境を認識し、走行判断を行う自動運転システムです(詳細は公式情報をご参照ください) https://www.macnica.co.jp/business/maas/products/148544/