人流データで、勘と経験に頼った店舗戦略をアップデート

2022年9月15日更新
2021年5月14日掲載

人流データで、勘と経験に頼った店舗戦略をアップデート

コロナ禍は人々の行動を大きく変えました。そして人々の行動変容は、生活を取り巻く小売や飲食業の店舗経営戦略にも大きな影響を与えています。

2022年以降、隙間立地や郊外への新規出店、テイクアウト専門業といった新形態を打ち出す事業者は増えつつあり、大きな社会変化に適応するため各社が店舗戦略を再構築していることがうかがえます。

店舗戦略を考えるうえでは、勘と経験だけではなく、自店舗に関連した人の動きを把握することが最も重要です。本ブログでは、店舗の出店計画や運営方針の改善について、「人の動きに関するデータ」=「人流データ」の活用がもたらす効果について紹介します。

目次

人流(じんりゅう)データとは

人流データは「人がいつどこに何人いるのか把握できるデータ」のことで、センサやカメラで直接人を測る方法と携帯電話など人が持つする機器のGPSやWi-Fiアクセスポイントを通して人の動きや滞在状況を測る方法の2つに分かれます。

センサやカメラ、携帯電話などの機器が普及しデータを匿名化する加工もされたことで、従来の統計調査や人海戦術による交通調査よりも容易に人流に関する正確な情報を得られるようになりました。

小売・飲食業の店舗においては、新規出店計画はもちろんのこと、携帯電話ユーザの情報を掛け合わせたデータ分析サービスを活用することで、店舗周辺の人の動きからお店の潜在顧客となる情報(人数・属性・興味関心)を得ることも可能です。

店舗戦略には最新の人流把握が必須

従来の人流動向はコロナ禍では当てはまらない

コロナ禍以降、在宅勤務が増え通勤途中に毎朝立ち寄っていたコンビニやカフェに行かなくなった、ということはありませんか?
2020年1月と6月を比較すると、オフィス街や都市部に滞在する人口は減少した一方で住宅街では増加し、在宅勤務によって通勤が減少しています。

コロナ禍で人流動向が劇的に変化したため、「独身が多く住むエリアでは、日中よりも夜のほうが外食需要が高い」のような従来の傾向は通用しません。

経営戦略を間違ってしまう危険性

ランチ営業をしない飲食店が多くて昼食に困ったり、食料品を買いたいのに薬だけ販売するドラッグストアしかなかったり、コロナ禍で店舗に対するニーズも変化しました。
エリアのニーズに適応した店舗経営をしないと、競合への顧客流出や客単価の低下による機会損失が、気づかないうちに大きくなっている可能性があります。

人流データで最新の動向を把握

屋内外問わず人々の動きを正確に把握できるデータ

駅などに設置された定点カメラでは、その場所の動向はわかりますが、それ以外の場所や屋内については把握できません。
LTE基地局・GPS・Wi-Fiから取得できる位置情報をつなぐことで、屋内外問わず、人流をデータとして把握できます。その人流データと、店舗・施設の地図情報であるPOI(Point Of Interest)データ、人口・属性などの分布情報であるデモグラフィックデータの3種類を組みあわせて、位置情報ビッグデータとして活用することができます。

最もリアルなペルソナの推計ができる

居住エリア、勤務エリア、平均年収、平均世帯人数、昼食に外食が多いのか、仕事帰りに寄り道することが多いのか、位置情報ビッグデータからは人々の属性・興味・関心が分かります。
「このエリアに来る人はこういう傾向がある」などの属性を知っておくと、事業計画やマーケティング施策の立案時にペルソナ設定を正確に行うことが可能です。

データ活用は利益最大化に直結

来店客の行動分析で利益向上

隣の競合店で売れている商品が、自店では売れないといったことはありませんか?
人流データを利用することで、自社の実勢商圏や自店舗客が流出している競合店舗、来店客の行動自体も分析できます。
実勢商圏が分かると、空白のエリアや客層が重複している店舗を洗い出すことができ、移転や統廃合の重要な判断材料になります。また、自店舗客が流出している競合店舗を知ると、改装の方向性や品揃えの充実化といった店舗改善に取り組むこともできます。
正確な指標は、利益向上への適切な判断を実現します。

出店計画を効率化

人流データは、店舗形態の検討や需要が見込めるエリアの選定に活用できます。
例えば「オフィスエリアと駅との間は、導線が一直線で朝夕だけ人出が増えるが、繁華街では人が集まる大型商業施設などを中心に導線が円状に広がり、時間帯を問わず人出が多い」のように、エリアごとの商圏の特性を詳細に把握することが重要です。
商圏や導線毎に、どういう属性・ペルソナの人が多いかを捉えることで、自社にとって成功確率が高いエリアかの判断や、来訪者の特性に合わせた店づくりや商品ラインナップの検討などの戦略立案につながります。

人流データのより詳細なユースケースはホワイトペーパーで

人流データの活用例は、ホワイトペーパーでお伝えしています。
データ活用による立地調査、競合店調査、需要予測に興味のある方は、まずはこちらの資料をご覧ください。

人流データを活用した店舗戦略

人々の行動履歴を事業に生かすアイデアを、既存店舗運営と新規出店のケースで解説します。

関連サービス

競合店分析・店舗開発に使えるエリアマーケティングツール「マチレポ」

マチレポは、スマホアプリの位置情報を利用したエリアマーケティングツールです。商圏の来訪者数やペルソナを分析、競合店の客層やピーク時間帯、曜日を可視化することができるため、店舗の立地条件や競合調査に役立ちます。

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