Weekly Azure アップデート情報 - 2024/6/4  ~[一般公開] Azure API Management の Azure OpenAI Token Limit Policy~

2024年6月4日掲載

Weekly Azure アップデート情報 - 2024/1/23  ~[一般公開] Azure Load Testing で HTTP リクエストを追加してテストを作成~

皆さま、こんにちは。

今回の Weekly Azure は、先週 (2024/5/24 - 2024/5/30) の主な Azure アップデート情報をお送りいたします。

目次

今週の注目アップデート

Azure API Management の Azure OpenAI Token Limit Policy の一般提供開始が発表されました。OpenAI トークンの使用量に基づいて API コンシューマーに制限を設定できます。これにより、トークンの使用量を正確に管理し、 OpenAI のリソースを公平かつ効率的に利用することができます。

セキュリティ・ID

Microsoft Copilot for Security スタンドアロンエクスペリエンスに統合された Azure Web アプリケーションファイアウォール (WAF) のパブリックプレビューが開始されました。この統合は、Azure Front Door WAF と Azure Application Gateway WAF の両方で利用できます。

Microsoft Copilot for Security での Azure Firewall 統合のパブリックプレビューが発表されました。

➢ Azure Firewall の上位の IDPS 署名ヒットを取得

➢ ログ情報を超えて IDPS 署名の脅威プロファイルを強化

➢ テナント、サブスクリプション、またはリソースグループ全体で特定の IDPS 署名を検索

➢ Azure Firewall の IDPS 機能を使用して環境をセキュリティで保護するための推奨事項の生成

コンピューティング

Azure Functions のトリガーとバインドを使用すると、イベントソースとデータソースを 関数アプリケーションと簡単に統合できます。この機能により、サービス SDK とフレームワークの型を使用して、現在提供されている以上の機能を提供できます。

現在パブリックプレビュー中の OpenAI 向け Azure Functions 拡張機能を使用すると、開発者は OpenAI と統合する関数アプリケーションを構築できます。Open AI 拡張機能を使用して関数アプリケーションをビルドするときに、次のタスクを実行できるようになりました。

➢ Retrieval Augmented Generation (セマンティック検索用に独自のデータを持ち込む)

➢ コンテンツの要約と作成のためのテキスト補完

➢ チャットアシスタント

Azure Functions で Visual Studio Code for the Web を使ったブラウザベースのスタートアップがサポートされました。Azure Portal から開始して、数回クリックするだけで、関数の開発、実行、テスト、デバッグ、および関数アプリケーションへのデプロイが可能になりました。この機能は、Flex 従量課金ホスティングプランの Python、Node、PowerShell アプリケーションで使用できます。

Flex 従量課金プランは、新しい Azure Functions ホスティングプランであり、従量課金制のサーバレス課金モデルに基づいて構築され、既存の機能を損なうことなく、より柔軟でカスタマイズ性の高いサービスを提供します。これにより、お客さまは、Azure Functions を使用してサーバレスのFunctions-as-a-Service (FaaS) を構築し、スループットの向上、信頼性の向上、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化を独自の条件で実現できるようになりました。

Node.js の HTTP ストリームに対する Azure Functions のサポートの一般提供が開始されました。この機能を使用すると、Functions アプリケーションへの HTTP 要求と Functions アプリケーションからの応答をストリーミングできます。Node.js の HTTP ストリームは、Azure Functions Node.js v4 プログラミング モデルでのみサポートされています。

さまざまな仮想マシン (VM) タイプ、可用性ゾーン、価格モデルにまたがる Azure コンピュートキャパシティのプロビジョニングと管理を効率化し、希望するスケール、パフォーマンス、コストを実現する新サービス 「Azure Compute Fleet」 のパブリックプレビューが発表されました。

Python での HTTP ストリームに対する Azure Functions のサポートのプレビューが開始されました。この機能により、Functions で公開されている FastAPI のリクエストとレスポンス API を使用して、Function App への HTTP リクエストと Function アプリケーションからのレスポンスをストリーミングできます。この機能により、大規模なデータの処理、OpenAI 応答のストリーミング、動的コンテンツの配信など、新しいシナリオが可能になります。

