セントケア・ホールディング株式会社様 クラウドファイア ウォール powered by Palo Alto Networks導入事例

2024.11
ゼロトラストに対応したネットワーク基盤に革新
可視化により危険性の高い通信の遮断も実現

セントケア・ホールディング株式会社

お客さま
セントケア・ホールディング株式会社

従業員規模
5,001人以上

業種
医療・福祉

概要

セントケア・グループは在宅介護サービスを主軸として展開する大手の介護会社です。厚労省のガイドラインにあるゼロトラストを考慮しつつ、現場スタッフの働く環境の向上や将来の科学的介護に向けてデータを取得できるようなネットワーク構成を求めていました。そこで、ソフトバンクのVPNサービス「SmartVPN」とゼロトラストソリューションの一つである「クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks®」を導入。安全で利便性に優れた環境を構築しました。

導入前の課題

現場スタッフはオフィスに出社してPCで報告業務を行っていた。

導入後の効果

ゼロトラストネットワークの構成にしたことで、どこからでも接続できる環境が整った。

導入前の課題

インターネットの出入口が複数あり、セキュリティ環境も一定ではなかった。

導入後の効果

クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks® に集約し一本化できたので、セキュリティレベルが一定に保たれた。


目次


セントケア・ホールディング株式会社 前島康仁 氏

「たくさん(危険性の高いWebサイトへの通信を)止めてくれています。今までは気付かないところでいろんな通信がされていましたが、それがなくなりました。今回、業務プロセスやチェックシステムに加えて、見えなかった情報が見えるようになったのはよかったところです」

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 部長 ケアテック開発部 部長
前島康仁 氏

厚生労働省の指針と在宅介護ならではの課題

 セントケア・グループは創業から約40年経過した、大手の介護会社です。特に在宅介護に力を入れ、「これまでも、これからも、ずっと在宅」をキーワードに、介護を必要とされる方が可能な限り今までと同じように生活していただけるように支えていくというビジョンのもとにサービスを運営しています。

 その際に取り扱う介護情報は、要配慮個人情報としてしっかり管理していくべき情報なので常に十分な対策が必要であったと情報システム全般を担うグループICT統括部 部長の前島氏は語りました。

「2023年5月に厚生労働省から『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版』が発表され、その中でゼロトラストの考え方を取り入れるようにと示されています。厚労省があえて示してきたのはサイバー犯罪の増加からと思われます。我々としても責任ある上場企業としてしっかりプロに相談して検討を始めるべきと考えました」(前島氏)

「働く環境の向上はネットワークを変更する元々の目的でもありました。大きな介護施設を運営する企業はその拠点のネットワーク環境を整えたりしますが、我々は在宅介護サービスが主体のためそうはいきません。また、現場スタッフは全員がスマートフォンを持っているわけではなく、報告業務などにはオフィスのPCを使用していました。ゆくゆくはスマートフォンやタブレットを介護現場でも使っていこうと考えていたため、それらを考慮した上でネットワークを考えた方がいいだろうと思い、スマホを持つこと前提にゼロトラストを考慮できる形にしようとスタートしました」(前島氏)

選定のポイントはコスト、スピード、体制

 厚生労働省のガイドラインと在宅介護を担うスタッフの働く環境の改善に向けて、2022年終わりからネットワークとセキュリティ基盤の革新を検討しはじめたセントケア・ホールディング。構成検討の際にいくつかポイントがあったと語ります。

「介護事業は労働集約型ということもあり、利益率は決して高くはありません。コストも限られている中、セキュリティを考えるのに3年や5年などと時間をかけてはいられない状況もあり、早いスケジュールを求めていました」(前島氏)

 そのような中で複数の会社から話を聞き、金額感やスケジュールがマッチしたソフトバンクの『SmartVPN』とゼロトラストソリューションの一つである『クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks®』の導入を決定。今回のネットワークだけでなく、今後の科学的介護を見据えた提案もポイントでした。そして、2023年5月より「ネットワーク革新プロジェクト」が開始しました。

「科学的介護と言って、いわゆるデジタルやIoT機器をうまく活用して、介護の記録を科学的に後で利用できるデータにするという国の施策があります。そこで、まずネットワーク基盤をしっかり作った上でデータを取れる仕組みにすることで、やがてそのデータが介護を受ける方々の健康にも使えるし、さらには働いている介護スタッフの働き方の改善にも活用していきたいと考えました」(佐々木氏)

インタビュー風景、ゼロトラスト事例 インタビュー風景

大規模なネットワークとセキュリティの構築

 国内で数百拠点を抱えるセントケア・グループのネットワーク革新は大規模なものとなり、グループICT統括部の中で企画やプロジェクト対応を担うICT企画課の中村氏がPMとなり、佐々木氏、砂川氏がサポートする形で進んでいきました。

 プロジェクトに際し、ソフトバンクの体制に驚いたと砂川氏は言います。

「実はネットワークを変えるプロジェクトは3回目なのですが、これまでの他社さんの体制は10名弱だったんです。ソフトバンクさんは当初よりたくさんの方が参加してくれましたし、プロジェクトが進むにつれてさらに体制を厚くしていただきました。この体制でサポートしてくれているから1年ちょっとで構築することができたと思いますし、安心感がありました」(砂川氏)

 数多くの拠点を抱えているだけでなく、スタッフがオフィスにいないことも多い介護拠点での回線敷設は、調整を慎重に行いつつ手配を進めていきました。

構成イメージ 構成イメージ

セキュリティレベルの統一ができたほか、危険性の高い通信を知るきっかけに

 パロアルトネットワークス社のPrisma® AccessをベースとしたSASEソリューションである「クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks®」の導入により、セキュリティ環境が一定になったと中村氏は言います。

