ウェブサイトやECサイトを開くとき、「閲覧するにはCookieの取得と同意をお願いします」という警告が表示されたことはありませんか?
Cookie(クッキー)は、訪問したウェブサイトの情報を一時的にパソコンやスマホに記録するのに利用されています。今回は、Cookieの意味やメリット・デメリット、スマホでの削除、有効にする方法を紹介します。
教えてくれた人
ソフトバンク株式会社 法人事業統括デジタルマーケティング本部 原 俊介(はら・しゅんすけ)
前職はインターネット広告代理店。現職では、ソフトバンク社内案件をはじめとするデジタルマーケティングの効果計測に関わる広告タグの設定・管理を担当。インターネットが好きです。
Cookie(クッキー)スッキリ解説の目次
ネットショッピングやSNSを快適に利用できるCookie(クッキー)とは
Cookieに保存されるのは、主にログインIDや閲覧履歴、訪問回数などの情報ですが、テキストファイルなのでファイルサイズはとても小さく、パソコンやスマホの空き容量を圧迫することはほとんどありません。
例えば、こんなときに役立つCookieのメリット
- SNS(TwitterやInstagramなど)に一度ログインすれば、時間が経ってもID・パスワードを入力せずにログインできる
- ネットショッピング中に商品をカートに入れてからウェブサイトを閉じても、再訪問時に商品がカートに入ったままになっている
- 自分の興味・関心に合ったインターネット広告が配信される。また、閲覧履歴などの情報を蓄積しないように広告媒体など申請(オプトアウト申請)することができる
「このように情報入力の手間が省けることでユーザーの利便性を高めたり、自身の興味関心に合った広告が表示されるなどのメリットがあります」
Cookieとキャッシュの違い
キャッシュという言葉を聞いたことはありますか? どちらも情報を保存するという点では同じですが、大きくは取り扱う情報の種類にあります。Cookieはユーザーの個別の情報を保存するのに対して、キャッシュは一度アクセスしたウェブページの情報をウェブブラウザに保存します。それにより、キャッシュを活用することでウェブページを高速で表示することができるんです。
2種類あるCookieの主な違いは発行元
- 1st party Cookie:実際に訪問したウェブサイトのドメインから発行される。ウェブサイトごとに独自で発行されているため、複数のウェブサイトの横断はできない。また、同じウェブサイトを再訪する場合でも、ブラウザや端末が違えば過去の情報の呼び出しは不可能。
- 3rd party Cookie:訪問したウェブサイトのドメインではなく、ウェブサイト上に掲載されている広告配信事業社のドメインなどから発行される。
知っておきたい、Cookieのデメリット
- 閲覧履歴やIPアドレスは、閲覧したウェブサイトや広告配信事業社などのCookieを発行した事業社にも保存されるため、不正利用/アクセスのリスクもある
- パソコンやスマホを紛失したときに他人がSNSを閲覧したり、ECサイトで商品を購入ができる
「ネットカフェなどの共有パソコンでCookieを残したまま離席したり端末が盗難されたりすることで、Cookieを利用して不正ログインされるリスクが発生します。『共有パソコンやスマホではCookieを許可しない』などのCookieの管理だけではなく、『2段階認証を行う』『プライバシーポリシーを確認する』といった対応を心がけましょう。また、パスワードが1つのサービスで流出してしまうと、他のサービスでも芋づる式に不正アクセスされてしまうことも……。パスワードを作成・管理するコツも確認しておきましょう」
約8割の人がパスワードを使い回している?
プライバシー保護を強化するための「ITP」
「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」とは、Webブラウザ「Safari」などに搭載されている、Cookieなどを使ったWebサイトのトラッキング※を制限する機能のこと。ユーザーのトラッキング※に対する不安な声を解消するために、閲覧しているウェブサイト以外の事業社が発行するCookieの利活用に制限をかけています。
- ※
トラッキング:特定の情報収集を目的に、人の行動やシステムの挙動、データの推移などを継続的に追跡すること
GDPR(EU一般データ保護規則)
個人データ保護やその取り扱いについて詳細に定められたEU域内の各国に適用される法令。Cookieの利用目的・利用期間を開示して、ユーザーから同意を得ることを義務付けられている。
【iPhone/Android別】スマホでCookieを削除・有効する方法
Cookieを削除する方法
① Safari(主にiPhone)の場合



- ホーム画面から「設定」を選択
- 「Safari」を選択
- 「履歴とWebサイトデータを消去」を選択→Cookieを削除
② Chrome (主に Android)の場合



- 「履歴」を選択
- 「閲覧履歴データを削除」を選択
- 「Cookieとサイトデータ」にチェックを入れて「データを削除」を選択 →Cookieを削除
Cookieを有効/無効にする方法
① iPhone の場合



- ホーム画面から「設定」を選択
- 「Safari」を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」項目の「すべてのCookieをブロック」をオフ→Cookieを無効にできる
② Android(Choromeアプリ)の場合



- 「履歴」を選択
- 「サイトの設定」を選択
- 「Cookie」を選択→「Cookie」のブロック範囲を選択→「Cookieを無効にできる
スマホやスマホを利用するうえで、Cookieが快適さと便利さを運んでくれるのは間違いないのですが、正しく使いましょう。
ソフトバンクの情報セキュリティポリシー
ソフトバンク株式会社は、情報漏えいリスクに対し抜本的、かつ高度な対策を講じることにより、お客さまをはじめ社会からの信頼を常に得られるよう、情報セキュリティポリシーを策定。さまざまな脅威から情報資産を保護し、かつ適正に取り扱うことにより、情報セキュリティの維持に努めます。
(掲載日:2021年10月20日)
文:ソフトバンクニュース編集部