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怖がりすぎず、できることをきちんとやる。専門家が伝えたい、外出時のウイルス感染対策

自分に合ったウイルス対策、できていますか? 専門家が伝えたい、外出時の感染予防ルール

新型コロナウイルス対策として、手にウイルスを付着させないことは基本中の基本。しかし、外出先では、あらゆる場所でウイルスに触れてしまうリスクが潜んでいます。エレベーターのボタンやエスカレーターの手すりなどの共有部分は、接触を避けたくても避けきれないことも。

そこで今回は感染症対策コンサルタントの堀成美さんと一緒に、外出先で注意するべきことや、ウイルス付着の可能性が高いポイントをイチからチェック。さらに最近街に広がり始めている、水循環型手洗いスタンド「WOSH」を体験し、効果的な手洗いの方法やその重要性を改めて教えてもらいました。

目次

堀 成美(ほり・なるみ)さん

堀 成美(ほり・なるみ)さん

フリーの感染症対策コンサルタント。看護師・感染症実地疫学専門家。東京都看護協会 新型コロナ対策プロジェクト会議アドバイザー。東京都港区感染症専門アドバイザー。監修した著書に『今日からできる! 暮らしの感染対策バイブル( 主婦の友社)』がある。

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どうしても外出しないと…そんなときは「自分に合った」感染対策を見つけよう

外出は避けたいけれど、仕事や買い物などやむを得ない事情で出かける場合があるのも事実。そんなとき、ただただ「感染するかもしれない」と心配するのは精神的負担にもなることも。気をつけるべきポイントを知っていれば、リスクと不安を軽減できるはずです。そこで堀さんに、外出先で気をつけるべき感染防止ポイントと、心構えを教えてもらいました。

どうしても外出しないと…そんなときは「自分に合った」感染対策を見つけよう

堀さんは感染症対策コンサルタントとして企業や団体、学校などに指導をされているそうですが、感染対策で大切なことってなんですか?

「まずは、やれることをきっちりやることですね。そして、自分に合った対策を立てること。どうしても他県に移動しなくてはいけない人もいれば、三密が避けられない環境に置かれている人もいますから、感染症対策には万人に当てはまる答えがありません。でも完璧な対策ができないからといって、何もしないのもダメ。各自が自分たちの環境でできる対策を考えて、それを確実にやることが大切です」

自分に合った感染症対策は、どうやって見つければいいんですか?

「自分が何を不安に思っているかを明確にすることです。指導先でお話を聞いていて思うのが、漠然とした不安を持っている方が多いということ。その漠然とした不安の正体は何なのか、自分の生活の中のどこに感染リスクがありそうかを明確にすれば、対策が立てられます。例えば人混みが多い場所が不安だったら、早朝などできるだけ人が少ない時間に買い物したり、ネットスーパーを活用するとか。そうやって不安要素を取り除くことで、精神的な負荷も軽減できますよ」

どうしても外出しないと…そんなときは「自分に合った」感染対策を見つけよう

たしかに、ちまたで言われている感染対策を全部実行するのは不可能ですよね。どうしても人の多い時間帯に買い物をするしかなかったり、オフィスビルに出勤しなければならない方はどう対策すればいいのでしょうか?

「わかっておいてほしいのは、オフィスビルや商業施設自体に行くこと自体が危険なわけではないということです。マスクを外した状態での会話がNGなのは大前提として、いわゆる『接触感染』の場合、ウイルスが付着しているかもしれない場所を触った手から、目・鼻・口などの粘膜を通じて感染します。危険なのは、その手で自分の顔に触れることなんですね」

なるほど。あそこもここも触っちゃだめ!と神経質になりすぎる必要はないんですね。

「そうです。もし何かウイルスが付着している可能性があるものに触ったら、手洗いかアルコール消毒をすればいいんです。私はミニサイズの消毒ジェルを携帯していますよ」

なんだか感染対策のコツがわかったような気がします!

エスカレーターにタッチパネル。外出先でのウイルス付着、気をつけるべきポイントとは?

ここからは、オフィスビルを例に、外出先でウイルスが付着するリスクが高いポイントを堀さんに解説してもらいます。

外出先でのチェックポイント 目次

チェックポイント①:エントランス

チェックポイント①:エントランス

エントランスでもさっそく気をつけるポイントがあるんですか?

