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“超”再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

2020年2月にできた、国内最大規模の3Dホログラム撮影スタジオ「xRスタジオ」で、アイドルグループ「=LOVE」のAR撮影が行われました。

4Kカメラや2Kカメラを搭載したAR撮影用のキャプチャーステージや、撮影データを高速で処理するレンダリングファームを備えることで、これまで不可能だった等身大の高品質な3Dホログラムを即日生成できちゃうんです。今回は、撮影の裏側と併せてレポートします。

  • 3Dホログラムデータを生成するためのコンピュータのようなもの。レンダリングサーバとも。
指原莉乃による新しいアイドルProject「=LOVE」

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

代々木アニメーション学院バックアップのもと、指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ。2017年9月6日、ソニーミュージックより1stシングル「=LOVE」メジャーデビュー。「=LOVE(イコールラブ)」という名前には、「アイドルとはファンに愛されなければいけない。そしてアイドルという仕事も自分が愛さなければいけない。」という指原莉乃の想いが詰まっている。

今回の登場人物

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

大谷 映美里(おおたに・えみり)
東京都出身。指原莉乃がプロデュースする、アイドルグループ「=LOVE」のメンバー。2017年4月29日、オーディションに合格。2017年8月5日「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」にて初お披露目。

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

齊藤 なぎさ(さいとう・なぎさ)
神奈川県出身。指原莉乃がプロデュースする、アイドルグループ「=LOVE」のメンバー。2017年4月29日、オーディションに合格。2017年8月5日「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」にて初お披露目。

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ 勝本 淳之(かつもと・あつし)
xR技術の専門知識を有していて、「xRスタジオ」全般の技術を取りまとめているプロフェッショナル。リアライズ・モバイル・コミュニケーションズは、ソフトバンクのグループ会社でもあります。

  • 「VR」「AR」「MR」などの総称
特別公開! 3Dホログラム撮影スタジオ「xRスタジオ」

2Kカメラ(1920 ✕ 1200)を30台設置した2Kスタジオと、4Kカメラ(4112 ✕ 3008)を30台設置した4Kスタジオから成る3Dホログラム撮影スタジオ。短尺で大量生産に向いたカジュアルコンテンツから、長尺のリッチコンテンツまで、幅広いコンテンツを制作するための環境になっています。

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まずは、2Kカメラを搭載したキャプチャーステージで撮影。

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5m(高さ) ✕ 5m(幅) ✕ 5m(奥行き)の一面グリーンバックで囲まれたスペースを360度取り囲む形で、いたるところに設置されているカメラの台数は、なんと30台! レンズの前にあるグリーンのボードのようなものは、撮影時に余計な色味(カメラの黒など)が入らないないようにするためのものだそう。

勝本さん

「複数カメラと複数アングルで、同時撮影した映像を自動合成することで、3Dホログラム映像の生成を行います」

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4Kスタジオの可動範囲は、2.2m(高さ) ✕ 3m(幅) ✕ 3m(奥行き)

被写体には、2m(高さ) ✕ 1.5m(幅) ✕ 1.5m(奥行き)の可動範囲の中で動いてもらいます。2Kスタジオは、コンパクトでPCの処理の負荷が少ないようにこの可動範囲ですが、4Kスタジオでは、可動範囲が広く、動きのある3D生成が可能です。

3Dホログラム映像の生成までの制作プロセス

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  1. 動画撮影:30台のカメラで動画撮影を行い、レコーディングサーバに映像データを格納
  2. レンダリング:2次元の映像データを三角測量の原理を用いて結合処理を行い、立体的な3次元のCG映像データを生成
  3. プレイバック:生成したCG映像データを適切なフォーマット用で再生
映像データを3次元に変換する測量方法「三角測量」の原理

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2つの角度がわかれば、三角形が確定し、距離がわかる

位置と距離のわかる2点間から測定したい点の角度を測定することで、その点の位置を決定する、数学の「三平方の定理」および幾何学を用いた測量方法のこと。

「=LOVE」 大谷さんと齊藤さんがAR撮影チャレンジ! どんな3Dホログラムができあがるのか

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

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「はい! じゃあ、いきますよー。Ready Go!!!!!」

 

!!!!!

