パブリッククラウドのロードバランサ機能について比較をしてみた(Alibaba Cloud/ AWS / Azure / Google Cloud)

2022年6月24日掲載

キービジュアル

はじめに

システムの規模が大きくなっていくと、外部からのアクセスに対して適切に通信を振り分ける必要が出てきます。それを実現するのがロードバランサになります。
今回は以下、パブリッククラウドが提供しているロードバランサの機能差について見ていきたいと思います。

  • Alibaba Cloud ( Alibaba)
  • Amazon Web Services ( AWS )
  • Microsoft Azure ( Azure )
  • Google Cloud Platform ( GC )

目次

ロードバランサとは??

負荷分散装置とも呼ばれ、サーバとインターネットの間に設置されることが多く、外部からのリクエストを複数のサーバに分散する仕組みがある装置です。

アクセス集中などでWebサーバにリクエストが増えた場合、リクエストを処理しきれずWebサーバの負荷が上がり、Webページへのアクセスが遅い、Webページにアクセスできないといった問題が発生し、サーバ自体がダウンしてしまう場合があります。
ここで問題を解決する装置がロードバランサです。

ロードバランサを導入することによって、インターネットアクセスをロードバランサのリスナー(バックエンドサーバ)にリクエストを分散させることが可能で、1つのWebサーバに対してリクエストが集中することを防ぎ、可用性を向上させます。

クラウドロードバランサを使うメリット

柔軟性、可用性、拡張性に優れており、シンプルかつ迅速に設定を行えて、利用ユーザがロードバランサの機器メンテナンスを行う必要がありません。
また、さまざまなリージョン(国)で利用することができて、日々さまざまな機能がリリースされ、すぐ新機能を利用することができます。

ロードバランサの一般的な機能の比較

記載されている情報は2022年5月時点のものとなりますので、各クラウドのロードバランサの最新情報に関しては、以下をご確認ください。

Cloud

Alibaba Cloud

AWS

Azure

Google Cloud

ロード
バランサ名

ALB

CLB

ALB

NLB

CLB

ALB

ALB

NLB

対応
プロトコル

HTTP
HTTPS
QUIC
TCP
UDP
HTTP
HTTPS
HTTP
HTTPS
gRPC
TCP
UDP
TLS
TCP
SSL
TLS
HTTP
HTTPS
TCP
UDP
HTTP
HTTPS
HTTP
HTTPS
SSL
TCP
UDP

課金方式

従量
課金

従量
課金

従量
課金

従量
課金

従量
課金

従量
課金

従量
課金

従量
課金

ヘルスチェック
機能(内容)

クロス
リージョン
での利用

×

×

×

×

※プレビュー

〇 


×

SLA

99.95%

99.95%

99.99%

99.99%

99.99%

99.99%

99.99%

99.99%

レイヤー

L7

L4

L7

L4

L4/L7

L4/L7

L7

L4

※クロスリージョンでの利用によって、複数のリージョンで迅速にフェイルオーバーが実施可能となります。
※レイヤーはL4とL7が提供されており、L4はトランスポート層(TCP/UDPなど)L7はアプリケーション層(HTTP/HTTPS)になります。
※SLAとはService Level Agreementの略でサービスを提供する事業者が契約者に対して、サービスを保証する契約のことを指します。ここでは各クラウド毎月可用性に対しての%を記載しています。

費用についての比較

課金方式は全クラウド起動時間に依存しますが、各種ロードバランサのコストの考え方は、1時間単位または1時間未満におけるロードバランサ自体の使用量と、ロードバランサのキャパシティユニット(LCU)の使用量の合算が基本になります。

Cloud

Alibaba Cloud

AWS

Azure

Google Cloud

ロード
バランサ

ALB

CLB

ALB

NLB

CLB

ALB

ALB

NLB

1時間
あたり
0.014USD

0.021USD

0.0243USD

0.0243USD

0.027USD

0.03USD0.038USD0.038USD
1ヵ月
あたり

11USD
約1,400円

16USD
約2,000円

18USD
約2,300円
18USD
約2,300円
20USD
約2,500円
22USD
約2750円
27USD
約3,500円
27USD
約3,500円
1年
あたり
125 USD
約16,000円
188 USD
約24,000円
212 USD
約27,000円
212 USD
約27,000円
236 USD
約30,000円
259 USD
約33,000円
324 USD
約41,000円
324 USD
約41,000円

価格、課金方法 (1ヵ月(31日)・1年使った場合の概算費用)
※東京リージョン、税別、1ヵ月あたり1GB(トラフィック量)の利用想定
※1USD=127円想定 

考察

比較表を見るとAlibaba Cloud > AWS > Azure > Google Cloudの順に課金額が安価であることが分かります。
厳密にいえば、各クラウド内で初期の設定ルールが異なるため全く同じ機能でこの価格差があるわけではないことを注意ください。
特にAlibaba Cloudは群を抜いており、特にアプリケーションロードバランサ(ALB)においては他クラウドと比較しても目に見えて差があることが分かります。

さいごに

比較したクラウドの課金方式はサブスクリプション型がなく、従量課金のみとなっております。基本的にどのクラウドもロードバランサの一般的な機能は利用が可能です。
また、今回ご紹介したパブリッククラウドのフルマネージドなロードバランサのサービスをご利用いただくことで、運用負荷をさらにおさえ、低コストで導入することが可能です。
なお、各パブリッククラウドごとの具体的な機能については、次回のBlogでご紹介させていただきます。

関連サービス

Amazon Web Services (AWS)

ソフトバンクはAWS アドバンストティアサービスパートナーです

「はじめてのAWS導入」から大規模なサービス基盤や基幹システムの構築まで、お客さまのご要望にあわせて最適なAWS環境の導入を支援します。

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームです。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどのリソースを、必要な時に必要な量だけ従量課金で利用することができます。

Google Cloud

Google サービスを支える、信頼性に富んだクラウドサービスです。お客さまのニーズにあわせて利用可能なコンピューティングサービスに始まり、データから価値を導き出す情報分析や、最先端の機械学習技術が搭載されています。

Alibaba Cloud

Alibaba Cloudは中国国内でのクラウド利用はもちろん、日本-中国間のネットワークの不安定さの解消、中国サイバーセキュリティ法への対策など、中国進出に際する課題を解消できるパブリッククラウドサービスです。

おすすめの記事

条件に該当するページがございません