Weekly AWS アップデート情報 - 2022/12/6~VPN不要で自社アプリに接続可能なサービスのプレビュー開始~

2022年12月6日掲載

キービジュアル

皆さま、こんにちは。大塚 清です。

先週 (2022/11/28- 2022/12/04) の主な AWS アップデート情報をお送りいたします。
先週は AWS re:Invent 2022 が開催され多くの発表がありました。

目次

今週の注目アップデート

  • AWS Verified Access プレビューの発表
    AWS は Verified Access のプレビューを発表しました。Verified Access は、AWS ゼロトラストのセキュリティ原則を用いて構築され、VPN を使用することなく、自社の企業アプリケーションに安全にアクセスできる接続サービスです。

セキュリティ、ID、およびコンプライアンス

  • Amazon Verified Permissions プレビューの発表
    AWS は、Amazon Verified Permissions のプレビューを発表しました。Amazon Verified Permissions は、Cedar と呼ばれるカスタム ポリシー言語を使用して、細かいアクセス許可を定義および管理することができます。

 

  • Amazon Security Lake プレビューの発表
    AWS は、Amazon Security Lake のプレビューを発表しました。Amazon Security Lake は、組織のセキュリティ データを、クラウドおよびオンプレミス ソースから、アカウントに保存された専用のデータレイクに自動的に一元化する専用サービスです。収集したデータは、Amazon Athena や AWS Glue 等の各種サービスからも容易にアクセスできます。

 

コンピューティング

  • ENA の拡張版 ENA Express をリリース
    Elastic Network Adapter (ENA) を拡張した ENA Express がリリースされました。ENA Express はScalable Reliable Diagram(SRD)プロトコルをベースに構築され、フローあたりの帯域幅が大幅に増加するとともに、その変動幅が大幅に減少します。ENA Express は EC2 c6gn インスタンスとの組み合わせで利用可能になります。

 

  • AWS Lambda SnapStart の一般提供開始
    AWS Lamba で Lambda SnapStart が一般提供開始になりました。Lambda SnapStart は関数起動時の状態をスナップショットとして保存しておく事で呼び出し時間を短縮する機能です。追加コストなしで最大で 10 倍の速さで起動できます。現在は Amazon Corretto 11 (Java)関数をサポートしています。

 

  • AWS SimSpace Weaver の一般提供開始
    新しい コンピューティングサービスとなる AWS SimSpace Weaver が一般提供開始になりました。SimSpace Weaver はクラウドで大規模にリアルタイム空間シミュレーションを実行するためのサービスです。SimSpace Weaver を利用することで、複数のインスタンスにわたって空間シミュレーションのワークロードを並列化できます。

コンテナ

  • Amazon ECS Service Connect の一般提供開始
    Amazon ECS で耐障害性の高い分散アプリケーションの構築と運用をシンプルにする新機能 ECS Service Connect が一般提供開始になりました。エンドポイントにフレンドリ名を定義し、クライアントからはフレンドリ名を使用して接続するという形で簡単なネットワーク設定とシームレスなサービス通信を提供します。

ストレージ

  • Amazon EFS の Elastic Throughput が一般提供開始
    Amazon EFS で Elastic Throughput モードが利用可能になりました。これは、必要とするスループットを明示的に指定することなく調整することができます。EFS 側でアプリケーションに必要なスループットを自動調整することで、AWS でのワークロードとアプリケーションの実行をさらに簡素化できます。提供可能な読み取りスループットは最大 3GiB/秒、書き込みスループットは最大 1GiB/秒です。

 

  • Amazon S3 Multi-Region Access Points failover control の一般提供開始
    複数のリージョンのバケットにまたがるデータセットにアクセスするためのエンドポイントを提供するサービス S3 Multi-Region Access Point でフェイルオーバーをコントロールする機能が追加されました。アクセスポイントに対してアクティブまたはパッシブのいずれかに指定することで冗長化が可能になりました。

データベース

  • Amazon RDS および Amazon Aurora で Blue/Green Deployment の一般提供開始
    Amazon RDS および Amazon Aurora でデータベースの Blue/Green デプロイメントをマネージドサービスとしてサポートするようになりました。この機能は、Blue(本番環境)をミラーリングして Green(ステージング環境)を作成します。これにより、ステージング環境でバージョンアップやパラメータ変更を行いつつ動作確認し、検証が完了したら本番環境へ切り替えることができます。

 

  • Amazon RDS で読み取りと書き込みの性能を上げる機能の追加
    Amazon RDS で読み取りと書き込みの性能を上げる 2 つの機能が追加されました。1 つ目は、Amazon RDS Optimized Reads で、一時テーブルを RDS インスタンスに内蔵する NVMe SSD に配置することでクエリ処理を高速化します。2 つ目は Amazon RDS Optimized Writes で、書き込みトランザクションのスループットを最大 2 倍向上させます。
 
  •  Amazon DocumentDB で Elastic Clusters をサポート
    Amazon DocumentDB (MongoDB互換)で新たに Elastic Clusters が追加されました。 Elastic Cluster は、ペタバイト級のストレージ容量があり、1 つ以上のシャードで構成され、ダウンタイムやパフォーマンスへの影響がほぼなしでスケーリングできます。

分析

  • AWS Glue 4.0 が利用可能に
    AWS Glue で Glue 4.0 が利用可能になりました。Glue 4.0 には Pyhon 3.10 および Apache Spark 3.3.0 が含まれ、 Pandas もサポートしています。また、データレイク上でトランザクションを実現するための新しいデータ形式として Apache Hudi、Apache Iceberg、Delta Lake をサポートしています。

 