 

「xRスタジオ」の裏側①:スタジオの中は孤独

被写体は、スタジオの中では一人だけになるため、動き出しのタイミングがわからないので、ディレクターがGO出しするそうです。

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スタジオの外では、30台のカメラからリアルタイムで流れてくる撮影中の映像データを、ディレクターがモニターで確認。必要に応じて動きの指示を出します。なので、スタジオ内では孤独なパフォーマンスが繰り広げられることに。

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「周りがグリーンだらけだったので入った瞬間ビックリしました。あと、中では一人なのでちょっと寂しかった(笑)」

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「指定されたエリアの中で踊ったので、いつもと違って新鮮で楽しかったです!」

実際に撮影した動画

大谷映美里の新曲CAMEOダンス

齊藤なぎさ「大好きだよ」

「xRスタジオ」の裏側②:こんなものはNGです!

微細な動きを撮影・データ生成するため、色々と撮影できないものがあります。以下は一例。

  • 緑色のもの:被写体を抽出するときに、消えるか変色する可能性があるため
  • 反射するもの:イヤリングやネックレスなどは、消えるか反射する可能性があるため避ける
  • 細いもの:欠損する可能性があるため
  • 薄く平坦なもの:情報量が少なく欠損する可能性があるため、うちわや薄いツバの帽子などは避ける

 

各カメラが撮影した映像をレンダリングして、3Dホログラム映像ができあがります。

生成された3Dコンテンツは、グリグリ動かしてあらゆる角度の見え方を確認しながら、その場で修正。その後、ARコンテンツの書き出しを行います。

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「最近のテクノロジーってすごい! 自分がアンドロイドみたいになるんですね」

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「一瞬で自分がキャラクターみたいになって面白い!」

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「従来のレンダリングサーバだと、コンテンツ生成まで数週間必要でした。しかし『xRスタジオ』のレンダリングサーバは、その数十倍のスペックを持っているため、即日で生成できます。大量の情報をスピーディーに処理するアルゴリズムと、ユーザーが閲覧できるようにコンテンツを軽量化する圧縮技術が実現できるんです」

従来のCG技術との違い

 

既存

xRスタジオ

情報の捉え方

面で捉える

点で捉える

メリット

ゲームのキャラクターなど、撮影しなくても素材の生成が可能。加工がしやすい

リアリティある表情の変化など、微細な表現が再現可能。近距離で見ても違和感がない

デメリット

近距離で見たときに独特の違和感がある

専用スタジオなどの撮影環境が必要。加工がしづらい

「xRスタジオ」の裏側③:物体を点(ドット)で捉える!?

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従来のCGを面で構成する手法とは異なり、「xRスタジオ」は、縦・横・奥行きが各1.2mmの点(ドット。正式名:「ボクセル」)の集合体で構成されているため、より微細な表現が可能になり、人間味のあるCGを生成することが可能。従来と比較して、より人間や自然物などの有機物を再現するために向いています。

超再現性の高い3Dホログラムデータを作れる「xRスタジオ」潜入レポート。AR撮影の裏側をちょっとだけ見せちゃいます

「実は、このスタジオではもっとリッチなものが作れるんですが、ユーザのスマホは4G対応が多いため、今は短尺のカジュアルなコンテンツを作成しているんです。将来的には、双方向の通信を活用して、目の前に立体映像のホログラムが立っているような、よりリアルさが体感ができるテレコミュニケーションをやりたいですね。現実的には、数年後に片方向通信を活用して、自宅で立体ホログラムによる音楽LIVEが鑑賞できるようになると思います」

完成したARコンテンツは、「AR SQUARE」でチェックしてくださいね!

AR SQUARE マニュアル「アイドル、キャラクターが場所を問わずスマホ超しに出現」

(掲載日:2020年4月30日)
文:ソフトバンクニュース編集部
監修:リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ

「AR SQUARE」で究極の体験を楽しもう!

AR SQUARE

アイドルやキャラクターなどを、拡大・縮小・回転して自由に鑑賞したり、スマホのカメラを通して、好きなアイドルやキャラクターを出現させ、現実の背景や人物と一緒に写真や動画を撮影したりすることができます。撮影した写真や動画をSNSに投稿することも!

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