Azure App Service の gRPC サポートが Windows で利用できるようになりました。

汎用 VM の VM 休止状態が、全てのパブリックリージョンで一般公開されました。休止状態は、Linux と Windows の両方の OS でサポートされています。この機能を使用すると、VM を休止状態にしてコンピューティングコストを節約できます。VM を休止状態にすると、Azure は VM のメモリ内状態を OS ディスクに保持し、VM の割り当てを解除します。

コンテナ

Microsoft のオープンソースプロジェクトの Draft がアップデートされ、“validate” という新機能が追加されました。Draft validate により、ユーザはマニフェストをスキャンして、そのマニフェストがベストプラクティスに従っているかどうかを確認することができるため、潜在的な問題を開発ライフサイクルの早い段階で検出することができます。

Kubernetes の最新バージョンである Kubernetes バージョン 1.30 が、AKS のパブリックプレビューとして公開されました。バージョン 1.30 では、プラットフォームのセキュリティとオーケストレーション機能に焦点を当てたいくつかの機能強化が導入されています。

Azure Portal は、メモリ、CPU、cron、および Azure Service Bus スケーラーで KEDA スケーリングをサポートするようになりました。スケーリングされたオブジェクトを全て Portal インターフェース内で簡単に作成および監視できるようになり、Azure Service Bus については、ワークロードアイデンティティのデプロイと設定を Portal が行います。これにより、Portal インターフェースを通じて KEDA リソースの作成と管理が効率化されます。

Azure Kubernetes Fleet Manager のワークロードオーケストレーションが、いくつかの機能強化とともに一般提供開始され、アップグレードやワークロード配置のシナリオをより詳細に制御できるようになりました。

Azure Container Apps 環境上で Azure Functions を使用し、マルチタイプサービスをデプロイできるようになりました。これにより、マイクロサービスを構築する際に、マルチタイプのアプリケーション開発のためのネットワーク、可観測性、および構成境界の一元化が可能になります。

Dapr の Azure Functions 拡張機能の一般提供が開始されました。Dapr の強力なクラウドネイティブな構成要素 API (サービス検出と mTLS、PubSub、バインディング、シークレット、アクターを使用したサービス呼び出しなど) と、ネイティブで使いやすい Azure Functions トリガーとバインドプログラミングモデルで、多数のエコシステムコンポーネントを使用できます。 この拡張機能は、AKS および ACA サービス上で実行可能です。

アプリケーションのパフォーマンスと正常性を、ガベージコレクションやメモリ使用量などの Java メトリックで監視できるようになりました。これらのメトリックは自動的に収集されて Azure Monitor に報告され、統合されたダッシュボードで確認できます。また、これらのメトリックに基づいてアラートを設定し、問題のトラブルシューティングを行うこともできます。

Azure Container Apps で .NET 8 の Aspire ダッシュボードがパブリック プレビューでサポートされるようになったため、クラウド内のプロジェクトとコンテナーに関するライブデータにアクセスして、アプリケーションのパフォーマンスを評価し、包括的なログ、メトリック、トレースなどを使用してエラーをデバッグできます。

AKS portal blades は現在、Azure Monitor 管理サービス for Prometheus によって提供される可観測性データを表示します。これにより、顧客は以下のことをより簡単に行うことができます:

➢ クラスターのパフォーマンスを監視する

➢ 重要なワークロードが健康で最適に稼働していることを確認する

➢ 保留中または失敗したポッドの問題をトラブルシューティングする

Azure Kubernetes Service (AKS) 向けの Advanced Container Networking Services という新しいサービスが発表されました。Advanced Container Networking Services は、監視性、セキュリティ、コンプライアンスに関する複雑な課題に対処するために、AKS の既存のネットワークソリューションの上に構築されたサービスパッケージです。

ネットワーキングとコンテンツ配信

お客さまがより高度な機能を提供できるように、Azure Static Web Apps では、ネットワークとデータストレージを強化するためのエンタープライズレベルの機能をサポートする Dedicated 価格プランが提供されるようになりました。

新しいワークロードの要求に応えるために、 Azure Firewall Basic、 Standard、 Premium および Azure Firewall Manager は、4つの新しいリージョン(Israel Central、Italy North、Mexico Central、Spain Central)で一般提供が開始されました。

開発ツール間のコンテキスト切り替えを最小限に抑え、開発者の生産性を向上させるために、 Azure Web PubSub は現在、Visual Studio Code 拡張機能(プレビュー中)を提供しています。