「導入前はインターネットの出入り口がたくさんありましたが、それぞれの出入り口で同様のセキュリティの対策をするのはコスト面で難しいところがありました。今回、クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks® に集約し一本化できたので、セキュリティレベルが一定に保たれたところはよかったです。

 元々このサービスは知らなかったのですが、パロアルト社の別のサービスを使ったことがあり、安心感がありました」(中村氏)

セントケア・ホールディング株式会社 中村健志 氏

「ほかのセキュリティ製品では全て自分で確認しながら設定しなければいけないような細かな設定画面も、設定すべき項目が分かりやすく表示されていて操作性もよくなったと思います」

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 ICT企画課 主任
中村健志 氏

 また運用面でも効果があったと佐々木氏が続けます。

セントケア・ホールディング株式会社 佐々木稔 氏

「必要なセキュリティとネットワークを包括的に管理できるようになって構成がシンプルになったため、運用する上で何かあった際に非常に対応しやすくなりました」

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 ICT企画課 課長
佐々木稔 氏

 加えて、豊富なセキュリティ機能を搭載したSASEソリューションによる思わぬメリットがあったようです。

「ある拠点で危険性の高いWebサイトと通信していることが分かりました。そういうアラートも活躍してくれています」(中村氏)

「たくさん(危険性の高いWebサイトへの通信を)止めてくれています。今までは気付かないところでいろんな通信がされていましたが、それがなくなりました。今回、業務プロセスやチェックシステムに加えて、見えなかった情報が見えるようになったのはよかったところです」(前島氏)

サービス概要 クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks® サービス概要 クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks®

科学的介護に向けて

 まずはネットワーク基盤を革新し、セキュリティ環境を向上させたセントケア・ホールディング。働く環境も向上しています。

「まずはネットワーク側が変更できました。この後は従業員の端末側を変えていくことを計画しています。

 従業員には『インターネットの環境があればどこでも使えるように変わりますよ』とアナウンスしていて、すごく期待されています。今までは閉域ネットワークに接続しなければいけなかったので、一部の社員だけが持つ会社のスマートフォンでテザリングして接続しなければならなかったのですが、今後はどこからでも接続できるようになることはユーザー側にとって大きなメリットで、ゼロトラストならではだと思っています」(前島氏)

 ネットワークや端末の環境を整えつつ、科学的介護や業界課題の解決に向けたチャレンジも開始すると前島氏は続けます。

「『科学的介護』へのチャレンジとともに、介護業界は慢性的な人材不足や、利益率がより低下してしまうことがあります。この大きな業界課題を解決できるようICTを駆使したいと思っています。要介護者の方のデータに加え、働いている人のデータもしっかり取得し業務効率を上げていけるようにと常日頃みんなで考えています。

 まずはネットワークの基盤が完成したので、今後はIoTセンシングアプリケーションなどより多くのデータの活用をしていきたいと思っています」(前島氏)

「データ基盤ができた暁には、セントケア・グループ内のシステムに色んな情報を集約してさまざまな場所から誰でもスマホで閲覧できたり、情報の修正ができればと思っています。業務システムも構築し直して、情報を集めるプラットフォームも作っていければと考えています」(佐々木氏)

インタビュー風景、ゼロトラスト事例

まずは相談してみることが大切

 科学的介護に向けた環境構築へと着実な一歩を進めていくセントケア・ホールディング。最後にデジタル化、DX化に悩まれている企業に向けて一言いただきました。

「思ったことは迷わず相談した方がよいと思います。最初にしっかり相談すればパートナーはしっかり考えてくれますし、よりよい未来社会を作っていこうと思えば必ずどこかに解があって実現していけると思っています。我々もまだ道半ばですが、これからもたくさん相談をしながら、少しでもよい社会に貢献できるように頑張っていきたいと思っています」(前島氏)

セントケア・ホールディング株式会社 砂川牧子 氏

「介護業界にネットワークやセキュリティに詳しい人は多くはないと思います。システム担当者がいらっしゃらず、どうすればよいか分からない方も多いと思います。はっきりとしたイメージがなくても、こうなったらいいのになぐらいでもよいと思うので、まずは相談してみるのがよいと思います」

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 ICT企画課 課長代理
砂川牧子 氏

こちらから資料をダウンロードしていただけます。

お話を伺った方

セントケア・ホールディング株式会社 前島康仁 氏

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 部長 
ケアテック開発部 部長
前島康仁 氏

セントケア・ホールディング株式会社 佐々木稔 氏

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 ICT企画課 課長
佐々木稔 氏

セントケア・ホールディング株式会社 砂川牧子 氏

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 ICT企画課 課長代理
砂川牧子 氏

セントケア・ホールディング株式会社 中村健志 氏

セントケア・ホールディング株式会社 
事業企画本部 グループICT統括部 ICT企画課 主任
中村健志 氏

本事例での導入サービス

クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks®

クラウド上で次世代ファイアウォール機能などの豊富な機能を提供することにより、ユーザやデバイスの場所に関わらず同一のポリシーを適用しセキュリティを担保する、パロアルトネットワークス社のPrisma® AccessをベースとしたSASEソリューションです。

SmartVPN

IPトラフィックの爆発的な増加やクラウド市場の急速な拡大を背景に、「Cloud Ready(クラウドとの親和性の高さ)」をコンセプトに開発したVPNサービスです。セキュアかつ高速なネットワーク接続を実現します。

お問い合わせ

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