自宅や外出先でスマホやパソコンを使うとき、Wi-Fiがあると便利ですよね。便利なWi-Fiですが、安心して使うためにはセキュリティー対策が欠かせません。なぜ、セキュリティー対策が必要なのかをソフトバンクの専門家が解説します。
目次
話を聞いた人
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所属は、ソフトバンク株式会社 デバイス技術本部 プロダクト企画統括部 Wi-Fi事業推進部
齋藤 優助(さいとう・ゆうすけ)
モバイル端末の開発・検証マネージャーを経て、現在はソフトバンクWi-Fiスポットサービスの事業運営を担当
小宮 行裕(こみや・ゆきひろ)
ソフトバンクWi-Fiスポットサービスのサービス企画および推進を担当
便利だけど……、安全性を気にしたことがない人や漠然とした不安を持つ人が多い
Wi-Fiに関する調査結果※によると、「自宅に設置しており、よく利用している」という回答が約89%となっています。自宅で利用するWi-Fiのセキュリティーについては、「知らない・わからない」という回答が約30%、不安はあるものの漠然とした不安を感じる人が約40%と、そもそもセキュリティーに関する情報を知らない人や具体的に何に気をつけたらいいのか、わからない人が多い傾向です。
自宅のWi-Fi利用についてどう思っている?
無線LAN利用時におけるセキュリティリスクの認知
自宅無線LANでのセキュリティ上の不安
外出先でのWi-Fi利用についてどう思っている?
駅、飲食店、ショッピングセンターなど公共の施設で利用できる無線LANは、「公衆無線LAN」「無線LANスポット」「Wi-Fiスポット」などと呼ばれます。
「公衆無線LANを知っており、利用している」は46.5%と、約半数の人が利用しているのに対し、偽アクセスポイント(情報の盗み見などを試みるために設置されたアクセスポイント)の存在を知らない人が6割にも及びます。
公衆無線LANの利用有無
偽アクセスポイント問題の認知状況
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総務省 令和2年度「無線LANのセキュリティ確保に関するガイドラインの策定検討等に関する調査研究の請負」事業を基に、ソフトバンクでグラフ作成
セキュリティー対策を気にしないでWi-Fiを利用したときに、何が起こる?
「Wi-Fiは無線で情報をやりとりしているため、データが盗み取られる可能性は十分にあります。便利だからといって、外出先で見つけた知らないWi-Fiに何気なくつなぐのは、最も避けたい行動です
外出先でWi-Fiを使ってオンラインショッピングするときなどに、クレジットカードの番号が盗み見されるのは十分ありえると思います。
同じ無線といっても携帯電話で通信する場合、契約している通信キャリアの基地局で携帯電話の認証をしているため、なりすましの第三者が接続することはまずありえません。一方、Wi-Fiのアクセスポイントは容易になりすましでの設置が可能なため、利用者側のセキュリティー対策が必要とされています」
なぜセキュリティー対策が必要なの?
- ●自宅の場合
電波が届く位置であれば、家の外からでもWi-Fiにつなぐことができます。Wi-Fiの設定方法によっては、家族以外の第三者に使われてしまうことも……。知らない誰かに勝手に接続されてしまうのは気持ちが悪いだけでなく、犯罪に使われる可能性もあります。
- ●外出先の場合
うっかり危険なWi-Fiに接続してしまうと、送受信したメールの内容、IDやパスワードなどの情報が盗み見されてしまう可能性があります。また、マルウェア(意図的にスマホやパソコンに不具合を起こす目的で作成された悪意のあるソフトウエア)などをダウンロードさせられてしまうこともあります。
自宅のWi-Fiルーターの設定は、ここに気をつけよう!
