九州工業大学様 Microsoft Teams 電話、UniTalk導入事例

2025.10
老朽化した学内の固定電話環境をクラウドに
移行し、コスト削減と利便性の向上を実現

国立大学法人九州工業大学

お客さま
国立大学法人九州工業大学

業種
教育

エリア九州・沖縄

従業員規模
501~1,000人

導入サービス
UniTalk

概要

九州工業大学では、老朽化した構内電話システム(PBX)の維持費高騰と、在宅勤務・出張時の電話応対の不便さが課題となっていました。PBX更新費用は4,500万円規模にのぼり、固定電話依存の働き方は限界を迎えていました。そこで、Microsoft Teams 電話とクラウド型音声サービス「UniTalk」を導入。維持費を約15%削減するとともに、場所に依存せず同一番号を利用できる環境を整備し、窓口業務では同時着信や自動応答を可能にしました。利便性を大幅に向上させたことで、学内外での柔軟なコミュニケーションを実現しています。

導入前の課題

PBX更新費用がが4,500万円規模と高額で、維持コストが経営上の負担となっていた。

導入後の効果

クラウド直結の電話システムへの移行によりPBX更新が不要となり、維持費を15%削減できた。

導入前の課題

固定電話前提の仕組みで、在宅勤務や出張時の電話応対が困難だった。

導入後の効果

Teams電話とUniTalkの導入により、場所に依存せず同一番号での発着信が可能になった。


目次


「従来は通話中に新しい電話を受けられず、繁忙期には“つながらない”という問題がありました。UniTalk導入後は同時着信や時間外の自動応答に対応でき、職員の負担が軽減され、利用者も待たされることがなくなりました」

国立大学法人九州工業大学 林 豊洋 氏

大学概要と認識されていた課題

 九州工業大学は、北九州市戸畑区・飯塚市・若松区にキャンパスを持つ国立大学法人です。従来は各キャンパスにPBXを設置し、約1,100回線の電話網を維持してきました。

 一方で、PBXは導入から15年ほどの運用期間を想定した設計となっており、定期的な更新は避けられませんでした。戸畑キャンパスでは2007年に導入されたPBXがすでに耐用年数を超過しており、本来は早急な更新が必要な状態でした。しかし、PBXの更新には大学の構内電話の規模に対応するだけで約4,500万円もの費用が必要で、さらに外線基本料金が年額約320万円、通話料が約330万円と、毎年の維持費も高額で経営上の大きな課題となっていたと言います。

「PBXの更新には数千万円規模の費用が必要で、さらに回線の基本料金や通話料など毎年の維持費も重なり、経営層としても“機能に対して高額な調達”だと感じていました。どうせお金をかけるなら、もっと投資効果のある仕組みに変える必要があると考えていました」(林氏)

 さらに、固定電話を前提とした構成は時代に合わなくなっていました。在宅勤務や出張など場所に依存しない働き方が求められる中、居室に設置された電話でしか発着信ができず、利便性が著しく制約されていました。特に、窓口業務においては1番号=1チャネルしか利用できず、通話中にほかの着信を受けられない問題が日常的に発生していました。

「リモートワークをしているときに電話が取れず、電話を取るためだけに出勤せざるを得ない状況が続いているなど、新しい働き方に全く対応できていませんでした。さらに期末や入試など、電話が集中する時期には誰かが通話中だと着信できず、窓口での対応に支障が出ていました」(林氏)

加えて、教職員の人事異動のたびに番号変更が発生し、関係者への周知が必須となっていました。こうした影響の大きさから、学内でも電話システムの改革が必要だという認識が高まっていったのです。

九州工業大学のキャンパス

導入経緯

 課題解決のため、大学ではすでに導入済みのMicrosoft 365 A5ライセンスの機能の中で利用されていなかった「Teams 電話」の活用を2022年から検討しました。
Teams 電話の導入にあたっては、既存電話網との接続方式を比較検討しました。その際、電話番号を直接クラウドに割り当てられ、0AB-J番号や050番号を柔軟に利用できる「クラウド直結の仕組み(ダイレクトコーリング)」に注目したそうです。