「ビルに入る前に言っておきたいのが、『体調不良の方はそもそも出社を避けて、自宅でお休みしましょう!』ということ。解熱剤を飲んで出勤なんてことはくれぐれもしないようにしてくださいね」

なるほど。オフィスに来ないということが一番の対策、ということですね。入口に消毒液がありますが、付けたほうがいいですよね?

「消毒はできるところでやっておきましょう。消毒液をつけるときは、一番汚れやすい指先を重点的にスリスリすることが大切です。片方の手の平に指を乗せて回して……こういう感じです」

チェックポイント①:エントランス

チェックポイント②:エスカレーターの手すり/エレベーターのボタン

チェックポイント②:エスカレーターの手すり/エレベーターのボタン

エスカレーターの手すりはやっぱり触らないほうがいいですよね?

「もちろん安全性が最優先ですが、触らないで乗れるならそれがベストです。……といっても気にしすぎることはなくて、触ったらその手で顔を触らないように工夫することが大事。あとで手洗いやアルコール消毒をすればOKです」

とにかく顔を触らないことが大切なんですね。

「そうです。私は公共のものを触るときは、必ず利き手と逆の手(反利き手)を使うようにしています。利き手はついつい顔を触れてしまう可能性が高いですから。エスカレーターのボタンや券売機なども、私は常に反利き手で押しますよ」

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チェックポイント②:エスカレーターの手すり/エレベーターのボタン

チェックポイント②:エスカレーターの手すり/エレベーターのボタン
  • 右利きの場合

誰でもすぐできる、すごくいい対策ですね!

チェックポイント③:共有スペース

チェックポイント③:共有スペース

こういった共有スペースは、できるだけ使わないほうがいいのでしょうか?

「先ほどと同じで、テーブルや椅子などを使わないことよりも、触った手で顔を触らなための工夫が大切です。気になるなら除菌シートで拭いてもいいですが、絶対ではありません」

ベンチは間隔を空けて座るように、と案内が貼ってありますね。

「距離が離れているに越したことはないですが、それよりもこういうスペースではマスクなしで話さないことが重要です。実はオフィスビルでも、休憩室や喫煙室など、マスクを外してしまいがちな場面での感染(飛沫感染)の方が多いんですよ。当たり前ですが、食べたり飲んだりしながら話す際は、口にものを運ぶときだけマスクを外し、お話をするときはマスクを着けることを徹底してくださいね」

チェックポイント④:タッチパネルなどの案内板

チェックポイント④:タッチパネルなどの案内板

こういったデジタルサイネージや、銀行ATMなどのタッチパネルで気を付ける点はありますか?

「タッチパネルも同じで、まずは利き手で触らないこと。できるだけ触らないに越したことはないですが、銀行ATMなどは利用せざるを得ませんよね。これも同じく、触ったあとは顔を触らない工夫をすれば大丈夫です」

チェックポイント⑤:トイレ

トイレの感染リスクはどのようなところにあるんですか?

「コロナウイルスは大便からの感染もあるんです。トイレは手洗いができる良いチャンスでもあるので、しっかりと石けんで洗い流しておきましょう」

そうなんですか!

「そして一番大切なのは、水気をしっかりと拭き取ること。濡れていると雑菌が繁殖しやすくなります。ペーパータオルを手に押し付けながら、すべての水滴を吸い取ってあげてください。ペーパータオルは一枚使えば十分ですよ」

チェックポイント⑤:トイレ

外出先での感染対策ポイントまとめ
  • ①自分に合った対策を立て、それをちゃんと実行する
  • ②ウイルス付着の可能性があるものを触った手で、顔を触らない
  • ③触らざるを得ないときは、利き手と反対の手を使うなど工夫する
  • ④チャンスがあれば手洗い or アルコール消毒をする
  • ⑤手を洗ったあとは完全に水気を拭き取る

手洗いできるスポットは、感染予防の大チャンス!

感染予防に対する心構えや、外出先の要注意ポイントをひと通りレクチャーしていただいたところで、感染対策の基本の“き”である手洗いをライターが実践。水道がない場所でも設置できるという、水循環型手洗いスタンド「WOSH」を使いながら、堀さんに手洗いの大切さを聞いてみました。

「気付いた時に手洗い」を徹底して、外出先でもより安心を!

水循環型手洗いスタンド「WOSH」とは?
「WOSH」とは?

