1560年創業の機械要素部品メーカーである鍋屋バイテック会社(以下、鍋屋バイテック)。祖業である鋳物の伝統技術を継承しつつ、新たな挑戦としてビニールハウスでのコーヒー豆栽培に取り組んでいます。本州での栽培が難しいとされるコーヒー豆をスマート農業で育てるこの新規事業において、同社はネットワークとセキュリティが強みであるクラウドカメラ「LINE WORKS Vision」を導入。遠隔からの苗の成長記録やハウス内の状況確認を可能にし、効率的かつ持続可能な農業の実現を目指しています。
「クラウドカメラで苗の初動異常に気づけたことは大きな効果でした。セキュリティや共有性の観点からも非常に満足しています」
鍋屋バイテック会社
常務取締役 新技術事業部長、グローバル未来本部長
アグリ事業推進 バイテックファームディレクター 丹羽哲也氏
1560年創業の鍋屋バイテックは、鋳物業を基盤としながらも、時代の変化に対応し、新たな技術を取り入れて事業を多角化してきた老舗メーカーです。同社の社名「バイテック」には、伝統的な鋳物ビジネスを継承しつつ、時代に合わせた新技術を取り入れ、成長していくという強い意志が込められています。
同社は新たな挑戦として、本州では栽培が難しいとされるコーヒー豆のビニールハウス栽培を始めました。単なる農業への参入に留まらず、SDGsの観点から一次産業と二次産業のエネルギー循環を実現し、鋳造工程で発生する熱を農業に活用するという、持続可能な社会への貢献を目指しています。このようなスマート農業への取り組みを推進するのが、常務取締役 新技術事業部長であり、バイテックファーム(コーヒー農園)ディレクターを務める丹羽哲也氏です。
「苗の成長記録として、タイムラプス※で動画撮影したかったのがもともとの目的でした。多くのカメラはその場所に行かないと撮影した動画を確認できないため、ネットワーク上ですぐに確認できるクラウドカメラを探していました」(丹羽氏)
※タイムラプス:タイムラプスとは、一定間隔で撮影した静止画像をつなげて再生する動画手法。時間の経過を早送りで表現でき、雲の動きや植物の成長などを短時間で見せるのに使われます。
監視カメラは市場にたくさんあるものの、企業として利用することからセキュリティ対策がほどこされているクラウドカメラサービスを利用したいと考えていた同社。そんな中でLINE WORKS Visionを見つけ、ソフトバンクに相談し導入。当初は同時に導入したほかのサービスも一緒に利用していたものの、次第にLINE WORKS Visionの活用が進んでいったようです。
実際に設置されたLINE WORKS Visionのクラウドカメラ
「実はLINE WORKS Visionと同時に別のカメラも導入しました。しかし、動画を確認する際にケーブルをつないだりカメラの電源を消さないといけないなど、使い勝手が悪かったこともあり、離れたところから確認できるLINE WORKS Visionを利用するようになりました」(丹羽氏)
農園内を耕す様子(ダウンロード動画)
現時点ではLINE WORKS Visionにタイムラプス機能がないものの、使い勝手の良さから活用している同社。タイムラプス※はほかの動画編集アプリを使って行っているようです。
※LINE WORKS Visonのタイムラプス機能はリリースに向けて現在開発中です。
現在はコーヒー農園のビニールハウス内全体を1台のカメラで撮影している同社。通常は撮影した動画をダウンロードして振り返りとして利用することが多いようですが、ライブ映像も見られることで思わぬメリットがあったようです。
「農園内の温度が高すぎると熱の検知アラートが飛んできたときに、ライブ映像を確認してみると窓が閉まっていたということがありました。風が強い日は自動で窓が閉まる設定にしていたためにビニールハウス内の温度が高くなり過ぎてしまったようです。何かあったときの初動としてライブカメラでハウス内の様子を見れたことは非常に役立ちました」(丹羽氏)
また、今までは従業員の皆さんに写真だけでコーヒー農園の現状について共有していたものを、動画を通じて共有できるようになり、伝わりやすくなったと丹羽氏は言います。今後は、その時々の状況を編集した動画をYouTubeでも配信していく予定です。
「先日社内イベントで社員の有志を募り、苗の世話をしたり土壌改良のためのひまわりの種を蒔きました。コーヒーの木の成長や、ひまわりが咲いてきた様子を動画で共有し、従業員とともに成長過程を体験することで、既存の事業だけでなく新しい領域の事業を面白そうだなと思ってもらい、10~20年後に事業の軸になっていければと考えています。そのように、社内理解を得ていくためのプロセスで、動画は効果的だと思っています」(丹羽氏)
インタビューの様子(バイテックファーム内で伺いました)
LINE WORKS Vision以外にも、温度や湿度管理、窓の開閉などにデジタルを活用したさまざまな取り組みを行っている同社。いまはスマート農業をしようとしても、各システムや機器の値段が高いので、メーカーとして農業標準システムを提供し、誰もが使えるようにしていきたいと丹羽氏は語りました。
「LINE WORKS Visionを農業用カメラのインターフェースとして使っていくことができないかと考えています。鍋屋バイテック会社としてコーヒー農園での栽培技術が蓄積できれば、お客さまにスマート農業として標準システムを提供できる環境を整えることができ、それにより新規の農業従事者を増やしたり、サスティナブルな農業に取り組みやすくなるのではと思っています。特に国内でのコーヒー豆は栽培が難しいため、しっかり実績を積みたいと考えています。そうした環境を工場の隣に併設して手間がかからない形で実施できるようになれば、メーカー各社が企業としても農業に取り組みやすい体制できるのではないかと思っています」 (丹羽氏)
鍋屋バイテックでは工場見学が行われており、そのうちのコンテンツの一つとしてバイテックファームの見学もあるようですので、LINE WORKS Visionを直接見てみたい方は、工場見学に参加してみてはいかがでしょうか。
実際のコーヒー豆
お話を伺った方
鍋屋バイテック会社
常務取締役 新技術事業部長、グローバル未来本部長
アグリ事業推進 バイテックファームディレクター
丹羽哲也氏
LINE WORKS Visionは、低コストで導入可能なクラウドカメラサービスです。映像は、PCやスマートフォンからいつでもどこでも確認可能。防犯対策や遠隔監視による店舗の省人化に最適です。
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