Visual Studio Code 用の Azure API Center 拡張機能が一般提供されました。この拡張機能を使用して、API センターで API を構築、発見、試用、および利用することができます。

ストレージ

50 TiB から 500 TiB のサイズの新しいボリュームを作成できる Azure NetApp Files の大容量機能が一般提供されました。通常の Azure NetApp Files ボリュームのサイズは 100 TiB に制限されています。大容量は、EDAやO&G分野のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)など、単一の名前空間でより大きなボリュームを必要とするさまざまなユースケースやワークロードを可能にします。

分析

Fabric Real-Time Intelligence、 Azure Data Explorer (ADX) などを支える強力なデータベースエンジン Kusto への Graph Semantics 拡張が一般提供されました。複雑なデータセットの理解を深めたり、データに隠されたパターンの特定に役立ちます。

Azure HDInsight on AKS は、以下の6つの新しいリージョン - Norway East、Switzerland North、 France Central、 Central US、Southeast Asia、 South Central US でプレビューが利用可能になりました。

Azure Chaos Studio では、Windows 仮想マシンに対する新しいエージェントベースの障害アクションがサポートされるようになりました。この新しいエージェントベースの障害により、Azure 仮想マシンで実行されている Windows プロセスを指定された期間一時停止できます。これは、仮想マシン内のアプリケーションと、スタッター、メンテナンス イベント、またはリソースの制約に対する回復性をテストするのに役立ちます。

IoT

Azure Container Apps 環境上で Azure Functions を使用し、一元管理とサーバレススケールのために設計されたクラウドネイティブな Azure Event Grid は、MQTT プロトコルを使用して IoT ソリューションを有効にし、イベントドリブンアプリケーションの構築に役立つ pub-sub メッセージブローカーを探しているお客さま向けに調整された新機能がリリースされました。

その他

Integration Account Premium で UI ベースの取引先管理機能が提供されるようになりました。これにより、取引先の管理が合理化され、B2B 統合シナリオでのシームレスなコラボレーションが促進されます。さらに、統合アカウントは、マップやスキーマなどの成果物の一元化されたストアとして機能し、整理とアクセシビリティを強化します。

メッセージ管理を合理化し、運用効率を向上させる新機能であるバッチ削除が発表されました。現在プレビュー段階のこの機能を使用すると、お客さまはサービス側でエンティティまたは配信不能キューから最大 4,000 メッセージのバッチでメッセージを削除できます。

Azure Logic Apps Standard の EDI 機能の一般提供が開始され、B2B ワークロードを大規模に処理するための組み込み操作が開始されました。このリリースでは、ネイティブコネクタを活用して、より大きなペイロードを含め、単一およびバッチの両方の EDI メッセージを効率的に処理できます。

Logic Apps ワークフローの実行とエラーの監視、診断、トラブルシューティングを強化するために設計された、Logic Apps Standard の UI ダッシュボードがパブリックプレビューになりました。ワークフローの健全性とパフォーマンスに関する貴重な洞察をユーザに提供し、発生する可能性のある問題をすばやく特定して対処できるようになります。

Visual Studio Code の Logic Apps Standard デプロイスクリプトツールがパブリックプレビューで提供開始されました。この機能強化により、ユーザは、任意のソース管理システムを使用して、シングルテナントの Azure Logic Apps で実行される Standard ロジックアプリケーションワークフローの開発、テスト、ストレージを VS Code 内で直接効率化できます。 

Azure Logic Apps Standard でのゼロダウンタイムデプロイシナリオのサポートが、パブリックプレビューで提供開始されました。この機能は、ミッションクリティカルなアプリケーションの開発と保守における主要な課題の 1 つである、更新やメンテナンス作業中であっても継続的な可用性と応答性を確保するという課題に対処できます。

Azure Logic Apps Standard 内で .NET 8 カスタムコードを呼び出すためのサポートがパブリック プレビューになりました。ユーザは .NET 8 カスタムコードを Logic Apps ワークスペースにシームレスに統合できます。これにより、既存のワークフローとの互換性を確保しながら、最新の .NET バージョンにスムーズに移行できます。

Logic Apps Standard の VS Code 拡張機能は、 Logic Apps デザイナーをシームレスに拡張し、 Logic Apps の直感的なノーコード デザイナーと VS Code の堅ろうなプロ コード機能を組みあわせて利用できるようにします。この統合により、開発者は Logic App のワークフローをローカルでビルド、実行、テストできるようになり、ブレークポイントデバッグなどの機能を活用してデバッグ機能を強化できます。