水道がなくても、電源さえあればどこにでも設置できる手洗いスタンド。手洗いだけでなく、深紫外線によるスマホ除菌も同時に行うことができ、コロナ禍において公衆衛生をアップデートする新たなインフラとして注目を浴びています。サステナビリティを意識したドラム缶型のスタイリッシュなデザインは、どんな場所にもフィット。

水を出すとシンクボウルの光のリングが30秒をカウントし、手洗い時間の目安になるなど、正しい手洗い方法も分かりやすく示唆できる設計になっています。

また、内蔵されているIoTセンサー、AI、3つのフィルターによる独自の水循環技術で98%以上の水を再生利用するため、水道設備が不要なのも特長。再生された水は99.9999%の純水で肌に優しいのもうれしいポイントです。

「WOSH」とは?

やっぱり手洗いって、とっても大切なんでしょうか?

「石けんで手洗いは最強です。ほとんどの雑菌を洗い流すことができます。もちろん手洗いができないときはアルコール消毒である程度代用できますし、ウェットティッシュなどで拭いてもいいですよ。ちなみに、手洗いした後にアルコール消毒は必要ありません。濡れている手にアルコールを吹き付けても意味がないんです」

除菌に効果的な手洗いのポイントはありますか?

「手を水で濡らしてハンドソープをとったら、まずは指先をしっかりと洗います。片方の手の平にもう片方の手の先を当てて、クルクルと回すように。アルコール消毒と同様、指先が一番汚れているので、ここの汚れをしっかりと落としましょう」

「気付いた時に手洗い」を徹底して、外出先でもより安心を!

「あとは手を重ねるようにしてこすり合わせ、指の間もしっかりと洗います]

「気付いた時に手洗い」を徹底して、外出先でもより安心を!

堀さんのレクチャーを受けながら「WOSH」で手を洗ってみると、なんだかとても手が綺麗になったような気が……。30秒間は意外と長いので、ボウルの外側の光るリングが時間を教えてくれるのはありがたいです。

正しい手洗いは30秒が目安と言われていますが、そこまでしっかり洗ったほうがいいのでしょうか?

「30秒もやれば十分なのではないでしょうか。何より重要なことは、指先を洗うことと、洗った後の手をハンカチやペーパータオルなどでしっかりと拭いて乾かすことです」

今まで適当に拭いてました……。ちなみにどれくらいの頻度で手洗いするべきですか?

「常に手洗いしてくださいとは言いません。どこかウイルスが付着していそうな場所を触った後や、食事の前、トイレの後に、洗えるスポットがあれば洗う程度でいいと思います。ビルのエントランスなどに『WOSH』のような手洗いスタンドがあると、手洗いのタイミングがつくりやすくなりますし、習慣付けができるので良いですよね」

「気付いた時に手洗い」を徹底して、外出先でもより安心を!

「スマホをきれいにできるのもいいですね。触る機会が多いものですし、洗ったきれいな手でまた触りますしね」

「スマホは便器よりも雑菌が多い」とよく言われていますよね。やっぱり意識して除菌したほうがいいのでしょうか?

「こちらも、WOSHのようなマシンがあればやっておく、という考えでいいと思います。あまり神経質になりすぎずに、ウイルスが付いた手で顔を触らないこと、気付いたら手洗いすることで無理なくリスクを回避していきましょう」

堀さん、ありがとうございました!

これまでは人の多い場所へ出かけることに正直不安に思うことがありましたが、堀さんのお話を聞いて、きちんと基本の感染症対策をしていればそんなに怖がることはないと実感。

「人と話すときはマスクをする」はもちろん、「公共のものに触ったら手洗い(難しいときはアルコール消毒)」「手洗いや消毒をしていない手で顔を触らない」という3大シンプル対策を徹底し、プラスアルファで自分のできることを実践できたらいいですね。

水循環型手洗いスタンド「WOSH」をさらに詳しく

水道設備は不要、手洗いだけでなくスマホの除菌もできる「WOSH」。すでに全国の商業施設や病院、学校、飲食店など、幅広い場所で活用されています。フィルターの交換時期など、機器の状態は内蔵されたソフトバンクのSIMによって遠隔でチェックできるため、誰でも簡単にメンテナンス可能なのも導入シーンが増えている理由の一つ。皆さんも外出先で見かけた際は、ぜひ一度体験してみてくださいね。

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(掲載日:2021年9月3日)
写真:山﨑悠次
文:井上麻子
編集:エクスライト