【One Tech #11】5Gコアネットワークについてまとめてみた

コアネットワーク本部モバイルコア統括部モバイルコア企画室
野田彩夏

2023年3月29日掲載

皆様こんにちは！コアネットワーク本部の野田です！
連載企画【One Tech】も11回目ですね！

【One Tech】とは、さまざまな部署・職種のエンジニアが世の中にあるさまざまなIT関連のキーワードや流行の１つに着目し、独自あるいはその職種ならではの視点からIT関連の技術用語やトレンドについて執筆していく連載企画です。

私の所属するコアネットワーク本部は、ソフトバンクが通信をお客様に提供するために欠かせないコアネットワークを構築し、守っています！
……、コアネットワークって何？とお思いの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は5Gコアを題材に、コアネットワークについてまとめてみました。

モバイルの通信の裏側にあるコアネットワークを誰にでも分かるように解説します
この記事を読むことで、ネットワークが繋がる仕組みの一端が理解できるかも？

コアネットワークとは

下図のように、皆様が持つスマホでインターネットに接続しようとすると、まず、スマホは電波を発して最寄りの基地局に繋がります。そして、基地局から繋がるコアネットワークを経由してインターネットへ接続することができます。このように、コアネットワークは、当該通信事業者が保有するネットワークからインターネットへ、あるいは他の通信事業者がもつネットワークへ接続する部分です。また、ユーザの契約情報を元に通信事業者が保有するネットワークへの接続や通信の管理もしています。

5Gコアの中を見てみよう！5Gコアの特徴 C/U分離

5Gコアの中身を詳しく見ていく前に、4Gまでのコアにはなかった５Gコアの特徴であるC/U分離について少しだけお話させていただきたいと思います。まず、CとUはそれぞれControl-Plane通信、User-Plane通信のことを指しています。

C-Plane通信は、どの端末がどの基地局と通信をしているかといった制御を行うための通信です。

U-Plane通信は、ユーザが閲覧するWebサイトや通話時の音声データなど、コンテンツ自体のデータの通信です。

下図には、5Gコアのアーキテクチャを簡易的に示しました。５Gコアの中にはNF (Network Function)とよばれる様々な機能がありますが、今回は特に基本的なNFだけを載せています。

下図をみても、C-Plane通信とU-Plane通信は分離されており、それぞれ別のNFを通ることがわかります。それでは、下図に載っているNFについて一つ一つ見ていきましょう！

UPF(User Plane Function)

UPFはその名の通りU-Plane通信を処理するNFです。皆さんがスマホを使ってWebサイトを閲覧するときのコンテンツ自体のデータはUPFを通ってきているのですね。また、スマホからインターネット等のデータネットワーク間のデータの通り道のことをPDU(Packet Data Unit)セッションと呼びます。そして5Gコアでは、UPFをコアから独立させて分散配置することも可能になりました。UPFとMECを地理的にユーザの近くに配置することで、U-Planeの伝送経路を短縮でき、さらなる低遅延通信も実現できそうですね！

SMF(Session Management Function)

SMFも名前の通り、セッションを管理するNFです。先程UPFのところでご説明したデータの通り道であるPDUセッションの保守、確立、変更および解放を行うNFです。PDUセッションという土管の配管工であるSMFが働いてくれるおかげで、私たちのスマホまでデータが届けられるのですね。

AMF(Access and Mobility Management Function)

AMFはアクセスと端末の移動を管理する機能です。例えば、ソフトバンクのネットワークを利用できるのはソフトバンクとあらかじめ契約が交わされている端末のみです。そこで、UDM(Unified Data Management) やUDR(Unified Data Repositry)に加入者の情報を問い合わせ、ソフトバンクとの契約のある端末であることを確認し接続を提供するアクセス管理を行わなければなりません。このアクセス管理の一連の動作の司令塔がAMFであり、通信事業者のネットワークの門番のような機能を果たしています。また、端末が移動した際も常に最寄りの基地局に接続できるように、端末がどの基地局のエリアにいるのかの管理もしています。