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なぜ似合う? 似合わない? 色の基本や配色のコツを知って、カラーコーディネートに自信を

自分の魅力を引き出す色の使い方を、カラーコーディネートのプロが解説

パーソナルカラー診断やカラーコーディネートなどが人気を集め、色の持つ力が注目されている昨今。その一方で、「自分に似合う色が分からない」「好きな色なのに似合わない」といった、色にまつわる悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、カラーコーディネーターの谷口美佳さんに、色のメカニズムをひも解きながら、自分に合った色選びの方法や、パーソナルカラーにあわせたコーディネートのコツなどを教えてもらいました。奥深い色の世界を知れば、毎日がもっと楽しく鮮やかになるはず!

目次

話を聞いた人

谷口美佳(たにぐち・みか)さん

谷口美佳(たにぐち・みか)さん

海外の大手ラグジュアリーブランドで勤務後、出産を機に独立。色彩理論に基づいた色や素材、メーク方法などをアドバイスするパーソナルコンサルティングが話題を呼び、テレビ出演や企業の研修・監修など幅広い分野で活躍中。著書に『今ある服でおしゃれに見せる「軸色」の法則(主婦の友社)』がある。

よく聞くパーソナルカラーって何? 今すぐ役立つ、自分に合った色の見つけ方

「イエベ」「ブルベ」などを代表に、さまざまなカラータイプの名前を耳にしますが、そもそもパーソナルカラーとはどんな色のことなのでしょうか?

谷口さん 「パーソナルカラーとは、自分自身が自然体できれいに見える色のこと。一般的に、色を円環状に並べた『色相環』のなかに2~3色は自分のベストカラーがあると言われています。最近は『イエベ(イエローベース)』『ブルベ(ブルーベース)』の大きく2タイプに分けて、自分に似合う色を見つける方法が主流ですね。

色相環は色彩理論に基づき、色を並べたもの。色同士の関係性を理解するのに役立ちます

色相環は色彩理論に基づき、色を並べたもの。色同士の関係性を理解するのに役立ちます

基本的に、色相環の上半分に似合う色が多い人がイエベ、下半分に似合う色が多い人がブルベです。ここでポイントになるのが、例えば『肌が黄色っぽいからイエベ』とは言い切れないこと。パーソナルカラーを知るためには、『肌の色』だけでなく、『目の色』や『毛髪の色』などが鍵になります。

例えば、瞳の色が黒から赤茶色で白目に黄みをあまり感じない人はブルベ、明るい茶色や黄みが強い人はイエベの可能性が高いです。髪やまつ毛、眉毛の色も、とても明るい茶色の人もいれば、真っ黒の人もいますよね。そういった要素はもちろん、もっと専門的になると肌の質感なども判断の基準になりますよ」

自分のパーソナルカラーを知りたい方は、ぜひ下のチェックリストを試してみてください!

すぐ分かる! パーソナルカラーチェックリスト
    • ①瞳の色はどっち?

      A:ブラウン~黄みブラウン
      B:ブラック~赤みブラウン

    • ②髪色はどっちが似合う?

      A:イエローブラウン系
      B:赤みブラウン系

    • ③肌なじみのいいアクセサリーの色は?

      A:ゴールド、べっ甲、ブラウン系
      B:シルバー、プラチナ、ブラック、グレー系

    • Aが多かった人→イエローベース
      Bが多かった人→ブルーベース


いかがでしょうか? 他にも、自分に似合う口紅の色や普段身に着けているマスクやメガネの縁の色なども判断基準になるそうですよ。

色相環上で対にある色を混ぜると、くすんで見える

なぜイエベの人がブルー系、ブルベの人がイエロー系のものを身にまとうと、しっくりこなかったり、印象がぼやけてしまったりするのでしょうか? 先ほど色相環という言葉が出てきましたが、まずは改めて色に関する基礎知識を学んでみましょう。

色相

赤、青、緑のような色味の違いのこと。

色相

谷口さん 「絵の具をイメージしてみてください。色相環上で対にある色同士を混ぜるとグレーができあがります。イエベの人が黄色の対にある青っぽい服を着ると肌がくすんで見えてしまうことが多いのはそのためです。逆に、黄色っぽい色味の服を着ると、近い色だからなじみやすいんです」

