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こんにちは。SBクラウドの赤羽です。前回に引き続き、Alibaba Cloudのセキュリティプロダクト「Web Application Firewall(WAF)」について書いていきます。今回はDDoS対策強化を目的に「Anti-DDoS Premium」との組み合わせ方法を紹介します。
AlibabaCloud WAFはデフォルトでAnti-DDoS Basicが有効になっています。Anti-DDoS Basicでは、トラフィッククリーニングに加え、ブラックホール機能(※)により、Alibaba Cloud全体を保護しています。このブラックホール機能ですが、閾値を超える量の攻撃を受けると発動し、WEBサイトへのアクセスそのものを止めるという仕様になっています。ユーザ側でブラックホール状態の解除や、Anti-DDoS Basicの無効化はできないため、もしブラックホール機能が発動した場合は解除されるまで待つしかありません。
(※)ブラックホール機能:トラフィックコントロールにより無効なIPへ誘導する仕組み
有償版のAnti-DDoS Premiumではこの閾値によるブラックホール機能は無いため、例えばECサイトなど、Webサイト停止による影響が大きい場合は、WAFと一緒に導入いただくことをおすすめしています。
【Anti-DDoSプロダクトの種類】
Alibaba CloudのAnti-DDoSプロダクトは大きく分けて4つあります。
(※)スクラビングセンター:DDoS攻撃の検知やトラフィッククリーニングをしたのち、正常通信のみ透過させる
中国本土からのアクセスに特化しているプロダクトが用意されているのもAlibabaCloudの特徴です。今回はグローバルに展開しているWEBサイトを想定して、Anti-DDoS Premiumとの組み合わせをご紹介していきたいと思います。
(参考)Anti-DDoS BasicとAnti-DDoS Premiumをピックアップして特徴を並べてみました。
■ Anti-DDoS Basic
■ Anti-DDoS Premium
Anti-DDoS Premiumではレイヤー7の保護も追加され、Webサービスの防御に優れていることがわかります。
今回の構成です。①~④はインスタンスデプロイの順番です。ECS、WAFは購入済みの段階から説明しますので、②の途中から進めていくことになります。ECSとWAFは東京リージョン。Anti-DDoS premiumはエニーキャストにより、クライアントから最寄りのインスタンスを経由するため、リージョンという考えはありません。
1-1 WAFコンソールにて、Website Access > Website Access ボタンをクリックします。
1-2 WAFコンソールの画面下段よりManually Add Other Websiteをクリックします。
1-3 設定画面が表示されますので、ドメインやサーバのIPアドレスを入力していきます。 IPアドレスはECS(WEBサーバー)のIPアドレスです。 今回はWAFの前段にAnti-DDoSが置かれますので、最下段の"Does layer7 proxy exist in front o f WAF"はYESにすることがポイントです。
1-4 設定が完了したらドメイン一覧より対象のCNAMEをコピーしておきます。
Website Access > 対象ドメインにカーソルを合わせるとCNAMEが表示されます。
2-1 AlibabaCloudコンソールより、Products and Service > Anti-DDoS Proを選択します。
2-2 購入するインスタンスを選択します。
Product Type:Anti-DDoS Premium
Mitigation Plan:Insurance
Function Plan:Standard Function
※帯域や更新期間等は必要に応じて選択します。
次の画面で金額を確認し、購入を進めます。
3-1 Anti-DDoS Premiumコンソールにて、Website Config > Add Domain をクリックします。
3-2 各種選択・入力していきます。
Function Plan : Standard
Domain : ドメインを入力
Protocol : HTTP・HTTPS※必要なものにチェックしてください
Server IP : Origine Server Domainを選択。WAFのCNAMEを入力します。
確認したらAddボタンをクリックします。
3-3 Website Configのページより、ドメインが登録されたことを確認します。Origin Server IP列にWAFのCNAMEが登録されていることを確認。
DNS登録用にAnti-DDoS PremiumのCNAMEをコピーしておきます。
お名前ドットコムのサイトでDNSレコードの登録をします。
CNAMEにはAnti-DDoS Premiumで発行されたCNAMEを登録します。
ネームサーバ登録完了後、DNS解決ができるか、Webサイトへアクセスできるか確認します。
今回はWAFとAnti-DDoS Premiumの組み合わせについてご紹介いたしました。 構築のポイントとしては、①Anti-DDoS Premium ⇒ WAF ⇒ ECSの並びで構成することと、 ②WAF設定の中で前段プロキシ有の設定にすること、がポイントです。
無償版のAnti-DDoS Basicでは防御能力も限られており、ブラックホールに陥る懸念がありますので、 Webサイトの規模や重要度に合わせてAnti-DDoS Premiumの導入をご検討ください。
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