Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)

2023年9月19日掲載

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)

2023年8月22日に開かれた生成AI に関するイベント「Google Cloud Generative AI Summit Tokyo」で、日本語に対応した基盤モデルの PaLM 2 ※1と Codey ※2の一般提供を発表しました!

前回の記事では、一般提供開始前のプレビューの段階でPaLM 2 (テキスト) を試し、その内容を取り上げましたが、今回は一般リリース後のPaLM 2 テキストをさまざまなパターンで試した内容を取り上げたいと思います。記事の最後では、PaLM API を使ってみた内容も載せましたのでぜひ最後までご覧ください。

なお、近々Google 生成AI に関する記事を順次公開予定ですので、引き続き当社Tech Blog をウォッチいただけると幸いです。

Generative AI Studio の基本的な使い方は、日本語版リリース前と変わっていないので、ここでは触れません。もし、アクセス含めた基本的な使い方について知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

  • ※1PaLM 2 は、テキスト / チャット用に使用される大規模な言語モデルです。PaLM 2 は、自然言語処理のさまざまなタスクで優れた性能を発揮しており、単語の意味を推測したり、質問に答えたり、文章を生成したりすることができます。
  • ※2Codey は、PaLM 2 をベースにしたコード生成、コード補完用のモデルです。コードを生成、コードを補完できるほか、コードを最適化することも可能なコーディング支援ツールで、開発プロセスを大幅に効率化することができます。


では、早速PaLM 2 のテキストプロンプトを試してみたいと思います。

目次

質問してみる

<プロンプト内容>

生成AIでできることと利用したうえでの懸念点は何ですか。

<レスポンス>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_質問してみる

テキスト生成してみる

<プロンプト内容>

3歳の子供向けに、面白いストーリーを作れますか。

<レスポンス>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_テキストを生成してみる

リサーチしてみる

<プロンプト内容>

各クラウドサービスの概要について教えてください。
・Google Cloud
・Azure
・AWS
・Alibaba Cloud

<レスポンス>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_リサーチしてみる

翻訳してみる

<プロンプト内容>

次の内容を日本語に翻訳してください。

Our phones are filled with a growing number of photos and videos capturing everything from everyday moments to life milestones. But they’re also cluttered with duplicate images, screenshots, and blurry videos, making it hard to focus on the most meaningful moments. That’s why four years ago, we started resurfacing important photos and videos in the Memories carousel at the top of Google Photos — a feature that more than half a billion people now use each month.

<レスポンス>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_翻訳してみる

要約してみる

<プロンプト内容>

次の記事※3を要約してください。

本日は、 Google 検索の便利な新機能と安全で役立つ新しいプライバシー機能をご紹介します。

猛暑時の安全確保

日本各地で最高気温が 35℃ を超える猛暑日が続いています。世界中でも、熱中症による死者は増加傾向にあり、インターネットで猛暑について検索する人が増えています。

このような時に信頼性の高い有益な情報を提供するため、Google 検索では、今月より気象庁および環境省の発表する熱中症警戒アラートをよりわかりやすく表示しています。「今日の天気」などに関連する情報を検索すると、検索結果の目立つ場所に表示され、詳細を見ることができます。また Android のスマートフォンでは、熱中症警戒アラートが発表されると、ホーム画面と天気アプリの中で表示し、素早く熱中症に気をつけた行動や対策をするお手伝いをします。

家族の安心を管理

今年前半、自分や家族のために、検索で意図せず露骨な画像が表示されないようにする新しい管理機能を発表しました。今回のアップデートにより、アダルト コンテンツや暴力的な描写などの露骨な画像が検索結果に表示される場合に、デフォルトでぼかしが入るようになりました。

新しいセーフサーチのぼかし設定は、今月から世界中のすべてのユーザーが利用できるようになります。この設定は、保護者または学校のネットワーク管理者によってロックされている場合を除き、いつでも変更または無効にできます。

露骨な個人的画像に関するポリシーの更新

Google は、以前からユーザーの同意なしで作成 / 公開された露骨な画像を Google から削除できるようにするポリシーを運用してきました。そして今月から、これらの保護機能に基づいて、検索に表示したくない露骨な個人的画像を検索からより簡単に削除をリクエストできる機能を導入しました。たとえば、ウェブサイトに公開された露骨なコンテンツを削除した後、そのコンテンツが承認なしに他の場所で公開されている場合、検索に表示されないように削除をリクエストできます。このポリシーは、商品化されているコンテンツには適用されません。

また、個人情報や露骨な画像を含むウェブサイトや、その他のコンテンツの削除をリクエストする申請フォームをよりシンプルなものにアップデートしました。もちろん、Google 検索からコンテンツを削除しても、ウェブや他の検索エンジンからそのコンテンツが削除されるわけではありませんが、これらの変更により、Google 検索に表示される個人情報をより詳細にコントロールできます。

Google は、ユーザー自身がオンライン体験を管理することの重要性を認識しています。本日ご紹介した新しいツールやアップデートは、Google 検索をより安全で便利にお使いいただける検索ツールにするために、私たちが継続的に取り組んでいるさまざまな活動の一環です。