色を構成する主な要素は他にもあります。

明度

色の明るさのこと。彩度の高い色に白を混ぜると明度が上がって明るくなり、黒を混ぜると明度が下がって暗くなる。

明るい色を「高明度」、暗い色を「低明度」、中間の明るさの色を「中明度」といいます

明るい色を「高明度」、暗い色を「低明度」、中間の明るさの色を「中明度」といいます

彩度

色の鮮やかさのこと。彩度が高いほど鮮やかな色に、低いほど曖昧な色になる。

高い彩度の色を「高彩度」、色味が薄く少ない色を「低彩度」、中間のくすんだ色を「中彩度」といいます

高い彩度の色を「高彩度」、色味が薄く少ない色を「低彩度」、中間のくすんだ色を「中彩度」といいます

谷口さん 「基本的にパーソナルカラーは生涯で変わることはありません。ただ、歳を重ねるとどうしても肌にくすみが出てきます。そういうときは、それまで似合っていた色の明度・彩度を、少しだけ中明度・中彩度に寄せるのがおススメです。若いときはやっぱりなんでも似合いますし、本来は着たい色を自由に楽しむのがいちばん。歳を重ねると似合う色が減るのではなく、『似合う色が分かりやすくなる』と考えて、上手に好きな色を取り入れていきましょう。

さらに、明度と彩度を組み合わせた色合いのことをトーン(色調)といいます。色相は違っても明度や彩度が近い色は、同じトーンの色といえます。

色相環上で対にある色を混ぜると、くすんで見える

守るべき “配色の黄金比” とは? 色使いがもっと上手になる配色のコツ

パーソナルカラー診断は自分に似合う基本の色を知って、選択肢を広げていくためのもの。「好きな色が似合わない色だった…」と落胆しなくても大丈夫! 谷口さんいわく、カラーコーディネートの黄金比「7:3の法則」を守れば、どんな色でもおしゃれに取り入れることができるそうです。

谷口さん 「『イエベだから』『ブルベだから』と、選択肢を狭めてしまうのはもったいない。自分の似合う色を知った上で、上手に好きな色を取り入れていきましょう。まず、イエベの人は『ベージュ・キャメル・カーキ』、ブルベの人は『ネイビー・グレー・赤みブラウン』が、似合いやすい基本のカラーになりますよ。

私はこれらの色を『軸色(ベースカラー)』と呼んでいます。この軸色をコーディネート全体の7割に使えば、あとの3割はどんな色を使ってもOKなんです。顔から離れているボトムやネイルにアクセントカラーを取り入れ、顔の周りやトップスには軸色を持ってくるようにするのがポイントですね」

これらの色でトップスと靴、バッグをそろえるとちょうど7割がベースカラーのコーディネートに。ボトムの色をその日の気分で選べば、自然と黄金比のスタイリングができるそう。

配色パターンをマスターして、色使いの上級者に!

さらにセンスを磨きたいなら、配色のパターンを学んでみましょう! これを知ればさらに色使いに奥行きが出せますよ。

① 初心者はまず「同一色相」と「類似色相」を取り入れてみよう

谷口さん 「『同一色相(どういつしきそう)』は色相環上の1色のみを使った配色のこと。『類似色相(るいじしきそう)』は色相環上で色相差が2~3の色を使った配色です。この2つは使うとまとまり感が出ます。誰でも似合いやすく、取り入れやすい配色ですよ。

同一色相。同じ24番の色でも、明度や彩度の違う色を取り入れるとまとまりがありつつ、こなれた印象に

同一色相。同じ色相でも明度や彩度の違う色(星マーク参照)を取り入れるとまとまりがありつつ、こなれた印象に

類似色相。隣り合う3色を使用すると、色の差が小さいのでまとまりが出やすい

類似色相。色相環上で色相差が2~3離れた色を使用すると、色の差が小さいのでまとまりが出やすい

② さらにセンスアップしたいなら「中差色相」と「対照色相」を意識してみて

谷口さん 「『中差色相(ちゅうさしきそう)』はベースカラーから4~7個離れた色を使う配色のこと。少し対照的な感じを出しつつも、調和させることができ、おしゃれな印象を与えてくれます。瞳のフチと白目の差が曖昧な人は、強くない色やふんわりとした中差色相の配色が似合います。

配色パターンをマスターして、色使いの上級者に!

