Weekly Azure アップデート情報 - 2025/7/30 ~[一般公開] AKS にてノード自動プロビジョニングをサポート~

2025年7月30日掲載

Weekly Azure アップデート情報 - 2024/1/23  ~[一般公開] Azure Load Testing で HTTP リクエストを追加してテストを作成~

皆さま、こんにちは。

Weekly Azure では、今週もMicrosoft Azureのプロダクトアップデート情報をお届けします。

先週 (2025/7/18 - 2025/7/24) の主な Azure アップデート情報をお送りします。

目次

今週の注目アップデート

Kubernetes環境で動的ワークロードを管理する際、リソースの過剰なプロビジョニングやアイドル状態、ノードプールの維持に伴う運用負荷が課題となります。AKSのNode Auto-Provisioning (NAP) は、未スケジュールのPodに応じてノードを自動プロビジョニングし、事前にノードプールを構成する手間を省きます。これにより、ワークロードのニーズに合わせたリソースのスケーリング、効率向上、クラスター管理の簡素化、コスト最適化が実現可能です。

セキュリティ、ID

Azure FirewallがLog Analyticsのログ取り込み時の変換をサポートし、選択的なロギングと高度なフィルターリングが可能になりました。これにより、ログを取り込む前にフィルターリングや変換を行い、重要なデータを保持しつつコストを削減できます。セキュリティ監視の強化、不要なログの削減、コンプライアンス対応、インシデント対応の迅速化、カスタムアラートの設定といったメリットがあります。

コンピューティング

Durable Functions PowerShell SDKがスタンドアロンモジュールとして一般公開されました。従来のSDKはAzure FunctionsのPowerShell言語ワーカーに組み込まれていましたが、リリースサイクルに依存するため、機能追加やバグ修正の迅速な提供が困難でした。新しいSDKでは、サブオーケストレーションのサポート、例外・null値処理の改善、シリアライズの不具合修正などが行われています。

Durable Functions ではオーケストレーションの変更が不可避で、進行中の実行への対応が困難です。バージョニング機能により、条件付き実行やワーカー単位の制御が可能で、新旧のオーケストレーションを同時に運用できます。現在、.NET 分離アプリと Durable Task SDK に対応しています

Azure Functions向けKafka拡張機能が従量課金プランでパブリックプレビューになりました。この拡張機能により、Kafkaトピックへのリアルタイムメッセージの検出と対応、およびKafkaトピックへの書き込みが可能です。インフラ管理を意識せずに、イベントソーシングパイプラインやAzure Functionsのロジックに集中できます。Kafkaメッセージをトリガーとしてスケーラブルに実行できます。

コンテナー

Azure Kubernetes Service (AKS) の仮想マシンノードプールが一般公開されました。これにより、AKSがノードのプロビジョニングと初期構成を直接管理します。同一ファミリ内の複数のVM SKUを1つのノードプールに追加できるため、SKUごとに個別のノードプールを用意する必要がなくなり、ノードプールの数を削減し、より柔軟で効率的なリソース構成が実現できます。

可用性セットとBasicロードバランサーは2025年9月30日に非推奨となります。現在、AKSでは、可用性セットから新しい仮想マシンノードプールへの移行と、BasicロードバランサーからStandardロードバランサーへのSKUアップグレードを自動的に実行できるAzure CLIコマンドがパブリックプレビューで提供されています。

AKSの最大ブロックノード許容数機能は、アップグレードなどの操作中にドレインに失敗したノード数を指定するものです。この機能は、undrainable node behaviorプロパティが設定されている場合にのみ有効で、設定されていない場合はエラーが発生します。

AKSクラスター拡張機能管理の中核であるExtension Managerが、ワーカーノードからコントロールプレーンへ移行しました。これにより、セキュリティ強化、ネットワーク構成の簡素化、運用負荷の軽減が実現。Azure Backup、Azure Container Storage、Flux等の拡張機能や、サードパーティーソリューションの管理において、より堅牢で効率的な運用体験を提供します。

ストレージ

Azure Blob Storage は NFSv3 (BlobNFS) をネイティブにサポートし、Linux NFS クライアント経由でアクセス可能です。AZNFS マウントヘルパーパッケージを使用することで、Blob Storage の NFS エンドポイントへのマウントが容易になります。今回、AZNFS バージョン 3.0 がリリースされ、BlobFuse でも使用されている libfuse3 ライブラリの採用により、スループット、ファイルサポート、メタデータ処理性能が向上し、ユーザーグループ制限が撤廃されました。

Premium SSD v2は、低コストで高性能なブロックストレージを提供し、サブミリ秒のレイテンシ、高いIOPS、スループットを実現します。Geo冗長ストレージ(GRS)とクロスリージョンリストア(CRR)をサポートし、データ損失から仮想マシンを保護、災害復旧のためにセカンダリリージョンでのオンデマンド復元が可能です。GRSボールトは、ノルウェー西部、ノルウェー東部、西日本、東日本リージョンで利用できます。

データベース

Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーが、インドネシア中部リージョンで利用可能になりました。

分析

Azure Event HubsのPremium/Dedicatedティア向けにgeoレプリケーション機能が一般公開。ネームスペースのメタデータとデータをプライマリからセカンダリへ継続的にレプリケートし、障害/災害からクライアントアプリを保護。任意のセカンダリをプライマリに昇格可能。昇格は即時で、クライアント側の変更は不要です。

その他

Azure BackupのStandardバックアップポリシーがTrusted Launchをサポートし、セキュアなVMのバックアップ設定が容易になりました。PowerShell、CLI、REST APIを使用した自動化ワークフローも継続して利用でき、スクリプト変更の必要がなくなり、エラーを回避できます

 

今週のアップデートは以上です。
今後も定期的に Microsoft Azure の情報をお知らせしていきます。

出典:Microsoft, Azure Updates

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