通信インフラだけでなく、企業のDX化やAI活用などの提案にも取り組んでいるソフトバンク株式会社では、マーケティングに利用する動画コンテンツを内製する際に、オウンドメディアに掲載する動画がどの程度マーケティング活動に貢献できているかを定量的に計測しにくい点に課題を感じていました。そこで、次世代動画マーケティングプラットフォームであるFireworkを導入。定量的な数字の可視化とともに、自動再生機能によって視聴数やCVRも向上させ、従来の動画プラットフォームと比較し視聴率20倍、CVR80倍へ成長を遂げることができました。
ソフトバンク株式会社は、携帯電話サービスなど通信インフラ事業に加え、企業のデジタル化やDXへの取り組み、AI活用などの各種サービス提供を行っています。その際、Webサイト運営や資料ダウンロード、ウェビナー・イベントの開催、メールや広告配信、YouTube やSNSなどマーケティング活動を行っています。
中でもオウンドメディアは、広告集客や自然流入してきた方々に対して、自社サービスを購入したいと思っていただけるようにさまざまな情報提供を行い、問い合わせや資料ダウンロードなどで顧客情報を取得していく必要があります。そのため、オウンドメディアに設置するコンテンツの効果検証は重要な指標の一つになっています。
ソフトバンクでは、利用シーンや操作性、サービスがよりイメージしやすくなるような解説動画や実際の利用者にインタビューした事例動画などを自社で製作し、オウンドメディアに掲載していますが、オウンドメディアに設置した動画コンテンツの数値的な効果が見えにくかったと動画制作を担当する山本は語りました。
「今までの動画コンテンツは単純に埋め込むだけで終わってしまい、マーケティング活動にどれぐらい寄与しているか測りにくいところに課題を感じていました。再生数や視聴時間など、定量的にとれる数値はありますが、それがどれくらいコンバージョン(以下CV)に影響を与えたのかは測ることができませんでした。そのため、Web訪問数における動画の視聴率を算出し、該当のWebページに来たCV数の〇%には影響したと言えるよね、というような仮説的な評価方法しかできていなかったため、いかに正しい数字が取れる仕組みを構築するかを考えていました」(山本)
そのような中で、2022年11月からソフトバンクでサービス提供しているFireworkを自社でも試してみる機会がありました。サービス導入に際し、「自動再生」と「定量的な数値測定」の機能が役立ったと山本は言います。
「Fireworkを導入した理由の一つは『自動再生』の機能です。従来の動画プラットフォームは再生ボタンを押して視聴する方法でしたが、1クリックするまでに至らずなかなか動画を見てもらえないという課題がありました。Fireworkであれば、該当ページに訪れたユーザーに自動再生で能動的に動画を見せることができるので訴求力も向上し、サイト滞在時間の向上や離脱防止にも役立つと考えました。
もう一つは、『動画コンテンツの効果を定量的に測れる』点です。今までは、動画の再生画面と資料ダウンロードを受け付けるボタンは別々の場所に存在していました。そのため、該当のページからCV数が上がったとしても、動画がどれくらい寄与したのかが見えにくく、間接的には効果はあったであろう、というような予測しかできませんでした。しかし、Fireworkの場合は、再生画面上にCTAボタンがあり、このボタンのクリック数やCTAボタンを経由して何件CVしたかを定量的に測ることができるようになりました」(山本)
導入前のPoCを踏まえて、実際に課題となっていた定量的な数値効果が可視化できることに加えて、自動再生による再生数向上にも期待できることが分かり、2024年4月に本導入を決定。工数をそれほどかけずに導入できそうなこともよい点であったと山本は続けました。
「FireworkをWeb実装するにあたり、既存ページの改修や変更がなるべく必要にならないことを求めていました。我々の部門はWeb運営チームとコンテンツ製作チームが別々で、Fireworkの導入を主導したのは私たち動画コンテンツチームのため、これを導入することでWebチーム側の工数が増えるようなことがないかも気にしていました」(山本)
この懸念についても、Fireworkの掲載方法に「フローティング掲載」があり助かったと言います。
「フローティング掲載では既存ページのレイアウトを変更することなく、右下に追加表示するだけです。ページをスクロールしたとしても追従して表示ができるので訴求力を維持できますし、Web側に改修の作業は必要ありません。こういった手軽さも導入の決め手になったと思います」(山本)
常に右下に掲載されるフローティング掲載
Firework導入から1年半が経過し、数値の可視化という課題解決だけではなく、数値的にも大幅に成長したと山本は語りました。
「導入からすでに動画を50本ほどリリースしていますが、従来の動画プラットフォームと比較して視聴率は約20倍、コンバージョンレート(CVR)も約80倍に向上し、確実に導入効果があったと考えています。
さらに、Fireworkがどれくらい効果的なのかを検証するために、あるイベントの参加申込をWebページで訴求する際に、静止画のバナーとFireworkの動画のどちらの方が申込率が高いかを比べました。結果は、Fireworkの方が申込率が2倍高かったということで、静止画バナーよりもCVさせる力があることも検証で明らかになりました」(山本)
定量的な数値効果に加えて制作時の労力削減にも効果があったようです。
「通常の横型の動画は、多くの人がテレビなどで見慣れているため、素人が作ったものに見えないようにパワーをかけて制作しなければなりません。しかし、縦型動画はTikTokやYouTubeのショート動画など一般の方がSNSに気軽にアップしているためか、テロップや画質などがそれほど重要視されていません。縦型動画というフォーマットのおかげで、制作のハードルもグッと下がった印象があり、コンテンツを量産していくという面でも導入効果があったかなと思います」(山本)
日本の企業では自社で動画の撮影や運用をしているところはまだまだ多くありません。そのため、Firework社ではカスタマーサクセス部隊を構成し、導入企業へのサポートにも重点的に取り組んでいます。定例会の中でアイデアがもらえることも大きなメリットだったと山本は言います。
「Firework社とは定例会を行い、このページで動画を使ってみませんか、こんな活用してみませんかという提案をもらっています。
従来の動画プラットフォームだと動画単体の数字しか見れず、自分で数字を見てくださいというスタンスでしたが、ページごとの再生数が見ることができたりカスタマーサクセス部門と相談することでデータが取れる点はFireworkの強みだと思います」(山本)
今後はFireworkで獲得したリードが受注まで至ったかというところを、各システムと連携しながら可視化できるように取り組んでいくと山本は語ります。また、Fireworkを利用することで、新しい取り組みとしてライブコマースにもチャレンジできるようにもなったそうです。
「ライブコマースは昨年度に2回実施し、延べ視聴者数の平均が600名ほどで、CVRは15%程度と想定よりもよい結果になりました。オウンドメディアだけでなくYouTubeなどのSNSにも同時に配信できるライブコマースは、今までリーチできなかった層にアプローチができるため、これからも取り組んで行きたいです。Fireworkは一見すると、縦型ショート動画という特長だけが捉えられがちですが、使ってみて感じたのは、マーケティング領域の中で動画コンテンツが抱えている課題をさまざまな機能を駆使して解決できるツールだと思います。ぜひそういった点でFireworkを検討してみると、このサービスの本当の魅力というものが見えてくると思います」(山本)
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