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AI要約は魔法の杖?その便利さの裏に潜む「伝わらない」リスク
「この長い議事録、Geminiに要約してもらおう」「お客様からの長いメール、とりあえず要約して」
Google Workspaceに搭載された生成AI「Gemini」。その中でも「要約」機能は、日々の業務で多くの時間を節約してくれる、まさに魔法のようなツールですよね。報告資料の作成や情報収集の場面で、頻繁に「要約して」とお願いしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、その便利さの裏で、こんなことをしていませんか?
もし、心当たりがあるなら少しだけ立ち止まってみてください。その「要約の要約」、本当に大切な情報を伝えきれているでしょうか?便利さのあまり、私たちは重要な「何か」を見失っているかもしれません。
この記事は、Geminiを始めたばかりの方や、Google Workspaceのようなツールで日々の業務を効率化したいと考えているすべての方に向けて書いています。
本記事では、Geminiの要約機能をあえて繰り返し使ってみることで、情報がどのように変化し、どのようなリスクが潜んでいるのかを検証します。この記事を読めば、AI要約機能の注意点を理解し、明日からの業務でより的確な情報伝達ができるようになります。
「要約を繰り返すと、情報が劣化する」と言葉で言うのは簡単です。しかし、実際にどうなるのかを体験してみないと、その本当の意味は分かりません。そこで、私たちはシンプルな実験を行いました。
結果は驚くべきものでした。要約を繰り返すごとに、情報は少しずつ、しかし確実に削ぎ落とされていきました。
元となる会話のデータは6,000文字弱あります。ここでは全文記載せず、後述の内容の理解を深める為、要約情報を記載します。
元の会話データ(#0)には、登場人物の感情の機微や、トラブルの根深い原因が描かれていました。しかし、要約の最終形態(#11)では、それらはほぼ完全に失われていました。
もし、あなたがこのトラブルの最終報告として、要約#11だけを受け取ったとしたらどうでしょう?おそらく、以下のような誤った判断(ミスリード)をしてしまう可能性があります。
正確な数値化は困難ですが、感覚的に各ステップでどれくらいの情報が失われたかを概算してみました。
最終的に、#11の情報量は、元の#0と比較して10%にも満たないかもしれません。残っているのは骨子だけで、判断に必要な肉付けはほぼ全て失われている状態です。
今回の検証で私たちが学んだことは、非常にシンプルです。
「AIによる要約は、自分自身の理解を深めるために使うべきツールであり、他者への報告、特に判断を仰ぐための資料として安易に流用すべきではない」
ということです。
もし、組織の中で報告のたびに「要約して」が繰り返されていたら、どうなるでしょうか?現場のリアルな声や問題の背景、成功の微妙なニュアンスは全て削ぎ落とされ、経営トップに届く頃には、中身がスカスカで何の判断もできない、あるいは誤った判断を導くレポートが出来上がってしまいます。これは非常に危険なことです。
AIは強力なアシスタントですが、思考を代替するものではありません。
「やってみよう」から始まるInformation Technology。まずは、次回の報告書作成の際に、安易に「要約して」とお願いする前に一呼吸おいてみてください。そして、「報告相手が何を知りたいか?」という視点で、あなた自身の言葉で情報を整理してみることから始めてみませんか。その一手間が、組織の的確な意思決定と、あなた自身の信頼につながるはずです。 この件は、Google Geminiに限った話ではないこと覚えておいてください。
Google Workspace は、あらゆる業務に合わせて、すべてのビジネス機能をそろえた統合ワークスペースです。お客さまのご利用に合わせたサポートとオプションをご用意しています。あらゆる働き方に対応する業務効率化を実現します。
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