「プロ野球の試合が見たいけど、テレビがない!」というときに使いたいサービスといえば「一球速報」。スマホなどでプロ野球のドキドキをこっそり?味わえるので助かりますよね。でも「試合のリアルタイム配信ってどうやっているの?」と思ったことはありませんか?
そこで今回、HKT48の村川緋杏さんと植木南央さんが、ヤフーが運営するスポーツナビ(通称スポナビ)の一球速報を配信しているデータスタジアム株式会社へ。どのように配信しているのか調査してきていただきました。
お話を伺ったデータスタジアムの皆さん
白木さん
阿美さん
岡田さん
まずは基本的な情報から調査開始!
今日はよろしくお願いします。一球速報を担当されているということは、皆さん野球がお好きなんですか?
そうですね。昔、野球もやっていました。
僕も高校まで野球をやっていました。
僕はバレーボールでした(笑)。でも野球は大好きです!
一球速報の作業をされる人って何名いるんですか?
プロ野球は試合数が多いので、配信作業をするメンバーは全部で数十名います。でも基本的に1試合2人体制です。スポナビの一球速報は通常版と超速報版があって、それぞれ1名ずつですね。
えっ、1人だけ?
もちろん、いざというときは交代できますよ。ただ、情報を配信するための重要な判断は人間がしているので、基準がぶれないように1人でやっているんです。
わっ、大変そう…。
ずっと集中して試合を見ながら入力作業をするので、やっぱり目が疲れますね。ちなみにトイレに行けるのは、5回終了後のグラウンド整備のときだけです。
野球自体は好きなのですが、配信担当者としては試合がスムーズに進むとうれしいんですよね。
昔、グラウンドに鳥が乱入してきたことがあって1時間半くらい試合が中断したことがあります。球団の職員が鳥を追い払う様子をひたすら実況して、そのときはさすがに泣きそうになりました。
一人前の担当者になるにはどれくらい時間がかかるんですか?
自社で開発した入力用ツールも充実しているので、1カ月半~2カ月くらいですかね。
あれ、意外と短い。
あくまでツールの使い方を覚えて、速報をギリギリこなせるレベルでそれくらい。熟練の担当者になるには年単位の時間が必要です。
もはや職人の世界? 緻密な配信作業の核心に迫る!
一球速報って球速と球種がすぐ出ますよね? あれって、どうやっているんですか?
球速は球場にあるスピードガンで計測された数値がテレビに表示されるのでそれを入力して、球種は自分の目で見て判断します。
えっ、機械じゃないの? 一瞬だと判断できなくないですか?
できます。
ある程度は予想していますからね。
予想? どういうことですか?
まず、ツールを使って事前にデータを確認しておきます。試合に出る投手の持ち球、投げる割合などのデータが全部見られるようになっているんです。それからキャッチャーのミットを構えた位置も球種の推測に役立ちますね。上級者になると、ピッチャーのボールの握り方で予想できたりもします。
すごい、というか何だか怖いです…。
球種って一球速報を見ている人にとっても注目の情報なので間違えられません。だから予想しつつ自分の目で確認しているんです。
でも、じっくり確認してたら、他の作業ができないんじゃないですか?
入力時間を短くするために球種はボタンにしていて、確認したらポチっと押すだけになっています。ちなみに一球ごとに配信する情報はこれくらいあります。
- 投球コース
- 投球結果(ストライク、ボール、打ったかなど)
- 球速
- 球種
- 打った場合は打球の飛び先と結果
- ランナー全体の動き
全部はできないと思いますっ!
できます。まずボールを投げた直後に球速と球種を入れておいて、打ったときは画面に目を戻すとちょうどボールの飛び先を確認できるタイミングになるので、その他の情報を入力する感じですね。
阿美さん、淡々と話していますけど、神レベルですね…。でも、たまには「今の球種って何?」ってなったりすることもあるんですよね?
まあ、たまにメンバー同士で意見が割れることはあります。
なんだか、ちょっとホッとしました。
無茶ぶり企画:ビデオを見ながら一球速報に挑戦!
投げた! 結果はボール。球種はストレートですね?
カーブです。
カーブ…。あ、もう次の球を投げ終わってる。早すぎ…
はい、投げた! ファウル! 球速は131km/h、球種はえっと…
スプリットです。
スプリット、これですね。ポチッ、間に合った~♪
一球にかける想いや、裏話も聞いてみました!
素朴なギモンなんですけど、ご自身の好きなチームってないんですか?
プロ野球が好きでやっているので当然ありますね。
ちょっとだけ、ひいきしちゃいませんか?
速報については全試合、完全中立です。好きなチームの配信をする場合、個人的な感情はありますけど全て封印。この点は徹底しています。
そうは言っても込み上げてくる感情はあるので、好きなチーム3割、相手チーム7割くらいを意識して補足情報などを配信すると、ちょうど半々くらいのバランスになりますね。
最後にお仕事で心がけていることを教えてください!
最近は球場で試合を観戦しながら一球速報を利用している方も増えているのですが、やっぱり原点はテレビを見られない方に向けたサービスなので、臨場感を出すように心がけています。
どういうプレーだったのか想像してもらえるように、結果だけでなく補足情報を配信することも大切です。例えば「バットが折れました」とか「監督がマウンドに行きます」とか、良く使うキーワードは事前に用意していてタイムリーに出せるようにしています。
試合中や試合後にキーワードの整理をしたりすると、速報の質を上げることにつながるんです。
あと、「こういう情報も速報に入れたらもっと面白くなるよね」と担当者同士で意見交換もしますよね。
するする。
今でも十分すごいです!
今日、お話を聞いて「どうやっているだろう?」と思っていた疑問がスッキリしました。ありがとうございました!
レギュラーシリーズ終盤戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズとこれから熱い試合が続くプロ野球。プロ野球ファンの皆さんは「スポナビプロ野球速報」もうまく使って、大切な試合を見逃せないようにしてくださいね♪
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取材協力:データスタジアム株式会社
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(掲載日:2018年9月28日)
文:ソフトバンクニュース編集部