おうち時間のお供にはすっかり欠かせなくなったデリバリーサービス。国内外からさまざまな会社が参入し、いまや「フードデリバリー戦国時代」とも呼ばれるようになっています。最新のデリバリー事情ってどうなっているんだろう? と、街でよく見かける出前館の方にお話を伺ってみました。
出前館
『出前館』は、アプリやサイトから簡単に注文でき、さまざまなシーンで活用可能な全国47都道府県に展開する国内最大級のデリバリーサービス。サービスを開始以降、加盟店舗数は拡大し、現在100,000店舗以上になりました。
今回、話を聞いた人
株式会社出前館 執行役員 事業戦略推進本部 本部長 櫻井 義大さん
2017年より株式会社ベンチャーリパブリックにて、「LINEトラベルjp」の立ち上げに事業責任者として貢献。2020年6月より株式会社出前館営業戦略グループにてグループ責任者として営業企画、法人営業部門の立ち上げ、公共政策、企業とのアライアンス業務に従事。2021年3月より株式会社出前館事業戦略推進本部を立ち上げ、本部長に就任。
デリバリーに求められるものは「日常化」
コロナ禍でデリバリー需要が増してブームになりましたよね。このブームをどう見ていますか?
「デリバリー事業者にとってコロナは大きな転機で、需要は大きく拡大しました。もともとデリバリーを利用したことがないお客さまもコロナ禍のおうち時間でご利用していただいたことで、出前の便利さに気づいた人も多いのではと思います。また、『今日はご飯を作らず出前で済ませよう!』という選択肢も根付いており、コロナ禍以降も出前は一つの文化となっていくと思います」
サービスを開始した2000年から現在まで、出前はどのように変化しましたか?
「一般的な出前の形式としては、チラシでのポスティングが主流でしたが、とても効率が悪かったんです。そのためデリバリーをやっている飲食店を複数掲載してお客さまが比較検討できるサイトを作るところが出前館のはじまりでした。当時、配達は各飲食店で行っていましたね」
利用されるお客さまに変化はありましたか?
「2000年頃の出前は、週末に家族で食事をする、友人と集まってパーティーをするといった時に寿司やピザを注文する贅沢なものでした。現在は贅沢なものではなく、平日の昼にハンバーガーを注文したりなど、日常使いの出前が人気ですね!」
出前のはじまり
出前の歴史は遡ること江戸時代。大都市・江戸では、天秤棒に桶や籠をぶら下げて、蕎麦や寿司、豆腐などの食材を町民に売り歩く“棒手振り”や“振り売り”がいました。
昭和に入ると自転車やバイクの出前が登場。片手でハンドルを持ち、もう片方にせいろやどんぶりを高々と積み上げ曲芸のように配達するようになり、交通事故が多発。安全に出前ができるようにとバイクや自転車に取り付ける出前品運搬機(出前機)が蕎麦屋の店主によって考案されました。
お化けが出るレストラン!? ゴーストレストランってなに?
この前出前で注文したお店の料理が美味しくて、実際に食べに行こうと思いお店まで行ったのですが、飲食スペースがありませんでした… 。今はそういったお店も増えているのでしょうか?
「それはゴーストレストランですね。ゴーストレストランとは、実店舗を持たずにキッチンのみをレンタルして、デリバリーによる宅配で運営を行う店舗です。1つの店舗で複数の業態を展開することが可能です。例えば、『そば屋●●』というお店と『かつ丼●●』 というお店を同時に営業することができます。コロナ禍でデリバリーの需要が加速したことにより、ゴーストレストランも増えています」
なるほど! 新しい形のお店も出てきているんですね。「ゴーストレストラン」はどんな良いことがありますか?
「飲食スペースを持たない分、人件費や厨房設備、工事費用などの初期投資を抑えられるので、より簡単に新しい事業体に挑戦することができます。また、1つの店舗で複数のブランドを運営することができるので、効率的に運営することができますね。店舗を持たないからこそ品質管理や衛生管理がとても大切なので、出店する際は厳しく審査しています」
最近よく聞く”ギグワーカー”も出前館で活躍中
ズバリ!他のデリバリーサービスにはない出前館ならではの強みはなんですか?
「自店配達と配達代行のハイブリッドという点です。自店配達する店舗が1店舗でもあれば、その地域は出前館のサービス領域になります。先日箱根旅行で夜食が食べたくなった時に、出前館で中華料理を注文したのですが、その店舗で配達を行っていたので出前館の配達員がいなくても商品がしっかりと届きました」
配達代行は直雇用のアルバイトの方がメインなのでしょうか?
「アルバイトに加えて、ギグワーカー(と呼ばれるインターネット経由で単発の仕事を請け負う働き方をする人)、運送会社や新聞販売会社などの法人パートナーが配達を代行しています。最近はスキマ時間に働くことができるギグワーカ―の比率が年々伸びていますね。お店側にとってさまざまな座組で働く方々がいることで、配達員がいないというリスクを減らすことができます。出前館は、配達員満足度ではNo.1※なんです」
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ライフインフラを全ての人に届けられるようにドローンの活用も
お客さまからの意外なニーズはありますか?
「食事以外に日用品や薬などを届けて欲しいというニーズが多いです。料理の注文が多いランチとディナー以外の時間にトイレットペーパーなどの日用品も配達しています。将来的にはドローンを活用した配達も考えていますよ」
ドローンで食事や日用品を配達できたら便利ですね!
「はい。6月には出前館アプリで注文を受けた牛丼をドローンで病院に届けるという実証実験も行いました。特に過疎地域ではドローン配送は有効な手法で、買い物が不便な方の課題解決にもつながります。ライフインフラを全ての人に届けられるようなビジネスを今後も展開していきたいですね」
デリバリーってこんなにも進化しているのかと驚きました。家にドローンで食事が運ばれてくるのを想像するだけで、ワクワクしてきますね!おうち時間のお供に、みなさんも出前館で素敵なデリバリーライフを楽しんでみてはいかがですか?
出前館の注文は「PayPay」や「ソフトバンクまとめて支払い」でもっと便利に!
出前館の決済は「PayPay」や「ソフトバンクまとめて支払い」「ワイモバイルまとめて支払い」に対応しています。PayPayボーナスをもらえたり、クレジットカード決済のようにカード番号の入力などの手間を省略できたり、さらに便利に出前館を楽しむことができるので、ぜひ試してみてくださいね。
(掲載日:2022年3月23日)
文:ソフトバンクニュース編集部