東北大学と北海道大学の地殻変動モニタリングに協力し、独自基準点のGNSS観測データを提供~全国3,300カ所以上に設置しているソフトバンクの独自基準点が、 大地震の震源像の把握などの防災・減災に貢献するインフラとして評価~
2022年2月10日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、東北大学大学院理学研究科と北海道大学大学院理学研究院が共同で実施した地殻変動モニタリングの研究に協力し、 高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」で利用している独自基準点のGNSS※1観測データを提供しました。
この研究の結果、ソフトバンクが全国3,300カ所以上に設置している独自基準点のGNSS観測データを活用することで、 これまでよりも高い空間分解能※2かつ十分な精度で地殻変動の様子を把握できることが実証されました。 これにより、ソフトバンクの独自基準点が、大きな地震の震源像の把握や内陸の活断層における地震発生の長期評価の高度化など、 防災・減災に対して大きく貢献し得るものであり、国土地理院の電子基準点を補完する重要なインフラとして評価されました。
今後もソフトバンクは、防災・減災に向けた取り組みの一環で、東北大学や北海道大学に協力し、 地殻変動モニタリングの研究を深めていくとともに、独自基準点のGNSS観測データを他の研究機関などにも提供することで、 これまでにない活用方法を検討し、社会や人々の課題解決に貢献していきます。
独自基準点のGNSS観測データを活用した地殻変動モニタリングの背景
地震や火山活動に伴う地殻変動を高い精度で把握することは、現象の理解のみならず、地震や火山活動の発生予測を実現する上で非常に重要です。 日本の研究機関においては、国土地理院が運用している全国約1,300カ所の電子基準点のGNSS観測データを活用し、高い精度で地殻変動場※3が調査されています。
ソフトバンクは、GNSSの信号を利用したRTK測位※4により高精度な測位が可能なサービス「ichimill」を2019年11月から提供しており、 GNSSの信号を受信する固定局として全国3,300カ所以上に独自基準点を設置して、運用を行っています。
このたび、東北大学大学院理学研究科と北海道大学大学院理学研究院の共同研究により、ソフトバンクの独自基準点を地殻変動などの地球科学に応用するため、GNSS観測データの精度の検証が行われました。
東北大学大学院理学研究科と北海道大学大学院理学研究院による研究内容の詳細は、東北大学のプレスリリースをご覧ください。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/02/press20220210-02-gnss.html
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- ※1 GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、QZSS(準天頂衛星システム)やGPS、GLONASS、Galileoなどの衛星測位システムの総称。
- ※2 空間分解能とは、地殻変動を検出する空間方向の能力のこと。
- ※3 地殻変動場とは、ある地点や領域の地殻(地面)がどの方向にどの程度動いているかを示したもの。GNSSを用いることで、日ごとやそれよりも短い時間間隔で変動を調べることができる。
- ※4 RTK(Real Time Kinematic)測位とは、固定局と移動局の二つの受信機を利用し、リアルタイムに2点間で情報をやりとりすることで、高精度な測位を可能にする手法のこと。
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以上