東海地域を中心にさまざな事業を展開し、多様な機能をグループ企業で補完する流通システムを構築している株式会社バローホールディングス(以下、バローホールディングス)。2021年から取り組んでいるスマートデバイスへの業務一元集約化という改革を進めるにあたり、電話設備の老朽化や環境整備が課題でした。そこでクラウドPBXを採用し、スマートフォンでの内線通話を可能にするConnecTalkを導入。併せてiPhone を最大限活用することで店舗業務の業務効率アップに成功しました。
「使い分けていた端末がiPhone 1台になったことで、バックヤードに電話を取りに走る必要がなくなりましたし、業務効率が大きく改善されました」
株式会社バローホールディングス 流通技術本部 システム部 部長
小林 正典 氏
東海に本店を構え全国に約1,400店舗を展開するバローホールディングスは、スーパーマーケットを中心に、ドラッグストアやホームセンター、ペットショップ、外食など、多業態にまたがる小売事業を展開しています。近年では関東への出店も開始した同社では、業務のデジタル化に注力することで、さらに広範な顧客接点の獲得を目指しています。
「2021年からはスマートデバイスを中核とした業務端末の改革を開始しました。現場に散在していた端末や業務フローを集約していく形で、中心業務を効率化していくことを目指しました。バックヤードでの作業を極力減らして、お客さまと接しながら業務を進められる店舗づくりを進めていたので『情報端末としてスマートデバイスを活用』し、店舗業務の効率化を実現しようとしました」(小林氏)
スマートデバイスによる業務改革を進めるにあたって、電話インフラの老朽化と管理負荷の増大を課題として認識されていたそうです。
「現場の電話設備は、長年メンテナンスされていませんでした。店舗には老朽化し、保守期限が切れた交換機が散在しており、故障によって電話が不通になるといったリスクを抱えていました」(志津氏)
管理面での課題もあったそうです。
「全国に拡大していく店舗数に対して、設備管理の仕組みも追いついていませんでした。各店舗の固定電話の機種情報がバラバラに管理されていたため、故障が発生しても振替可能な固定電話が確保できないという後手対応を強いられていました」(志津氏)
固定電話の課題を根本から見直すにあたっては、iPhone に業務インフラを統合することを大前提として検討を進めることにしたそうです。
「2021年にスタートした業務インフラの見直しですが、機能面およびコスト面においてはiPhone が最も期待できるスマートデバイスであると考えており、iPhone を単なる業務端末としてではなく、通話・情報管理・作業端末すべてを担う核となるようなデバイスとして活用していくことで検討を進めていました。当時の自社の業務インフラは、固定電話、業務端末、情報端末がそれぞれ分断されている状況だったので、iPhone に全てを集約してオペレーションを一元化するには、まずは基盤となるシステムを検討する必要がありました。電話まわりには複数の機器やツールを併用していたため、約2年間にわたっていろいろなクラウドサービスを比較検討し、最終的にiPhone との親和性が高く、操作性・品質・コスト面でも最も適していたソフトバンクさんのConnecTalkを導入することに決めました。現場のニーズに応じてソフトバンク側が柔軟に機能改善やカスタマイズ対応をしてくれたので本当に助かりました」(小林氏)
新システムの導入には一定の障壁が伴うものですが、同社も例外ではなかったと言います。
「最初は慣れない操作に苦労しました。保留や転送など、よく使う機能は紙に使い方を印刷して簡易マニュアル化し、iPhone の裏に貼って対応したりもしました」(渡邊氏)
電波に関する対策や現場ならではの工夫も必要だったそうです。
「電波が弱いエリアを事前に把握することができなかったため通信対策も必要でした。また、現場で実際に使用する従業員の慣れと教育が大きな課題でしたが、ソフトバンクさんに説明会や社内勉強会を開催してもらうことによって徐々に克服できました。現場のスタッフも『使ってみれば便利』と実感するようになり、次第に現場へと根付いていきました」(渡邊氏)
ConnecTalkの導入によって、店舗業務は大きく変化したと言います。
「以前は電話が鳴ったらバックヤードにある固定電話まで走って取りに行く必要があったのですが、今は作業中でもiPhoneでそのまま受けられるので、接客や作業を中断せずに通話ができ、とても効率的になりました」(志津氏)
平均して1日に10回程度バックヤードと現場を往復していたものが、その場で通話できる環境が整ったことで、とても大きな効果を感じているそうです。
「以前は端末の台数が従業員数に対して不足しているという問題もあったのですが、iPhone の台数を増やしたことで端末を取り合うようなこともなくなり、業務分担もスムーズにできるようになりました」(志津氏)
外出中でも内線、外線が可能になって業務効率が上がったことだけでなく、コスト面においても効果があったと言います。
「固定電話を10台から3台に減らしてiPhone に置き換えた分の初期費用は増えましたが、修理・交換の速さや維持費を考えると、ランニングコストでも将来的にはプラスになると思っています。ほかにも、iPhone が故障してもすぐ無償交換できるのでそこはとても安心材料になっており、機器トラブルへの対応スピードも導入メリットのひとつです」(小林氏)
電話環境を一新して店舗の業務効率を格段にアップさせた同社は、さらなる効率化を目指していると語ってくれました。
「本部ではレジ関連の問い合わせ対応やコールセンター機能も担っています。内線や外線の対応がスムーズになるだけでなく、受付業務も他サービスと連携して改善できるのではないかと考えています」(志津氏)
また、これから導入を検討する企業に向けてアドバイスもいただきました。
「電話環境の刷新には初期対応が必要になりますが、一度整備すれば業務効率は確実に改善します。単なる『電話機器の置き換え』でなく、現場主導で機動力ある店舗運営を支えるインフラの刷新へとつながったと思っているので、ぜひ積極的に検討してみてほしいです」(志津氏)
新たな電話環境の高い実用性と現場への丁寧なフォローによって、現場の働き方そのものを変えることに成功している同社。ますますの成長が期待されます。
お話を伺った方
株式会社バローホールディングス
流通技術本部 システム部 部長
小林 正典 氏
株式会社バローホールディングス
システム部 運用課 課長
志津 邦明 氏
株式会社バローホールディングス
システム部 運用課
渡邊 良祐 氏
「DX&Fun! Presented by SoftBank」
東海地域で放映されている、DXを進めたいと考えている企業の皆さんの背中を押すミニ番組です。その中で放映されたバローホールディングス様の取り組みについてはこちらからご覧いただけます。
拠点間の内線通話をシームレスにつなげたり、外出先でもオフィスの電話を受発信できます。PBXのクラウド化により初期投資を抑え、高音質なVoLTEを活用することで安定性のある通話環境を構築します。既存PBXとの接続も可能なため、拠点ごとの段階的なクラウド化も実現できます。
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