自宅のWi-Fiルーターを安全に使うためのチェックポイント
- ①パスワードを設定しているか、また、パスワードは類推されないものが設定されているか
- ②ファームウエアは最新になっているか、自動更新もおすすめ
- ③新しい暗号化方式を使っているか
「Wi-Fiルーター(無線LANルーターともいいます)を購入して自宅に設置して使っているけど、実は設定が初期設定のまま……、という方がいると思います。
まず、Wi-Fiルーターに接続するためのパスワードは必ず設定しましょう。あらかじめ初期パスワードが設定されていて、パスワードが無いと接続できないWi-Fiルーターもありますが、初期パスワードから類推されにくいパスワードへの変更も忘れずに行っておきたいですね。古いWi-Fiルーターだと、そもそもパスワードが設定できないタイプもありますので、パスワードが設定できるタイプに買い換えるのがおすすめです」
「『SSID』と呼ばれるWi-Fiのアクセスポイント名に自分の名前を付ける人もいるのですが、表札を出していなくても『ここは◯◯の家です』と名乗っているようなものです。
『SSID』に何を設定しているか、チェックしてみてください。なかには『SSID』が初期設定されている機種もあります。パスワードを類推されにくいように設定すればそのままの『SSID』を使っても問題ないと思います」
「Wi-Fiルーターには、ファームウエア(機能を制御するためのソフトウエア)が組み込まれていて、ファームウエアを更新することでセキュリティーを強化することができます。ファームウエアの更新設定がどうなっているか確認したことがない人、手動更新にしていて1度も更新したことがない人は、Wi-Fiルーターの管理画面で確認してみましょう。ファームウエアが自動で更新されるWi-Fiルーターもあります。
古い暗号化方式が使われていないかも大事なポイントです。情報の盗み見を防ぐためにWi-Fiルーターとデバイスの通信は暗号化されていますが、『WEP』という古い暗号化は情報が読み取りされやすいため、『WPA2』や『WPA3』に変更することをおすすめします」
- 暗号化方式についてはこちらで詳しく解説しています
Wi-Fiルーターの設定方法は、取扱説明書などに記載されています。メーカーのサポートサイトなどで確認するなど、しっかり点検して安全に使いましょう。
また、「新しいものを使えばOK!」ということではありません。Wi-Fiルーター側の通信速度が速くても、手持ちのスマホやパソコンがその速度に対応していないこともあります。購入前に規格をよく確認することが大切です。
外出先でのWi-Fi利用はここに気をつけよう!
外出先で安全にWi-Fiを使うためのチェックポイント
- ①知らないアクセスポイントにはつながない
- ②安全かどうかわからないときは、個人情報(ID・パスワードなど)の送信を行わない
ショッピングセンター、カフェ、駅、コンビニなど、さまざま場所でWi-Fiが利用できるようになっています。うっかり、危険なWi-Fiに接続してしまわないために、見分け方のポイントを紹介していきます。
「知らないアクセスポイントにはつながない」というのが大原則です。悪用目的で「なりすまし」のアクセスポイントを設置して、IDやパスワードなどの情報を盗み見しようとしている人がいるかもしれないからです。
知らないアクセスポイントに自動接続する設定になっていないかも確認しましょう。他にも、安全かどうか見分けがつかない場合は、IDやパスワードが必要なサイトの閲覧など、個人情報の盗み見につながる行動は避けておきましょう。
暗号化されているWi-Fiだとより安全に利用することができます。見分け方は簡単です。スマホやパソコンから接続可能なWi-Fiのアクセスポイントを表示すると、『鍵』のマークが付いています」
鍵マークのついたWi-Fiとは?
扇形の無線マークの隣に鍵のアイコンが表示されています。(お使いのスマートフォンやパソコンによって表示が異なります)
ソフトバンクが提供する公衆無線LAN「ソフトバンク Wi-Fiスポット」
カフェやレストラン、主要駅などの外出先で、無線の高速インターネットを利用できる公衆無線LANサービスです。このステッカーのあるお店や施設の中でご利用できます(「ソフトバンクWi-Fiスポットオプション」の契約者向けに提供)。
自動ログイン機能を提供しており、ご利用の通信機器と当社サーバー間は、SSLを用いた通信が行われています。ログインに必要な情報(ユーザーIDやパスワード)はSSLにより暗号化されているため安心です。
いかがでしたか? 自分は安全に使っているはず……、と思っていても、改めて点検すると、見直すところがあるかもしれませんね。チェックポイントをぜひ参考にしてみてください。
災害時に誰でも使える無料Wi-Fi 「00000JAPAN」
地震や台風、洪水などによる大規模災害が発生した際、ソフトバンクなどの通信各社が自社の公衆無線LANサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」の無料開放をすることがあります。
(掲載日:2022年5月31日)
文:ソフトバンクニュース編集部
Wi-Fiの基礎知識を確認してみましょう
WI-Fiってそもそも何? どうしてつながるの? 基礎知識と利用で注意すべきポイントをわかりやすく解説しています。