Azure API Management のAPI として Azure OpenAI をインポートする機能の一般提供開始が発表されました。この新機能により、お客さまはワンクリックで Azure OpenAI のエンドポイントを API としてシームレスにインポートし、プロセス全体を効率化することができます。

Azure API Management の Azure OpenAI Emit Token Metric Policy の一般提供開始が発表されました。この新機能は、 Azure Application Insights に直接送信されるトークン使用メトリクスを簡単に設定することを可能にし、さまざまなアプリケーションやチーム全体における Azure OpenAI モデルの使用状況に関する洞察を提供します。

セルフホステッドゲートウェイを通じた Azure API Management の gRPC サポートの一般提供が発表されました。この機能により、Azure API Management 内で API として gRPC サービスをシームレスに管理できるようになります。

Azure API Management のロードバランサ機能の一般提供が開始されました。バックエンドのプールを簡単に作成し、複数のエンドポイントに負荷を効率的に分散することができます。

Azure API Management の OData API タイプの一般提供が開始されました。この追加機能により、 Azure API Management の機能が OData API を含むように拡張され、ユーザは認証、認可、レート制限などの標準的な API 保護と、リクエスト検証のための OData 固有のポリシーを適用できるようになります。

Azure API Management で一般に提供されたサーキットブレーカーは、 API 環境の回復力を高めるための使いやすいソリューションとしてシームレスに統合されています。この機能により、ユーザはバックエンドリソース内のサーキットブレーカー属性を設定して、過度なリクエストによるバックエンド サービスの過負荷から保護することができます。

Azure API Management の Azure OpenAI Semantic Caching Policy のパブリックプレビューが発表されました。この機能は、類似した意味を持つプロンプトの Completion をインテリジェントに保存するセマンティックキャッシングを活用することで、トークンの使用を最適化することができます。

Microsoft Dev Box は、開発者が事前構成済みのプロジェクト固有の開発者ワークステーションにセルフサービスでアクセスできるようにする Azure サービスです。生産性とエンタープライズ管理に関する新しい機能が追加されました。より多くのカスタマイズオプションを通じて柔軟性を高め、管理者はリソースの可視性と制御を改善できるようになりました。

Azure Deployment Environments は、よりシームレスなエクスペリエンスをお客さまに提供し、その拡張モデルを使用して一般的なコードとしてのインフラストラクチャ (IaC) フレームワークを迅速かつ簡単に活用し、組織のニーズに基づいてデプロイを実行またはカスタマイズできるようになりました。

Log Analytics では、リージョンインシデントに対する回復性を強化する新機能であるワークスペース レプリケーションがサポートされるようになりました。レプリケーションを有効にすると、ワークスペースのコピーが別のリージョンに作成されます。

Container insights のビジュアル化は以前、Log Analytics からのメトリックデータを使用していましたが、この新機能により、Log Analytics の代わりに管理された Prometheus データのみを使用してビジュアル化できるようになりました。

Azure Site Recovery は、BCDR 管理者が監査と追跡の目的で Site Recovery で保護された資産に関する豊富な洞察を得られるようにするレポート機能を導入しています。これらのレポートは高度なカスタマイズが可能で、Business Continuity Center、Recovery Service Vault、および Backup Center ですぐに利用できます。

Azure Site Recovery (ASR) は、レプリケーションの健全性の低下、フェイルオーバーの失敗、エージェントの期限切れなどの重要なイベントに対して、 Azure Monitor を通じてデフォルトのアラートを提供するようになりました。

アクティビティログのアラートルールは、次のいずれかの EU データ境界リージョン(North Europe、West Europe)に保存できるようになりました。この機能は、新しいアクティビティログアラート ルールを作成するときに使用できます。ルールをヨーロッパリージョンに保存すると、アラートルールのメタデータとその処理が EU データ境界内にとどまるようになります。

 

 

今週のアップデートは以上です。

今後も定期的に Microsoft Azure の情報をお知らせしていきますので、ご期待ください。

関連サービス

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームです。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどのリソースを、必要な時に必要な量だけ従量課金で利用することができます。

MSPサービス

MSP(Managed Service Provider)サービスは、お客さまのパブリッククラウドの導入から運用までをトータルでご提供するマネージドサービスです。

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