  • AWS Glue Data Quality のプレビューを発表
    AWS Glue は Glue Data Quality のプレビューを発表しました。これは、テーブルを分析し、検出した内容に基づいて一連のルールを自動的に推奨します。ルールに反するデータを検知した場合にユーザに通知を行うといった事が可能です。

 

  • Amazon Athena for Apache Spark の一般提供開始
    Amazon Athena でクラスターの準備などなしに Apache Spark のワークロードを実行できる Amazon Athena for Apache Spark が追加されました。Athena でデータ処理するためのインターフェースとして Jupyter Notebook を使用したり、Athena API を使用して Spark アプリケーションをプログラムとして操作できるようになります。
     
  • Amazon DataZone のプレビューの予告
    2023 年に Amazon DataZone がプレビュー開始される予定と発表されました。これは、組織内に存在するデータをカタログ化することで発見しやすくし、データの分類や共有、検索などの活用を容易にするためのデータ管理サービスです。
 
  • Amazon OpenSearch Serverless のプレビューを発表
    Amazon OpenSearch Service の新しい実行オプションとしてAmazon OpenSearch Serverless のプレビューが開始になりました。これは、基盤となるリソースを自動的にプロビジョニングおよびスケーリングすることで、クエリの頻度や複雑さ、分析が予想されるデータの量など、事前に知ることが難しい要因を考慮する必要がなくなります。

 

Amazon Redshift でデータの取り込みやデータウェアハウスの安全性と信頼性を高める新機能が複数追加されました。データの取り込みの新機能では、Amazon S3 からの自動コピーのサポートや Amazon Aurora とのゼロ ETL 統合などの機能が追加され、データウェアハウスの安全性と信頼性を高める新機能では、マルチ AZ に Redshift クラスタを配置する機能やデータをユーザ権限によって動的にマスクする機能などが追加されています。

機械学習

  • Amazon SageMaker Studio (SageMaker Notebooks)に複数の新機能が追加
    SageMaker Studio で開発の効率を向上させる 2 つの機能が追加されました。1 つ目は、リアルタイムコラボレーションを促進する機能で、共有スペースを作成し、チームでノートブックを同時にアクセス、編集できる機能です。2 つ目は、ノートブックで作成したプログラムを自動実行する機能です。ノートブックで作成したコードをコンテナ化してジョブ環境に渡すといった作業が不要になります。

 

  • Amazon SageMaker のガバナンス機能を強化するための 3 つの機能追加
    SageMaker にガバナンス機能を強化するための 3 つの機能が追加されました。1 つ目は、Amazon SageMaker RoleManager で、SageMaker ユーザ単位でカスタム権限を設定できる機能です。2 つ目は、Amazon SageMaker Model Cards で、モデル情報について単一の情報源となるデータ保存場所を提供します。3 つ目は、Amazon SageMaker Model Dashboard で、全てのモデルを 1 ヵ所でモニタリングできるダッシュボードを提供します。

IoT

  • AWS IoT Core で MQTT5 のサポートを開始
    AWS IoT Core で MQTT5 プロトコルのサポートを含む、アップグレードされたメッセージ ブローカー サービスの一般提供を発表しました。

  • AWS IoT Core がデバイス位置情報の提供をサポート開始
    AWS IoT Core がデバイスの位置情報(緯度経度など)の提供をサポートするようになりました。これでデバイスの追跡や管理が行えます。GPS が利用できないデバイスでは、クラウドによる支援付きの GNSS や Wi-Fi、セルラーネットワークなどの代替手段をもとに位置情報を取得します。

その他

  • Amazon CloudWatch Internet Monitor プレビューの発表
    Amazon CloudWatch は、インターネットの問題がアプリケーションのパフォーマンスと可用性にどのように影響するかを可視化するための新機能 CloudWatch Internet Monitor のプレビューを発表しました。これを使用すると、さまざまな場所から異なるネットワークを使用しているエンドユーザが経験している、インターネットに関する問題を把握できます。

 

  • Amazon CloudWatch Logs に機密データ保護機能が追加
    Amazon CloudWatch Logs に機密データの保護機能が追加されました。これまで、メールアドレスやパスワードといった機密情報はログに記録されないように、手動による調査またはサードパーティーのソリューションに依拠していました。今回、パターンマッチングと機械学習を利用した機密情報の検出・保護機能を提供します。

  • Amazon Omics の一般提供開始
    AWS は、Amazon Omics の一般提供を開始しました。Amazon Omics は、生物情報学者や研究者などが、ゲノム、トランスクリプトミクス、その他のオミクスデータを保存、クエリ、分析し、そのデータからインサイトを生成して健康を改善し、科学的発見を促進するための専用設計のサービスです。

 

  • AWS Clean Rooms のプレビューを発表
    AWS は、AWS Clean Room のプレビューを発表しました。Clean Room は、安全なデータクリーンルームを作成し、外部の企業に対してセキュアなデータを連携することができます。AWS Clean Room では、データのアクセス範囲や利用可能なクエリを定義することができ、安全にデータのやり取りをすることが可能です。
 
  • Amazon EventBridge Pipes が一般提供開始
    Amazon EvebrBridge の新機能として Pipes が追加されました。これは、イベント駆動型アプリケーション構築時に、ソース側と受け取り側間の連携を容易に実現することができます。DynamoDB などのデータソースで発生したイベントを各種ターゲット(API Gateway や SNS 等 15 種類)に届けるだけでなく、転送の途中でデータをビルトイン関数や Lambda で加工することも可能です。
     
  • AWS Application Composer のプレビューを発表
    AWS は、複数の AWS サービスからサーバーレス アプリケーションを構築するためのサービス AWS Application Composer のプレビューを発表しました。Application Composer で構築した内容は、CloudFormation の Template として生成され、そのままデプロイできます。

 

以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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