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誤ってリソースを削除してしまって、青ざめたことありませんか?
IBM Cloudでは、フェールセーフのため論理削除のタイミングと、物理削除のタイミングをずらしてあり、一定期間内であれば復活できる仕組みが用意されています。
この記事では、誤って削除してしまったIBM Cloudのリソースを、IBM CloudのCLIを使い、復活させる手順を紹介します。
リソースとは、IBM Cloudのサービスカタログから作成できるインスタンスのことです。 例えばWatsonサービスを新規作成すると、利用者が任意の設定を行える、Watsonリソースが生成されます。仮想サーバ(Vertual Server Instance)、コンテナ、データセットなどもインスタンス化して使えるためリソースになります。クラウド・リソース名 (CRN:Cloud Resource Name) が付与されるサービスの実体ということです。
IBM Cloudには必要最小限の原則をクラウド全体で統一的に管理するIAMサービスがあります。
しかしながら、しっかりと権限管理を設定し、ITILに沿ったITサービスマネージメントを敷いていても、うっかりリソースを削除してしまい慌てる事態が起きる場合があります。
ヒューマンエラー以外にも、計画した作業の切り戻しのために、フェイルバック目的で復旧手段をを把握しておかなければならない場合もあるでしょう。
本記事では、削除したリソースの復旧手順を紹介します。
■ 事前作業
1.削除、復旧対象のリソースを用意
WatsonのNatural Language Understandinigのインスタンスを試験目的で起動し、その後に意図的に削除していることを前提とします。リソースであれば何でも問題ありません。
2.ibmcloudコマンドの用意
GUIからは復旧操作はできません。ibmcloudコマンドを用意します。Linux、MacOS、Windows用のOSごとにインストールコマンドが用意されています。
Linuxであれば以下のコマンドを実行します。
$ curl -fsSL https://clis.cloud.ibm.com/install/linux | sh
(参考)公式ドキュメント:IBM Cloud CLI の概説
3. ibmcloudを使いログイン
インストールしたコマンドで、IBM Cloud環境へログインします。
$ ibmcloud login
■ 復旧作業
1.リソースのリスト表示
復元できるリソースの一覧を表示させます。
$ ibmcloud resource reclamations
| ID | Entity CRN | State | Target Time |
| d9fendfwlw | rn:v1:bluemix:public:natural-language-understanding:us-south:xx*** | SCHEDULED | 2023-03-05T01:21:18Z |
リソースのIDを引数にして、個別のリソース表示も可能です。
$ ibmcloud resource reclamations --resource-instance-id ‘d9fendfwlw’
2.リソースの復旧
復旧対象のリソースのIDを引数にします。
$ ibmcloud resource reclamation-restore ‘d9fendfwlw’
OK
Request to restore reclamation d9fendfwlw was submitted
リストアが正常に終われば、復元対象のリストにはもう出てきません。復旧コマンドを再度実行してもエラーになります。
$ ibmcloud resource reclamations --resource-instance-id ‘d9fendfwlw’
FAILED
Cannot restore reclamation d9fendfwlw, whose state is RESTORED
IBM CloudのGUIのリソースリストにも、インスタンスが表示され戻っていることが確認できるはずです。インスタンスに取り込んだデータも削除前の状態が維持されたままです。
やってしまった、なんとかならないか!と相談を受けることが多い、意外と知られていないノウハウでした。
削除したリソースはすべて同じ復旧措置がとれます。手順が共通化されているのは便利ですね。
IBM CloudにはIAMの仕組みもあります。復旧は最後の手段とし、クラウド全体の安全設計をしっかりとしておきましょう。
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