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2026年3月5日掲載
こんにちは、ソフトバンクでクラウドエンジニアをしている井上です。
「データ分析を行いたいけど、SQL は分からない…」と思ったことはありませんか?
データ分析はビジネスを続けていく上で必要不可欠です。客観的な事実であるデータを収集・分析することは、現状を正確に把握し、最適な戦略を立案することに繋がります。しかし、データ分析には高度な専門知識が必要であるため、データを十分に活用できていないケースも珍しくありません。
そんな時に役立つのが、Google が提供するデータ分析基盤 Looker に実装されている生成 AI 機能 - Gemini in Looker の会話分析機能です。本機能は、プレビュー版として提供されていましたが、先日ついに一般公開されました。
本記事では、正式リリースされた Gemini in Looker の会話分析機能を検証し、その特徴や精度について紹介したいと思います。
Gemini in Looker は Google が提供するデータ分析プラットフォーム 「Looker」の中で、生成 AI(Gemini)を活用した支援機能を提供します。その Gemini in Looker の主要な機能が会話分析機能です。会話分析機能では、チャット形式で質問を投げかけるだけで生成 AI がデータ分析を行ってくれます。生成 AI が自然言語を SQL クエリに変換し、データ分析をおこないます。
Looker のホーム画面左側の「会話」を選択することで本機能を使用することができます。
選択すると下記の画面に遷移するので、下部のテキストボックスに質問文を入力することで、生成 AI にデータ分析を行ってもらうことができます。
今回は、theLook eCommerce というデータセットを使用します。データセットは以下のような構成で作成されています。
・Core データ:流通センターや在庫商品、注文商品ユーザーなどのデータが含まれます
・拡張データ:顧客データや売上データ、店舗データなどが含まれます
基本的な計算と可視化が可能か検証します。カテゴリーごとの価格平均がグラフとして表示されれば成功です。
結果は以下の通りです。カテゴリーごとの価格平均がグラフとして表示され、期待通りの結果でした。
会話内容を記憶した状態で分析可能か調査します。カテゴリーごとの価格平均と中央値が1つのグラフで表示されれば成功です。
結果は以下の通りです。カテゴリーごとの価格平均と中央値が1つのグラフで表示され、期待通りの結果でした。
簡単な比較計算を行います。各製品数が表示され、女性用の製品が多いと出力されれば成功です。
結果は以下の通りです。棒グラフと比較結果が出力され、期待通りの結果でした。
一般公開に伴い、質問例を尋ねることが可能になりました。どのような質問を入力すればよいのか教えてくれれば成功です。
結果は以下の通りで、データに沿った質問例を教えてくれました。
一般公開に伴い、分析例も尋ねることが可能になりました。どのような分析を行うことができるのか教えてくれれば成功です。
結果は以下の通りです。データに沿った分析例を教えてくれて、期待通りの結果でした。
会話分析機能の一部として、エージェント機能が使用できます。この機能を使用することによって、出力する内容や分析対象とするデータを予め指定することができます。
エージェント機能は会話分析機能の左部分の「エージェントを管理」から作成・使用することができます。エージェント作成画面は以下の通りです。
エージェント作成画面では、「データ」の箇所で最大5つの Explore を選択することができます。(標準的な会話分析機能では1つの Explore しか選択することができません。)
Explore とは、Looker において、特定の目的に合わせて関連するテーブルを結合・定義したデータ探索の単位のことを指します。
「指示」にエージェントに実行させたい処理内容や、予め指定したいグラフの構成等を入力することができます。今回は以下のように入力しました。
作成したエージェントに質問を投げかけて、「指示」に記載した内容が出力結果に反映されているのか確認します。結果は以下の通りです。グラフの色はランダムで表示され、期待した結果は得られませんでした。
続いて、複数の Explore にまたがる分析が可能か検証します。結果は以下の通りです。同じ文言が3回表示されるだけで、複数の Explore にまたがる分析は不可能でした。
会話分析機能のコード インタープリタは、自然言語の質問を Python コードに変換し、そのコードを実行します。そのため、標準の SQL クエリと比較して、高度な分析を可能にします。なお、こちらの機能はプレビュー段階となっています。
コード インタープリタ機能は、管理画面からコード インタープリタ機能を有効にすると使用することができます。
コード インタープリタ機能により、線形回帰などの高度な分析が可能か検証します。結果は以下の通りで、「線形回帰や寄与度の計算といった分析はサポートしていません」と回答が返ってきました。コード インタープリタ機能はまだプレビュー段階であるため、正常に動作していない可能性があると考えられます。
Gemini in Looker の会話分析機能の一般提供に伴い、Gemini in Looker の「Help me Code」機能もプレビュー版として提供開始されました。「Help me Code」機能とは、自然言語で指示するだけで LookML を記述することができる機能です。本機能につきましても検証を行いましたので、ご紹介させていただきます。
「Help me Code」機能は、「開発」の LookML を記述する画面から「Help me Code」を選択し、行いたい操作を選択することで使用可能です。
標準的なディメンションを作成することが可能か検証します。ディメンションとは、データの「属性」を定義する項目です。集計したデータを「商品別」や「月別」など、特定の属性ごとにグループ化する役割を持ちます。結果は以下の通りです。期待通りのディメンションを作成するためのコードが生成されました。
標準的なメジャーを作成することが可能か検証します。メジャーとは、データに対して何らかの計算を施した指標のことです。1つ以上のディメンション内のデータを集計し、「平均」や「合計」といった値を算出します。結果は以下の通りです。期待通りのメジャーを作成するためのコードが生成されました。
今回は、Gemini in Looker の会話分析機能の検証を行いました。各項目の実行可否は以下の表の通りとなっています。
項目 | 実行可否 |
|---|---|
標準的なデータ分析 | 〇 |
エージェント機能 | △(機能としてはありますが、本検証の範囲では指示を反映してくれませんでした) |
質問例や分析例の質問 | 〇 |
グラフのカスタマイズ | △(一部制限あり) |
グラフの保存 | × |
高度なデータ分析 | × |
標準的なデータ分析は期待通りに動作することが確認できました。自然言語で指示するだけでデータ分析が可能になるため、専門知識がない方でもデータ分析が可能です。また、質問例や分析例も回答してくれるため、データ分析初心者で何から行えばよいか分からない人でも利用しやすいと思います。さらに、文脈も理解して回答してくれるため、操作性も高く感じました。
一方で、エージェント作成画面の「指示」で記述した内容は回答に反映されませんでした。「指示」で記述した内容が回答に反映されるようになると都度指示を入力する必要がないため、より利便性が向上すると考えられます。また、コード インタープリタ機能による高度な分析も現時点では回答を得られませんでした。高度な分析が可能になると、分析の幅が広がるため、今後のアップデートに期待したいです。
また、プレビュー版として提供された「Help me Code」機能の検証も行いました。自然言語で指示すると、標準的なディメンションやメジャーを生成するためのコードが生成されることが確認できました。専門的な知識なしで LookML を記述することが可能であるため、Looker 初心者にとって嬉しい機能だと感じました。
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Looker は定義から集計、可視化の一連のデータ分析プロセスをカバーする BI ツールを超えるデータプラットフォームです。ソフトバンクは、顧客のニーズに合わせて柔軟なサポートを提供し、Looker を活用したデータドリブンな企業変革を支援しています。
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