株式会社ゲオホールディングス(以下、ゲオホールディングス)は、店舗業務における顧客からの「電話がつながらない」という声、そして従業員の電話応対負担を解決するため、クラウドPBX「Dialpad」と自動音声応答システム(IVR)を導入しました。お客さま自身が必要な情報に迅速にアクセスできるようになった事で電話応対業務を約8割削減。月間1万2000時間の通話時間削減を実現し、顧客満足度の向上と従業員の業務効率化の両立を実現しました。
「電話応対の人的対応を約80%削減でき、月間約1万2000時間という大幅な通話時間を削減できました。店舗スタッフは目の前のお客さまへの対応に集中できるようになり、お客さまの満足度向上も実現しています」
お客様相談室 カスタマーサポート課 溝口 正喜 氏
「GEO」の屋号で、DVDやCDのレンタル、ゲームや書籍の販売・ 買取を行う事業を展開するほか、「2nd STREET」の屋号で衣料品や家具、家電などのリユース事業を全国に展開するなど、さまざまな事業を運営しているゲオホールディングス。多くの店舗を抱えている同社には、お客さまからの「電話がつながらない」という声が多数寄せられており 、店舗業務における大きな課題となっていました。
「GEOの店舗は運営体制の都合上、電話応対に多くの時間を割く事が困難でした。また、電話応対の経験が少ない従業員が増えた事や、複雑化する問い合わせ内容に従業員がスムーズに対応できない状況だったり、スマホを活用するお客さまを会社の公式アプリへ誘導したいものの、アプリ自体がお客さまにあまり認知されていないなど、電話応対業務のあらゆる課題が山積している状態だったため、これらの課題を解決できないだろうか悩んでいました」(溝口氏)
同社のお客様相談室ではすでにDialpad Ai Contact Center※を導入済みだった事から、既存システムの移行も視野に入れた上で、新たな電話システムとして自動音声応答システム(IVR)についてDialpad社へ相談をした事が導入検討のきっかけでした。Dialpadサービスについては利便性を実感していたため、全社的なIVR導入についても本格的に検討を進めたいと考えたそうです。
「電話応対業務に大きくリソースを配分できず電話に出られない、しかしその一方で、お客さまの声も大事にしたいという、従業員の業務効率化と顧客満足度の向上を両立すべく新たなソリューションを模索していたところ、『IVR』が良いのではないかと検討を進めました」(溝口氏)
その後、Dialpad社とゲオホールディングスとのプロジェクト体制が組まれ、ここから業務改革が始まりました。
※Dialpad Ai Contact Center:コールセンター運営に必要な機能が標準装備されたインバウンド向けDialpadのプロダクト。問い合わせなどの着信利用ありの場合に最適。
どのようにプロジェクトを進めていくか何度もディスカッションを重ね、まずは10店舗へDialpadとIVRを導入するという小規模な検証からスタートしたそうです。
「2023年8月に、全国の店舗の中から選定した10店舗でIVRの検証を開始しました。実店舗への電話をDialpadの番号に転送し、IVRを通じて対応する事で、本当に必要な問い合わせのみが店舗につながる仕組みを構築しました。具体的には、約70ステップにもおよぶ詳細なIVRワークフローを作成して、お客さまが求める情報にいち早くアクセスできるよう工夫しました」(溝口氏)
検証開始からわずか半月も経たないうちに良好なデータが得られ、その結果、電話応対の人的対応を約6割削減できる事が判明。驚くべき大きな効果が出た事で、当初の予定よりも早く本格導入を進めるスケジュールとなったそうです。
「GEOは全国に約1,000店舗を展開していますが、業態がそれぞれ異なります。書籍を扱う店舗、レンタル業務を行う店舗、または携帯電話の販売を扱う店舗など、店舗ごとの特徴に合わせて約5パターンのIVRワークフローを作成しました。その上で全店展開に向けては、まず段階的に導入を進める事とし、最初は約150店舗を対象としてシステム構成の状況把握、整理を始めました。すでに運用中の10店舗への影響を最小限に抑えつつ構成を移行する作業など、技術的な課題も含め、正確な設定をより効率的に行えるようディスカッションを重ね、業務時間後にも慎重な移行作業を行う事で、トラブルを未然に防ぎました」(溝口氏)
