7月18日、19日に開催されたビジネスイベント「SoftBank World 2019」。2日目の基調講演に代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮内謙が登壇しました。代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 今井康之による特別講演の内容と併せてご紹介します。
「5G」「IoT」「AI」がすべての産業を再定義していく
宮内は注目すべきテクノロジーとして「5G」「IoT」「AI」の3つを挙げ、今後これらがキーとなり、全産業を再定義していくことになると述べました。そして、企業は成長戦略と構造改革を両輪で進めていくことが大切としたうえで、テクノロジーを活用した徹底的なデジタル化を行うべきだと提言しました。
「5Gはまだ本格的に普及していないが、すでに世界ではAIを活用した産業の革新が起きている」と複数の事例を紹介し、既存の事業にデジタルデータやAIをかけ合わせることで、劇的な変化が生まれることを強調。「これまでは構造化されたデータが大切だったが、今後は5G、IoT、AIによって膨大な非構造化データにも意味が生まれ、人間の五感や感情といったものまでデータになっていく。デジタルデータで産業はもっと変わっていく」と聴講者に熱く語りかけました。
社会課題の解決や業務効率化に関するデータ活用事例を紹介
基調講演には「新たなDigital Platformerたち」として社内外のゲストスピーカーが登場。デジタルデータの活用事例や今後の展望について説明しました。
ゲストスピーカーの1人として登壇した代表取締役 副社長執行役員 兼 CTOの宮川潤一は、自身が社長 兼 CEOを務めるMONET Technologies株式会社の取り組みとして「MONETコンソーシアム」を紹介。自動運転社会に向けて参加団体と需要と供給を移動でつなぐ「目的型MaaS」の事業開発を行っていること、また解決すべき社会課題などについてプレゼンテーションを行いました。
デジタルトランスフォーメーション本部 本部長の河西慎太郎は、日本の社会課題の解決に取り組む同セクションの事業例として、高周波を活用した地すべり検知やそれを応用したトンネル・橋梁の変状検知といった減災関連のテクノロジーをアピール。
法人プロダクト&事業戦略本部 副本部長 兼 RPA推進室室長の上永吉聡志からは、4,000人分の業務を担うデジタルワーカー(RPA)創出プロジェクトの概要が説明され、大幅な時短や社員満足度の向上につながった事例が紹介されました。
多種多様なデジタル化の事例紹介後、宮内は再び「『成長戦略』も『構造改革』も徹底的なデジタル化によって実現される」と講演を総括。日本企業の決起を促す熱いメッセージで基調講演を締めくくりました。
2020年度中にソフトバンクが本社移転予定。竹芝のスマートビル・スマートシティについて特別講演
7月19日の午後には、代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 今井康之が特別講演を実施。ソフトバンクがデジタル化を推進するプラットフォームを整備し、他企業・他団体と共創して進めている事業の一例として「MaaS」「スマートビル」「スマートシティ」の3つを紹介しました。
スマートビルの事例として取り上げられたのは、ソフトバンクが2020年度中に本社移転予定の竹芝オフィス。このオフィスではテクノロジーの実験場として「顔認証や3Dセンサーのデータを活用したエレベーターの効率的な運用」や「センチメートル級の測位データを活用したドローンによる配送」といった最先端テクノロジーがフル投入されることなどが発表されました。
竹芝を最先端のスマートシティへ
最先端の取り組みはオフィスビルだけはなく、浜松町駅から竹芝ふ頭をつなぐ再開発エリア全域に及びます。ソフトバンクは東急不動産株式会社と「スマートシティ」の実現に向けて共創。気象情報や店舗の混雑情報、交通機関の運行情報など幅広く街の情報を収集し、飲食店のレコメンド、セキュリティ対策などにリアルタイムで活用するという構想も発表されました。
こうした取り組みをバックアップする存在として、7月17日にソフトバンクが資本・業務提携することを発表したVANTIQを紹介。データのリアルタイム活用に強みを持つ同社が加わることで、よりユーザーフレンドリーなサービスや情報提供ができるだろうと強い期待をのぞかせました。
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(掲載日:2019年7月22日)
文:ライトアップ