お客さま
株式会社エイジス
従業員規模
501〜1,000人
業種
サービス
棚卸業務を主軸としながら、小売業界における商品の補充や店舗の新設・改装サポートも行う株式会社エイジス(以下、エイジス)。同社は数年前から取り組んでいるデジタル化の効果や現状把握のために「デジタル化診断 Advanced」を2022年から毎年実施し、過去の診断結果と比較をしています。その結果、デジタル化による効果をさらに高めるためには、開発者だけではなく全社的なデジタルスキルの向上が不可欠だと判断し、DX人材育成サービスである「Axross Recipe for Biz」を導入。新たなビジネス創出のための人材・組織作りを進めています。
定量的な数値効果
「Axross Recipe for Biz」
継続利用希望者
88%
「2、3人という少ない人数でも運用が可能だったことは『Axross Recipe』のメリットでした。ここに労力や時間がかかるようだと利用が難しかったと思います」
株式会社エイジス
情報システム部 データテクノロジーグループ統括マネジャー 加藤 将庸 氏
棚卸業務を中心とした多角的なサービスを提供しているエイジス。棚卸業務では、フランチャイズ展開しているチェーン店の棚卸に対し第三者として監査的な役割を果たし、直営店舗に対しては年に数回の棚卸業務を専門のスタッフが効率的かつ正確に行うことで、店舗運営のサポートをしています。同社は、ペーパーレス化やデジタル化で実際に業務効率化が図れているかや、デジタル化の状況や課題を数値化して定期的に把握していきたいと考えていたそうです。そうした中、ソフトバンクの営業担当からデジタル化の状況を可視化できる「デジタル化診断 Advanced」を提案され、2022年から毎年実施しています。
2,300名余りの従業員に対し、「デジタル化診断 Advanced」を毎年行うことで従業員の現状とデジタル化がどれくらい進んでいるのかを確認していく中で、継続して診断を実施することで見えた課題があったと加藤氏は語ります。
「診断では、デジタル化の取り組みにより改善された部分がある反面、課題も浮き彫りになりました。例えば、紙の印刷にかかる時間が削減された一方、クラウドストレージを利用する機会が増えたことで必要な資料やファイルがどこにあるか分からなくなり、それを探している時間が増えてしまったことや、チャットの導入により気軽にコミュニケーションが取れる環境が整った一方で、人によってコミュニケーションの方法が異なり、メールとチャットのどちらを利用するべきか悩み非効率だと感じる人もいることが分かりました。また、社内で貸与されている携帯やPCを使用せず、個人のデバイスで業務を行ってしまうケースもあることが分かりました。そういった課題は『デジタル化診断 Advanced』を1回実施しただけでは分からず、複数回実施することで徐々に推移や傾向を知ることができました」(加藤氏)
従業員の回答率を上げるために、事前に実施する目的や理由を細かく周知し、理解してもらっていたと加藤氏は言います。また、「デジタル化診断 Advanced」で明らかになった課題については、解決に向けて検討を進めているそうです。
「個人のデバイスを使った業務は、コンプライアンスやセキュリティー上問題を感じているので、現在解決に取り組んでいます。 そして、ペーパーレス化については、契約書を電子化するとほかの書面も電子化したいと意見が出るように、1つ課題を潰すごとに次の課題が出てくるため苦労しています。ただ、ほかの業務のペーパーレス化やデジタル化のアイデアや改善すべき課題は見えてきました。コミュニケーション方法では、メールは手紙、チャットは会話と同じで用途が違うと考えています。状況ごとに説明するのは難しいので、社内で動画を作って配信をしたり、全社的な会議で発信をしながら従業員の意識改革やスキルアップを行っています」(加藤氏)
毛利氏が所属するマーケティングチームとも連携し、研修動画の製作も自社で行っているそうです。
社を挙げてデジタル化に取り組んできたエイジスは、2022年11月に経済産業省のDX認定事業者を取得するなどデジタル教育にも投資してきました。しかし、特定の部署や従業員のみを対象とした教育に課題を感じていたようです。
「デジタルスキルの向上には、さまざまなプラットフォームやコンテンツを使用し、全社的ではなく部署や各部門で開発に関わる従業員に限定した中で教育を進めてきました。しかし会社全体としてデジタル化を進めるためには開発者側のスキル向上だけでなく、利用者側のデジタルスキルの向上も必要だと思っていたところ、ソフトバンクの営業担当の方から『Axross Recipe for Biz』を紹介いただき、導入することにしました。セキュリティの部分でも心配なところがあったので、個人の情報リテラシーを向上させたいという思いもありました」(加藤氏)
「Axross Recipe for Biz」は2023年10月から3カ月間、950名で試験運用をスタートしたといいます。
