日本が世界に誇る文化の一つが、“おもてなし”の精神です。そこで、ソフトバンクニュースでは、東京で体験できるさまざまなおもてなしをフィーチャー。今回は、日本文化に興味津々の外国人留学生2名に、“和のおもてなし”を世界へ発信する日本旅館「星のや東京」で、外国人の目線から、さまざまなおもてなしを体験してもらいました!
おもてなしの目次
- 【迎】早速「Wow!」が止まらない。非日常空間へいざなう玄関
- 【休】リビングルームのようにくつろげる「お茶の間ラウンジ」でほっと一息
- 【楽】茶の湯や温泉など、伝統をモダンに楽しむ
- 【食】食べるエンターテインメント。日本料理×フレンチの革新的ディナー
- 【完】外国人のハートに一番響いたおもてなしは、意外にも◯◯だった…!
「おもてなし」の意味をおさらい
“心を込めてお客さまを接待する”という意味の「もてなす」という言葉の丁寧な言い回しで、茶の湯文化の中から生まれた精神だといわれています。また、「表なし(おもてなし)」という語源もあり、“裏表のない心からの歓迎の気持ちで、お客さまに接する”という意味が込められているのだとか。
今回の登場人物
Rene(レネー)さん
ドイツ出身。日本滞在歴3年。都内の大学へ通っている。ワインが大好きだが、日本酒にも興味がある。1年前に熱海へ行ったのが初めての日本旅館体験。
Glenys(グレニス)さん
アメリカ出身。日本滞在歴2年半。都内の大学で国際政治学を学んでいる。夏目漱石や村上春樹など日本の文学が大好き。一度だけ長野県の温泉旅館に行ったことがある。
今回おもてなしを体験する旅館:星のや東京
星野リゾートが全国に展開する、「圧倒的非日常感」を追求した日本旅館。伝統的な和のしきたりを生かしつつ、現代の旅行者に適したサービスを提供する新しい日本旅館として、東京のど真ん中・大手町から“和のおもてなし”を国内外へ発信している。
- 住所:東京都千代田区大手町一丁目9番1
- 予約電話:0570-073-066(星のや総合予約)
- URL:http://hoshinoya.com/
案内してくれたのは、岡田さん
今回2人に「星のや東京」を案内してくれるスタッフ。お客さまのニーズを知るために、普段から館内で客室清掃や接客などさまざまな業務を行っている。
【迎】早速「Wow!」が止まらない。非日常空間へいざなう玄関
「星のや東京」に到着したレネーとグレニス。早速、入り口の大きな扉を抜けると、そこには息を呑むほど美しい玄関が! ふんわりと漂う白檀(びゃくだん)の香りに、天井まで続く竹細工の靴箱、そして、和服姿で正座をして、2人を迎えるスタッフ。思わず「Wow…!」と感嘆の声を漏らした2人は、岡田さんに促されるまま、靴を脱いで畳に上がります。
あれ、スリッパはないのですか?
はい。畳の感触を楽しんでいただきたいので、館内では履物をあえてご用意しておりません。靴下または裸足のままお上がりくださいませ。
なるほど!
足元からイグサの香りと畳の感触が伝わってくる
Wow…! 畳はとても気持ちが良くて、香りもいいですね。
星のや東京では、靴を脱ぐ行為を“現実から非現実の世界へ切り替える儀式”のようなものだと考えているんです。この玄関から先は、どうぞ非日常の時間をお楽しみくださいませ。
さっきまでオフィス街にいたのがウソみたい。ワクワクしてきました!
タクシー配車アプリ「DiDi」を使って、目的地までスムーズに移動!
今回、目的地である星のや東京までタクシーを使ってやって来たレネーとグレニス。しかし、観光庁が行った「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」の結果によると、「タクシーをつかまえるのに時間がかかった」との回答が多く、日本でのタクシー利用に苦労する外国人が少なくないようです…。
そんな外国人観光客にオススメなのが、タクシー配車アプリ「DiDi」。多言語対応なので、旅行先でもアプリを使って簡単にタクシーを配車。行き先もアプリで事前に伝えられるため、目的地までスムーズに到着することができます。
【休】リビングルームのようにくつろげる「お茶の間ラウンジ」でほっと一息。「星のや東京」が大切にする、“和のおもてなし”とは?
館内に入り、2人が最初に案内されたのは、各客室フロアに設けられたセミプライベートスペース「お茶の間ラウンジ」。まずはここで、スタッフが淹れるお茶と季節の和菓子を楽しみながら、チェックインを行います。
万古焼の美しい急須で丁寧にお茶を淹れながら、茶葉の種類やおいしい淹れ方をレクチャーしてくれる岡田さん。部屋にはお茶のいい香りが広がり、なんとも心地よい時間が流れます。
お茶に精通したスタッフが目の前で淹れてくれたウーロン茶は、静岡県産の「香駿(こうしゅん)」
花のようなすごくいい香りですね。このラウンジ、最高だからずっといたくなっちゃうなぁ。
季節・時間帯に合わせた飲み物や四季折々のお菓子が置いてあり、24時間いつでも自由に利用可能。朝には、おむすびとお味噌汁が用意されるので、ここで軽めの朝食を取ることもできます。
また、“ゲストには日本の佳いものに触れてほしい”という思いから、各地の工芸品や作家ものの食器がさりげなくセレクトされているのも、すてきなポイントです。
「星のや東京」が大切にする“和のおもてなし”とは?
