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Google は 2023 年、グループウェアの Workspace 向けに一連のAI機能を発表しました。
2024年2月8日、Duet AI for Google Workspace が Gemini へとリニューアルすることが Google Cloud 公式ブログで発表されました。
本記事は Duet AI に関しては記事公開時の情報となっております。ブランド名は変更になりましたが、機能自体は変更ありません。そのため、下記の名称はまた発表時の Duet AI のままで表記します。
検証内容は英語ですが、日本語対応がリリースされ次第、追加検証を行い記事化予定です。
Duet AI には、Docs や Gmailの文書作成支援、Slidesの画像生成、Meetの自動会議サマリーなど、Googleの生産性向上アプリ向けのさまざまな生成AIツールが含まれています。
文章作成支援では、Gmail とドキュメントに向けて、[Help me write] という機能が提供され、自動出力の力で作業を簡単化することが可能となっています。
今回は [Help me write] の機能ではなく、生成された文書(下書き)をチェックする機能の仕様と性能を紹介します。また、「Google Docs」にAI校正ツール「Proofread」を含めて一緒に紹介したいと思います。
現在、「下書き自動生成」と「生成された文章の修正機能」は英語のみ対応しているので、本記事における検証は英語ベースで実施しています。
まず、「Google ドキュメント」の場合は、[Help me write]で以下のような機能が利用できます。
また、作業者が作成した文章に対して、「再生成(Recreate)」と「修正(Refine)」を実施することが可能になります。「修正(Refine)」には作成した文章に対して4つの機能が提供されています。
正式化(Formalize)
短縮化(Shorten)
詳細化(Elaborate)
言い換える(Rephrase)
次は、主に Google ドキュメントのこの4つの修正機能について、それらの仕様と機能を検証しながら紹介します。各々の機能は2つのスタイルの文体(新聞記事のような正式な文章、カジュアルな自由記事)で検証しました。
まず、新聞記事の一部を Formalize の校正機能で試し、いくつかの表現が正式な英表現に変わりました。追加検証として「Recreate」をクリックすると、修正後の文章の一部が元の表現にデグレードしてしまう事があります。
次はカジュアルな自由記事を利用し、Formalize したところ、カジュアルな文章のため多くの修正箇所ができました。そして、元のカジュアルな表現が正式な単語に変わり、論理の流れも整理されます。さらに、自動でまとめのフレーズも生成されます。
Formalize は表現を修正するものの、内容が欠落することや余計な情報が追加されることがあります。
Recreate を使うと、わずかに変わった文書が生成されるが、その表現が元の文章に戻ることもあります。
自動生成されるまとめのフレーズには、理解のズレが生じる可能性があります。
どこが修正されたかは教えてくれません。
どの部分が修正されたのか具体的に教えてくれない点は注意が必要です。
「Shorten(短縮化)」を用いて、新聞記事と自由記事を短縮してみると、長文を箇条書きにして要点を抽出し、簡潔にまとめてくれることが分かりました。
適用後の文章は、原文をほとんど包括していると感じられました。さらに「Recreate」をクリックすると、日付の英表現が変更され、年号「2023」が追加されました。
次は自由記事を利用し、Shorten の校正機能で試したら、よく文章を理解した上で短縮した文章を生成してくれます。概ね原文の意味が伝わります。
Shorten をすると元の文章を短縮し、場合により箇条書きでまとめてくれたり、簡潔なパラグラフで生成してくれたりすることがあります。
原文を理解しないままで利用すると、重要な情報を逃す恐れが存在したり、元の意味を理解し間違った短縮文になったりすることがあります。
引き続き、同じ新聞記事と自由記事を活用し、「Elaborate(精細化)」機能を使用して新聞記事と自由記事を試すと、文章が箇条書きで修正されることが確認されました。内容は元の記事よりも分かりやすく、論理的な関係も整理されています。
自由記事を使用すると、原文の文字数の約2倍の内容が生成されます。
生成された内容は原文に載せていないことより多くなるにも関わらず、内容の信憑性も保証されないため、そのまま利用できるかについて疑問を持っています。
「Rephrase」は修正機能の中でも特徴的なものです。修正後の文章は、基本的に意味が変わることはありませんが、短縮されている印象を受けます。特定の詳細情報、例えばモデル名などが削除されることが確認できました。また、「recreate」を行う際の参照対象が、元の文章ではなく一度「rephrase」された文章であるように感じられ、結果として情報がさらに削除されたように思います。
日常の記事を「rephrase」してみたところ、文言には一部修正が加えられましたが、文字数が減少するわけではありませんでした。最後に、要約のフレーズが自動生成される点については、場面や内容に応じて不要であったり、意図と異なる内容が生成されるリスクも考慮する必要があります。
「Rephrase」後の文章は、原文を短縮した形になることが考えられます。
「Rephrase」は「単語の修正」、「短縮」、および「正式化」の機能が組み合わさったものと捉えられます。
生成される要約のフレーズは、状況によっては原文の意味を変える可能性があります。
「Google Docs」に、タイプミスや文法の間違いを見つけてくれるスペルチェックや文法チェックの機能が搭載され、ユーザーの文書を読みやすくしてくれる高度な人工知能(AI)ベースのツールが新たにリリースされした。
米国時間8月29日に発表された「Proofread」は、ユーザーが書いた文書を精査して文体やトーン、読みやすさをチェックし、改善する方法を提案してくれます。
現時点で Proofread は一般の Google Docs ユーザーに提供されておらず、Gemini for Google Workspace の「Gemini Enterprise」と「Gemini Business」のユーザーにのみ提供されます。
以下の文章を利用し、改善の機能を利用してみます。同じ文章の場合は、DeepL Write に比べ、Proofread なら原文を尊重する傾向で、大きな問題がなければ訂正してくれない、と感じています。
※「DeepL Write」は英語とドイツ語に対応しており、文法の間違いを正すだけでなく、言い回しや語調、文体や言葉の選び方を提案する。ネイティブが読んでも違和感のない表現を得られるだけでなく、ジャーナリストや文章作成のプロ、あるいは学術的な文章を書くユーザーがより適切な表現の手掛かりを得たい場合にも役立つ。
検証したところ、Proofred は明らかな単語ミスと不適切な文法にのみ校正を提示します。
現状、英語初心者に対して Proofred の校正結果はどの文体で校正されるか不明なため、利用シーンに応じて文体が正しいか確認する必要があります。(一般、ビジネス、学術的、技術的シチュエーションによって分けて利用する必要があります)
※ DeepL Write を比較した結果です。
本記事では、フォーマルな文章とカジュアルな文章を用いて、Duet AI (Gemini) の自動修正(Refine)機能と Proofread 機能を試してみました。
「修正(Refine)」には作成した文章に対して4つの機能が提供されています。
正式化(Formalize)
短縮化(Shorten)
詳細化(Elaborate)
言い換える(Rephrase)
Googleドキュメントで文書校正「Proofread」
各修正機能はある程度使用できるレベルと感じます。生成された修正内容は、原文の意味を基本的に保ちつつ、表現が機能に応じて整えられています。
しかしながら、業務での利用時には、内容と意味をしっかりとチェックすることが必要です。
私個人としては、とても高く評価しています。業務にそのまま利用するのは難しい場面もありますが、日常的な利用には問題ないと考えられます。
将来的に、より詳細な設定のカスタマイズが可能となれば、さらに使いやすくなり、業務利用も進展するでしょう。
現在の Gemini for Google Workspace のチェック機能は非常に高度なものと感じます。「Google Docs」の使用に慣れた方々には、ぜひとも試していただきたく、きっと嬉しい体験ができると思います。
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