「コンテンツがたくさんあり充実しているので、最低限実施してほしいDXのコンテンツをまずは案内し実施してもらいました。途中でアンケートを実施したところ継続希望者が88%もいたため、100名に絞ったうえで、追加で3カ月間の利用継続をしました。研修は本人のやる気に左右されるので継続利用者は挙手制にした上で、上長にも判断いただく形で決めました」(加藤氏)
「Axross Recipe for Biz」の導入経緯について語る加藤氏
Axross Recipe for Biz のメリットについて加藤氏は次のように語ります。
「導入と運用は情報システム部が担当し、社内の広報や支援活動は人事部門で行いました。私を含め2、3人という少ない人数でも運用が可能だったことは『Axross Recipe』のメリットでした。ここに労力や時間がかかるようだと利用が難しかったと思います」(加藤氏)
また、従業員の利用状況を上長に共有したり、案内の場を増やしたりすることで、「Axross Recipe for Biz」の利用を促進していったといいます。
「社長の福田にも全社ミーティングで、DXの取り組みの一環としてAxross Recipe for Bizを用いた研修をしていることを発表してもらったり、DXとは何かという基本的な知識をつけましょうと全従業員に対して話してもらいました。上長の方々へも利用状況を可視化して見られるように工夫することで、対象者の70%が利用したという結果が出ています」(加藤氏)
コンテンツの使い勝手もよかったと加藤氏は続けます。
「学習してほしい内容が1つの動画にまとまっているので研修を推進する側として案内しやすかったです。ほかの教育コンテンツだと細分化されており、コンテンツ選びが大変なことも多いので、DXやAIで1つにまとまっているところはよかったと思います」(加藤氏)
また、DXやデジタル技術はどんどん進化していくため自社でコンテンツを作ったり管理・更新するのは難しく、そういう意味でも「Axross Recipe for Biz」のような外部コンテンツを利用するのはメリットがあると述べました。
「デジタル化診断 Advanced」や「Axross Recipe for Biz」を導入して気づいたことがあると後藤氏は語ります。
「強制しても意味がなく、自分でやる気になってもらうことが重要だと思います。集合研修でも参加しているだけで聞いていない人がいますし、Web研修の場合は画面をつけているだけで別の作業をしている人もいると思います。一番重要なのは『自分事として必要なんだと思わせる環境づくり』なのかなと改めて感じています」(後藤氏)
環境づくりでは、IT広報、社内報の改善にも力を入れてデジタルに興味をもってもらう取り組みをおこなっていると言います。棚卸を生業にして業務を行う現場では、現状はアナログな環境で仕事をしている人が多いものの、それを変えていく必要があると後藤氏は続けます。
「今後AIが世の中に広がっていくことや、デジタル化を進めていかないと社会の在り方が変わったときについていけなくなることを考えると、DXやAI活用を必死にやっていく必要があるんだと社内で1人1人が思い、全社員が取り組んでいく必要があると感じています。その上で、棚卸や新店改装業務、商品の補充、店舗調査など実地的な業務から、会社としてデータを取得し集約することで、お客さまに新たな価値を還元するようなプラットフォームを作るなど新しい価値を生み、新しいビジネスを展開していきたいと思っています」(後藤氏)
インタビューに応える毛利氏(左)、後藤氏(右)
DXリテラシーを上げる取り組みの中で、ローコードを使える人を各部門に作っていこうとしているエイジス。実際の作業を効率化したいという意見が現場から上がってくる状態を目指しているといいます。
「本当にやりたいことをデジタルやDXでやるというシンプルな目標を出しています。技術を使うために何をしようという考え方になると本末転倒です。まずは何がしたいかを明確になるようにし、そこに技術を使っていくという循環を作っていくべきだと考えています。この技術でこれができるからわざわざやるというのは違うので、『本当にそれいるの?』という問いかけは現場に対して何百回もしています」(後藤氏)
新しい技術が進化していく中で、社内のデジタル化に対する意識改革に取り組みながら、デジタル技術を活用した新しいビジネスの展開を目指しているエイジス。同社の挑戦はこれからも続いていきます。
お話を伺った方
株式会社エイジス
執行役員
DX戦略本部長兼情報システム部長
後藤 啓太氏
株式会社エイジス
情報システム部
データテクノロジーグループ統括マネジャー
加藤 将庸氏
株式会社エイジス
グループマーケティング推進室長
毛利 祐二 氏
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