「方式選定では、既存の構内電話を延命する選択肢もありましたが、その場合PBXとTeamsの両方を管理する必要があり、管理負担が増えるだけでした。ダイレクトコーリング方式なら、クラウド側で番号を一元管理でき、最終的にPBXを全廃でき、大学全体として利便性向上とコスト削減を両立できる道筋が見えました。
ただ、我々が独力でやるには難易度が高いと感じたので、Microsoft 365 の管理に詳しい業者に相談をしました。その際、ソフトバンクの『UniTalk』が大学の要件を満たす最適な選択肢であることが分かり、入れ替えを検討することにしました」(林氏)

ただし課題もありました。

「約一年半をかけて、学内向けにTeams電話への移行方針に関する資料を公開したり、教授会等にて説明を行い、個別の意見に対してはQ&Aフォームを設けて問い合わせ対応を行うことに注力しました」(林氏)

「トップダウン案件でしたが、何度も説明を重ね納得をいただき、最終的に全体で“移行は避けられない”と共有できました」(黒崎氏)

導入の決め手

 導入の決め手となったのは、PBXを廃止できる将来像と必要な機能を全て満たした点でした。

「当時、必要な機能が全てそろったサービスに対応していたのは『UniTalk』だけでした。具体的には、0AB-J番号や050番号の利用、既存のNTT番号をそのまま使える同番移行、複数チャネルでの同時通話、さらに定額制の国内通話といった要件をまとめて満たしていたのです」(林氏)

導入効果

 導入後の効果は、番号設計の柔軟性・窓口対応の改善・コスト削減の3点で明確に表れました。

 まず、職域や利用形態に応じて050番号や0AB-J番号を使い分けることが可能になりました。教育職員には希望者のみに050番号を付与、技術職員や事務職員には全員付与とし、窓口には0AB-J番号を割り当てました。
 さらに窓口向けには、営業時間外の自動応答、同時鳴動、発信者番号の上書きを組み合わせた仕組みを構築し、対応の利便性を大幅に改善しました。

「従来の窓口は1番号1チャネルしかなく、通話中は新しい電話に出られず、繁忙期には“話中でつながらない”問題が頻発していました。UniTalkでは1番号あたり6チャネル同時利用が可能になり、今では同時着信にも対応でき、時間外は自動応答に切り替わります。事務職員の負担は大きく減り、利用者にとっても待たされない環境になりました。また、在宅や外出先でも学内番号で電話を受けられるのは非常に便利です」(林氏)

 また、通話料が固定化される0AB-J番号は国内通話が定額制のため、コスト予測が容易になりました。

「これまで組織変更や席替えのたびにPBX設定変更を外注し、1件あたり数万円かかっていました。Teams 電話では不要になり、運用の柔軟性が格段に向上しました」(黒崎氏)

 結果として、維持費全体で約15%の削減を実現し、同時に学内外からの通話環境を大幅に改善しました。PBXに縛られないクラウド環境だからこそ実現できた成果だと語ります。

今後の展望

 九州工業大学では、Teams 電話への移行を完了し、完全なクラウド電話体制を実現しました。これにより学内に設置されていたPBXは全廃され、運用コストの削減と利便性の両立が進んでいます。

「UniTalkとTeams を組み合わせた今回の移行は、単なる電話の置き換えではなく、学内コミュニケーションそのものを変える取り組みでした。クラウドサービスを基盤にすることで教育・研究・事務の全てを支える土台となり、今後は学生支援や地域連携にも広げていきたいと考えています。また、アンケートや統計を活用して効果を定量化し、さらなる改善につなげたいと思います」(林氏)

 この取り組みは研究会でも発表され、他大学からも大きな関心が寄せられたと言います。
今後も改善を重ねることで、学内の働き方だけでなく、教育・研究、そして地域連携を支える新しいコミュニケーションのかたちへと発展していくことが期待されます。

お話をうかがった方

国立大学法人九州工業大学
情報統括本部情報基盤センター 准教授
林 豊洋 氏

国立大学法人九州工業大学
情報統括本部情報基盤課 副課長
黒崎 覚 氏 

本事例での導入サービス

UniTalk

「Microsoft Teams」のユーザーがオフィスや外出先からPCやタブレット、スマートフォンを使って固定電話番号の発着信ができます。フリーアドレスのオフィスにもテレワークにも便利です。固定電話機の設置や電話回線の引き込み工事が不要になり、運用管理の負担を軽減します。。

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