おいしいお茶とお菓子に癒された2人。一息ついたところで、「星のや東京」が大切にしている“和のおもてなし”について聞いてみました。
お茶とお菓子、とてもおいしかったです。ところで、星のや東京は一体どのような“おもてなし”を心がけているのですか?
「星のや」のコンセプトは“現代を休む日”です。例えば、お客さまには時を忘れてくつろいでいただきたいので、館内に時計はありません。その代わりに、時間帯に合わせて照明を調整したり、お茶の間ラウンジのお菓子を変えたりすることで、時間の移り変わりを感じていただけるようにしています。
五感で時を感じられるんですね。すてき!
そういえば、ここは東京のど真ん中なのに、とっても静かですね。
静けさや香りも外との対比をつけるため、とても大切にしています。あとは、国内外のお客さまに、より日本の文化を楽しんでいただけるよう、建物のデザインやインテリアに江戸小紋を採用したり、歳時記に合わせた装飾や食べ物、茶の湯などのアクティビティを用意したりもしていますね。
取材を行った2月後半には、至るところにひな祭り(上巳の節句)を意識した飾り付けが
【楽】伝統をモダンに楽しむ。茶の湯や温泉など、日本をもっと好きになる・日本文化体験を満喫
続いて客室へと案内された2人。
部屋のインテリアはまさに和モダンの極み。畳に合うように低めに作られた家具や、障子に浮かび上がる格子の麻の葉くずしの模様など、和の様式と現代的なスタイルがセンス良くミックスされています。
低めの家具、とってもgoodですね! この家具が学校にあったらタイヘン。リラックスしすぎて眠くなっちゃう…。
キモノデザイナー・斉藤上太郎氏がデザインした着物は、動きやすく、着付けも簡単。羽織、草履型のサンダルを借りることもできるので、着物のまま、粋に東京散策もできちゃいます!

希望をすれば、スタッフが部屋で着付けをサポート。イケてる帯の結び方を教えてもらえるかも!
この着物、とってもcomfortableね!
キモノを着ると日本の心を感じるなぁ。グレニス、後でこれを着て街へ出かけようぜ!
「Japan2Go!」を使って、お気に入りのキャラと写真をパシャリ!
客室で「Japan2Go!」を使って付近の観光スポットをチェック。ARを使えば、すてきな滞在着姿で、お気に入りのキャラクターと写真を撮ることもできますよ! 全国に設置された「FREE Wi-Fi PASSPORT」の無料Wi-Fi環境に接続できる機能も搭載されています。
ビル街を臨む都会の茶室で、本格的な茶の湯体験
着物でばっちりキメた2人は、ロビーにある畳ステージへ。ここでは1日に1回、茶の湯の体験をすることができます。お茶会が行われている窓の外には大手町のビル街が見えて、なんとも不思議なギャップ。
初めての茶の湯体験に緊張気味のレネー
お点前を披露してくれるのは、武者小路千家で茶道を学んだスタッフ。茶の湯の作法やストーリーを話しながら、丁寧な所作でお茶を点ててくれます。
スタッフ「お茶を飲むときは3回に分けて、最後は音を立てながら飲み干してください」
え! 音を立てるのですか?
スタッフ「はい。ズズズッと音を立てることは、主人に飲み終わったことを知らせる合図であるとともに、「飲み切るほどおいしかった」というメッセージでもあるんですよ」
そうなんですか! ドイツでは音を立てることは失礼なことになります。文化の違い、とってもオモシロイですね!
体験後には、オリジナルのお茶碗と小さな茶筅のセットをお土産に渡してくれるという太っ腹なサービスもありますよ。
- ※
「茶の湯」料金:¥8,000/1名(税・サービス料別)
東京・大手町の中心で、至福の温泉タイム。そこには意外な飲み物が…!?
茶の湯体験を満喫した2人は、ちょっと早めのバスタイムへ。「星のや東京」には、地下1,500mから湧き出る天然温泉があります。黄金色のお湯は塩分を豊富に含むので体がポカポカに。
さらに、夜は吹き抜けの露天風呂から星空を眺めることもできます。
もちろんお風呂上がりは冷えたコーヒー牛乳でクールダウン。
コーヒーミルク大好き! やっぱり、お風呂あがりはこれだよ。(グビグビ)
夕食前に一献。「SAKEラウンジ」で季節の日本酒と伝統曲芸を楽しむ
「SAKEラウンジ」では、季節に合わせた数種類の日本酒とおつまみを自由に楽しむことができます。スタッフから英語で説明を受けながら2人も好きなものをチョイス。
日本酒の飲み比べを楽しんでいると、畳ステージで伝統曲芸「江戸太神楽」が開演。傘の上で湯呑や枡を回す「傘回し」に2人は大盛りあがりです。日本酒を味わいながら曲芸を見るなんて、まるで江戸時代のお代官様のような贅沢!
