持続可能な次世代水インフラ

SDGsの目標に掲げられている水問題。老朽化と人口減少が進み、持続困難になりつつある上下水道において、水道に依存しない形での新たな水インフラの提供をご提案します。

日本が直面する深刻な水財政課題

私たちの生活に欠かせない水インフラは、財政面で深刻な社会課題を抱えています。
全国に張り巡らされた水道管の老朽化に伴う修復コストの増大や日本の人口減少に起因する料金収入の減少により、
日本全体の水インフラ事業の2022年度の赤字額は1.2兆円に達しており、これは今後より一層深刻になることが予想されています。

日本が直面する深刻な水財政課題

財政以外でも浮き彫りになる過疎部の水道課題

地域により抱える課題は形を変えますが、
財政面以外にも水質悪化や水量不足、人材不足、地域間での料金格差などさまざまな課題が浮き彫りになっています。
過疎部の水道では財政課題と合わせてこのような課題も複合的に解決していく取り組みが必要です。

財政以外でも浮き彫りになる過疎部の水道課題

事業概要(ソフトバンクの取り組み)

私たちはこの社会課題に対峙すべく、2021年5月にWOTAと資本業務提携を締結しました。
WOTAは生活排水を再生し最大限有効活用する「小規模分散型水循環システム」を保有しています。

私たちのビジョンは環境に応じて最適な水インフラを選択できる世界を実現することです。
人口密度の高い都市部は大型の浄水場・下水場に接続するほうがコスト効率がよくなりますが、
過疎地域や島嶼部においては、より人口の増減に柔軟に対応できるモデルが必要になります。

私たちはWOTAと協力して小規模分散型の新しい水インフラの選択肢を日本全国に提供していきます。

事業概要(ソフトバンクの取り組み)

WOTAが開発する水循環システム

取り組みにおいて軸となるプロダクトはWOTAが開発する「小規模分散型水循環システム」です。
こちらは水処理自律制御をコア技術に膜処理と生物処理を実装したプロダクトで、住居の側に設置することで、
1世帯単位の全生活排水を再生循環することが可能なプロダクトです。

WOTAが開発する水循環システム

利島村プロジェクト

取り組みの始まりとして東京都の伊豆諸島である利島村とプロジェクトを開始しています。
これは利島村を中心にソフトバンクがプロジェクトマネジメントを担い、
WOTAと共に島の持続可能な水インフラを作り上げることを目標に掲げたプロジェクトです。

プレスリリースはこちら

東京都利島村とは

東京都利島村とは

利島村は人口約300人、面積は約4.04㎢の日本で4番目に小さい自治体です。島の北部に港と集落があり、以外の土地はほぼ椿の木々に覆われた自然豊かな島です。
島内には川がなく、昔から水の確保に苦慮し、何度も水飢饉を経験してきた歴史があります。

利島村が長年苦労してきた水課題

利島村は海水を汲み上げて造水する海水淡水化装置を活用していますが、ランニングコストが非常に高額であり、住民に請求する水道料金は1㎥あたり200円なのに対して、造水コストは 2,800円と14倍もの費用がかかっています。
また、島全体の水インフラを2名で管理保全しており人手不足や属人化が深刻化していることや、土地の確保やインフラ整備が難しくIターン・Uターン者を受け入れる住宅建設に制約があることも長年苦労している課題でした。

利島村が長年苦労してきた水課題
安定的かつ安価な水インフラの実現を目指して

安定的かつ安価な水インフラの実現を目指して

この利島村の水課題を解決するために、2023年6月から「オフグリッド居住モジュール」の検証を開始しました。このモジュールにはWOTAが開発する「小規模分散型水循環システム」や 太陽光発電システム、ソフトバンクの通信機器などの居住に必要な水・電気・通信のすべての機能が搭載されています。
 現在、このモジュールが水道財政問題の解決に有効なソリューションになり得るかをコスト・安全性・運用性の面で検証を進めています。

生活に欠かせない水インフラが財政面で深刻な課題を抱えています。
この事業を通し、水課題の解決を目指す取り組みの輪を広げていきます。

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