ベースカラーから8~10個離れた色同士を組み合わせるのが『対照色相(たいしょうしきそう)』。コントラストが出てくるので、瞳のフチと白目の差がはっきりしている人によく似合います。上級者さんはベースカラーのリップをつけて、対照色相のワンピースを着るなど、7:3の黄金比を大胆に変えてみてもいいですね」

配色パターンをマスターして、色使いの上級者に!

光と人間の視覚によって、知覚される「色」ってそもそも何?

色は、光と人間の視覚によってできています。例えば、トマトが赤く見えるためには、まずトマトに当たって反射した光が目に入ってくる必要があります。光がなければ何も見えませんよね。次にその光が目の細胞から脳へ、信号として送られることで、やっと私たちは色を認識できているんですよ。

色で相手に与える印象をコントロールして、自己肯定感もアップ!

これまでの色の話はファッションやメークはもちろん、インテリアなど身の回り全般に生かすことができるそう。谷口さんによると、ソファやテーブルなどの大きな家具をはじめ、テーブルクロスなどのインテリア小物も、ベースカラーを軸に考えていくことで、「自分がすてきに見える空間」ができあがるといいます。

谷口さん 「私の場合、ベースカラーがベージュなので、空間全体はカーキ寄りのベージュでまとめ、対照色相であるネイビーをテーブルクロスに取り入れています。色の仕組みを知ると使えるアイテムの幅が増えるので、あれこれ組み合わせるのがとても楽しくなりますよ」

ご自身のベースカラーであるベージュでまとめたコーディネートがお似合いの谷口さん

ご自身のベースカラーであるベージュでまとめたコーディネートがお似合いの谷口さん

色の持つ心理的効果を使って、自分の印象をコントロール

谷口さん 「色にはさまざまな心理効果があります。例えば、ブルーやグリーンは清潔感のある印象を、ピンクやコーラルは優しい印象を与えてくれます。実際に、私たちの視覚情報の大部分は『色』によるものだともいわれています。自分が相手に見せたい印象を、色で表現することもできるんですよ」

シチュエーションごとにおススメの色はありますか?

谷口さん 「ビジネスシーンなどしっかり物事を進めてくれそうなイメージや落ち着いた印象を与えたいときは、ネイビーやグレーがおススメです。さらに清潔感を出したいなら、白やブルーもいいですね。デートなどでかわいらしく見せたいときはピンク、婚活シーンでは男女問わず、安心感や安定感を与えるグリーン系の差し色を使うといいですよ」

色の持つ心理的効果を使って、自分の印象をコントロール

他に自分に似合う色や、配色のコツを知ることのメリットはありますか?

谷口さん 「自分を魅力的に見せる色の使い方を知ることは、自己肯定感アップにもつながります。色の仕組みを理解し、自分に似合わない色に気づけたら、逆にその色を上手に取り入れる方法も見つけられますよ。自己満足でも構わないので、いろいろ試してみてほしいですね」

色の持つ心理的効果を使って、自分の印象をコントロール

色彩が私たちの心に及ぼす影響は想像以上に大きいもの。上手に色を使いこなせるようになれば、毎日のスタイリングやいつもいる空間がより楽しくなるはず! ぜひ本記事で紹介したテクニックを使って日々を彩ってみてはいかがでしょうか。

色鮮やかなハート型ワイヤレスイヤホン「HeartBuds」で、色を楽しみませんか?

色鮮やかなハート型ワイヤレスイヤホン「HeartBuds」で、色を楽しみませんか?

ハート型のフォルムが特徴のワイヤレスイヤホン「HeartBuds」は、レッド、ピンク、パープル、ブルーの4色があります。鮮やかなレッドを選べば華やかに、ニュアンスのあるピンクはシックでおしゃれな雰囲気に。パープルやブルーは柔らかくて軽やかな印象を与えられます。まずはこうした小物からカラーコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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(掲載日:2023年7月21日)
写真:山﨑 悠次
文:飯嶋 藍子
編集:エクスライト