ワンダフル! こんなパフォーマンスは初めて見たよ。日本酒も愛知県のものがリフレッシングですごくおいしかった。飲みすぎちゃったかも。
イベント終盤、チャレンジャーに選ばれて曲芸に挑戦するレネー
【食】食べるエンターテインメント。日本の食材×フレンチの技法の革新的ディナーに舌鼓
隣の席と目が合わないよう綿密にデザインされた空間の中で、極上の料理を楽しむ
曲芸を楽しんだ後は、いよいよディナー。洞窟のような通路を歩いていくと、ダイニングのテーブル席に到着。ここでは、料理長・浜田統之氏がフレンチの技法を織り交ぜて創り出す、全く新しい食体験をすることができます。
まず運ばれてきたのは、Nipponキュイジーヌの代表作「五つの意思」。丸い大理石の上に一口サイズのアペタイザーが載った芸術的な一皿で、しばらく眺めていたいほどビューティフル。5つはそれぞれ、酸味・塩味・苦味・辛味・甘味という異なる味わいと、前菜からデザートまでのコース5皿を表現しているというから驚き。

グレニス「…おいしい! 2つ目は、中からスープが出てきてびっくり」
レネー「順番に食べるとだんだん味わいが強くなっていくのもおもしろいね!」
…おいしい! 2つ目は、中からスープが出てきてびっくり
順番に食べるとだんだん味わいが強くなっていくのもおもしろいね!
メインの魚料理は鰆(さわら)の燻製。スタッフが蓋を開けると、湯気と柚子の香りが立ち上るというサプライズ付きです。黄色い球体の中に入っている春菊と卵黄のソースと金柑のパウダー、後がけのジュ・ド・ヴォライユ(鶏のソース)をつけて食べると、さまざまな味わいが口の中に広がります。
アメリカではフレンチをよく食べていたけれど、今夜の料理は味もサーブの仕方もとっても斬新。これはフード・エンターテインメントね!
- ※
メニューは季節によって内容が異なります。詳しくは「星のや」公式ウェブサイトをご確認ください。
【完】外国人のハートに一番響いたおもてなしは、意外にも◯◯だった…!
おなかも心も満たされて大満足の2人
これにて「星のや東京」体験は終了。盛りだくさんの内容に2人も大興奮だったようです。最後に、本日の感想を2人に聞いてみました。
今日1日、星のや東京でおもてなしを受けてみての感想は?
Very good! 本当にファンタスティックな1日でした。“おもてなし”という言葉には前から良いイメージを持っていたけれど、今日、それが更にすばらしいものなんだとわかりました。星のや東京では、日本文化がシンプルに楽しめるように工夫されていて、外国人でも楽しく理解できるようになっていたと思います。特に「茶の湯」は一つひとつの所作がすごく丁寧で繊細で、それだけ大事にゲストをもてなしたいんだという気持ちを感じましたね
私は“空間のおもてなし”に感動しました。東京ってストレスフルな騒がしい街だけど、この旅館の中では外の空気を一切感じなかった。まるで東京じゃないみたい! 最近、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」という本を読んだのですが、その中で彼は「照明の暗さが、心地よさを感じさせる日本の特徴的なデザインだ」と語っていました。
星のや東京でも、暗めの照明と静けさが温かい空間を作っていて、まさに「これだったのね!」って思った。アメリカでは明るさやにぎやかさを大事にするから、これはとても日本的な考え方だと思います。
今日は、自分の両親をここに連れてこれたらよかったのになぁって考えていました。だってそうすれば、日本がどんなにすてきな場所かをすぐにシェアすることができる!
本日、一番感動したおもてなしは?
一番感動したのは、「お茶の間ラウンジ」でお茶を淹れてもらった時間だったな。
私も! あの時間に一番“おもてなし”を感じました。スタッフの岡田さんとの会話がすっごく楽しかった。
その他にも、星のや東京には楽しいアクティビティが盛りだくさん。詳しくは公式ウェブサイトをご確認ください。
「FREE Wi-Fi PASSPORT」で、どこでも簡単に無料でWi-Fiを使っちゃおう!
「FREE Wi-Fi PASSPORT」は、専用の電話番号に電話してパスワードを取得後、ソフトバンクWi-Fiスポットエリア内でログインして利用できる無料のWi-Fiサービス。これなら、専用のアプリをダウンロードする手間もなく、訪日直後からすぐに利用いただけます!
ゆったりとした時の流れの中で極上のおもてなしを受ければ、四季の美しさ、伝統のすばらしさなど、日本人でも日本の良さを改めて感じることができるはず。皆さんも、都会のど真ん中にある星のや東京で、日頃の忙しさを忘れて、日本文化の魅力を再確認してみてはいかがでしょうか?
(掲載日:2020年3月16日)
文:井上麻子
編集:エクスライト
撮影:山野一真