設定作業などの失敗が許されない緊張感のある状況の中、最初の約150店舗での導入で得られたノウハウを生かして、残りの約850店舗への導入を効率的に実施し、スムーズな全店展開が実現しました。
「店舗数が多かったので設定作業はとても大変なものでしたが、現場の店舗スタッフから、『1日でも早く導入をしてほしい』というポジティブな要望があり、お客さまや店舗スタッフの期待のためにも頑張ろうという気持ちになりました」(溝口氏)
DialpadのIVR導入によって電話応対業務の大幅な削減効果が見られたと言います。
「最初の10店舗導入後の検証段階で約60%削減された電話応対業務は、全店舗展開後には約80%削減にまで達しました。全店舗合計で月間約1万2000時間という大幅な通話時間の削減効果が出ています。この電話応対業務の削減は、お客さまの満足度の向上に直結しており、導入前には多く寄せられていた『電話がつながらない』という声は、ほぼなくなりました。電話をかけてこられるお客さまは待たされる事なく自己解決できるようになったのだと思います。また、アプリの利用方法に関する問い合わせが増えているので、お客さまが新しいシステムに理解を示し、積極的に利用している事がうかがえます。
お客様相談室としてはお客さまの不都合や不満が増えない事がもちろん大切ですが、お客さまは満足、そして現場店舗の従業員にも喜ばれるといったお互いWin-Winな状況になるのが一番だと思っています」(溝口氏)
店舗スタッフは、電話応対に費やしていた時間を削減できた事で、本来の業務である目の前のお客さまへの対応に集中できるようになったと言います。
「受電対応業務の負担が軽減され、目の前の実際に来店してくださっているお客さまへの対応に集中できるようになった事は会社全体にとって大きなメリットとなっています。店舗スタッフはDialpadのモバイルアプリの操作にも比較的早く慣れ、受け入れはとてもスムーズでした。」(植村氏)
Dialpadの導入によりGEO店舗の業務効率アップとお客さまの満足度向上に成功したゲオホールディングスは、今後もDialpadとともにさらなる進化を目指しています。
「今後はアプリの充実を図り、アプリだけでお客さまが問題を解決できる環境を整備していく事が次のステップと考えています。お客さまの自己解決をさらに促進していきたいです」(溝口氏)
また、Dialpad社が開発中の新機能にも大きな期待を寄せています。
「リアルタイム文字起こし機能や通話後のサマリー機能、さらにはアクションアイテムの提示といった機能は、お客さまからの問い合わせ内容を詳細に分析し、キーワードや顧客ニーズを把握するための強力なツールとなると考えています。文字起こしと数値化によって、これまでデータとして捉えられなかった顧客のニーズを把握できるようになると考えており、これらの機能を活用していきたいと思っています」(溝口氏)
さらに、お客様を管理する仕組み(CRM)との連携による顧客管理の強化も進めていきたいとの事。
「顧客ロイヤリティの向上を目指し、Dialpadで得られる通話データを、お客様を管理する仕組み(CRM)と連携させる事で、よりパーソナライズされた顧客対応を実現していく事を目指しています」(植村氏)
将来的には「2nd STREET」など、他の事業へのDialpad展開も検討している同社は、グループ全体のコミュニケーション基盤を強化し、さらなる業務効率化と顧客満足度向上を図っていく展望を描いています。
お話を伺った方
お客様相談室 カスタマーサポート課
溝口 正喜 氏
グローバルシステム管理部 グローバルシステム管理課
植村 真輝 氏
ビジネスチャットやビデオ通話などを含むオールインワンのクラウド電話。ライセンスを追加するだけで人員拡大にも対応でき、CRMプラットフォームとの連携も可能たなめ、業務を効率化し、生産性を向上させることができます。
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