楽しく安全に過ごす夏に、ぜひ Google 検索の新しい機能をお試しください。


<レスポンス>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_要約

テキスト分析/分類してみる

テキスト分類するときは、テキストプロンプトの構造化インターフェースを利用します。
Context ※4でモデルへの指示内容を記載しておきます。
Examples ※5は記載しなくてもよいですが、適切なモデルの応答がどのようなものか例を上げることで、モデルが理解しやすくなるのでいくつか例に追加しておくことをおすすめします。

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_テキスト分析・分類
  • ※4Context (コンテキスト)は、モデルがどのように応答すべきかを指定するものです。たとえば 「このコードを説明して」のように、モデルが使用できる言葉や使用できない言葉、 沿うべきトピックや避けるべきトピック、応答の形式を指定します。コンテキストは、 モデルにリクエストを送信するたびに適用されます。
  • ※5例は、適切なモデルの応答がどのようなものかを モデルが理解するうえで役立ちます。入力と出力の例を独自に記述 することも、[テスト] セクションを使用して実際の応答を例として保存することもできます。 また、すべての例に付加する接頭辞を追加することもできます (「質問」と「回答」など)。


<コンテキスト内容>

以下のテキストのカテゴリを分類してください。

オプション:
- 経済
- エンタメ
- スポーツ
- IT
- 科学
- 地域
- ライフ
 

<Examples 内容>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_Example

<テスト結果>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_Exampleテスト結果

感情分析してみる

では今回は、テキストプロンプトの構造化インターフェースのExamples を利用し感情分析をしてみます。

<Examples 内容>

<テスト結果>

Generative AI Studio を試してみた(PaLM 2 - テキスト編)_Exampleテスト結果2

CURLでPaLM APIを試してみる

質問のパターンをCURLで試してみたいと思います。

<プロンプト>
生成AIでできることと利用したうえでの懸念点は何ですか。


<コード>

curl -X POST -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" -H "Content-Type: application/json" "https://${API_ENDPOINT}/v1/projects/${PROJECT_ID}/locations/us-central1/publishers/google/models/${MODEL_ID}:predict" -d $'{
    "instances": [
        {
            "content": "生成AIでできることと利用したうえでの懸念点は何ですか。
"
        }
    ],
    "parameters": {
        "candidateCount": 1,
        "maxOutputTokens": 1024,
        "temperature": 0.2,
        "topP": 0.8,
        "topK": 40
    }
}'


<実行結果>

{
  "predictions": [
    {
      "citationMetadata": {
        "citations": []
      },
      "content": "生成AIとは、人間の創造性を模倣するように設計されたAIの一種です。自然言語処理、画像生成、音楽生成など、さまざまなタスクに使用できます。\n\n生成AIには、さまざまな利点があります。たとえば、創造的なプロセスを自動化することで、人々の生産性を向上させることができます。また、新しいアイデアを生み出すのに役立つため、イノベーションを促進することができます。さらに、生成AIは、人々がこれまでにないような方法でコミュニケーションをとったり、情報を共有したりするのに役立つ可能性があります。\n\nしかし、生成AIにはいくつかの懸念点もあります。たとえば、生成AIが誤った情報を生成する可能性があるという懸念があります。また、生成AIが悪意を持って使用される可能性もあります。たとえば、生成AIを使用して、なりすましやスパムなどの悪意のあるコンテンツを作成することができます。\n\n生成AIは、非常に強力なツールであるため、その使用には慎重な注意が必要です。生成AIを利用する際には、そのメリットとリスクを十分に理解しておくことが重要です。",
      "safetyAttributes": {
        "scores": [
          0.2,
          0.1,
          0.1,
          0.1
        ],
        "blocked": false,
        "categories": [
          "Finance",
          "Health",
          "Public Safety",
          "Religion & Belief"
        ]
      }
    }
  ],
  "metadata": {
    "tokenMetadata": {
      "inputTokenCount": {
        "totalTokens": 18,
        "totalBillableCharacters": 28
      },
      "outputTokenCount": {
        "totalBillableCharacters": 458,
        "totalTokens": 230
      }
    }
  }
}

PythonでPaLM APIを試してみる

感情分析のパターンをPython で試してみたいと思います。
まずは、コードに追加する例です。

<Examples>

入力出力
いい天気ですねポジティブ
明日は雨らしいネガティブ
映画とても面白かったよポジティブ

<プロンプト>
今期の売上大幅アップした


<コード>

import vertexai
from vertexai.language_models import TextGenerationModel

generation_model = TextGenerationModel.from_pretrained("text-bison@001")
prompt = """input: いい天気ですね
output: ポジティブ

input: 明日は雨らしい
output: ネガティブ

input: 映画とても面白かったよ
output: ポジティブ

input: 今期の売上大幅アップした
output:
"""

print(generation_model.predict(prompt=prompt, max_output_tokens=256).text)


<実行結果>

ポジティブ

まとめ

この記事では、日本語一般リリース後のPaLM 2 テキストプロンプトをさまざまなパターンで試し、その内容を取り上げています。

結果はいかがでしょうか。

結果に対する評価は人それぞれだと思いますが、個人的な感想では、試した中では不適切な回答がほぼなく、一般リリースの前と比べレスポンス精度と応答時間が向上したように感じました。

一方、どの生成AI も同じですが、モデルが常に最新の情報をキャッチして学習しているわけではないので、質問内容によっては、最新情報を取得できない可能性がある点、ご留意いただければと思います。

次回は、PaLM 2のチャット編を取り上げたいと思います。どうぞ楽しみに!

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