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クラウドコンピューティングのストレージオプションについて、どのような選択肢があり、どういった違いがあるかをふまえて、選択時のポイントについてまとめてみました。
私たちの身の回りにある、デスクトップパソコンやノートブックパソコンでも、ほとんどのコンピュータにはデータを読み書きするための補助記憶装置として、HDD(ハードディスクドライブ)や SSD(ソリッドステートドライブ)などが内蔵されています。
クラウドコンピューティングにおいても、データを読み書きするための記憶領域として、ストレージサービスを利用します。
コンピューティング用のストレージは仮想マシンの作成と同じタイミングで、新規作成するか、すでに作成済みのものを利用できます。また、仮想マシンを作成したあとでも、ディスク容量を動的に拡張したり、新たなドライブ/ボリュームを追加したりできます。(一部制限あり)
仮想マシンのプロビジョニングではCPUやメモリのスペックに目を奪われがちになりますが、頻繁にデータを読み書きするアプリケーション(とくにデータベースなど)では、いかに高性能なCPUやメモリを使用しても、その先のデータの書き込みに時間がかかってしまえばそこがボトルネックとなり、全体の性能を低下させてしまいます。
今回はデータの読み書きを目的としたストレージオプションについて、以下のクラウドベンダごと(アルファベット順)にまとめてみました。
ちなみに、オブジェクトストレージという似たような名前のサービスもありますが、こちらはファイルの保管や共有が主な目的となるため、用途が異なります。
なお、クラウドコンピューティングの概要については、以下の関連記事を参考にしてみてください。
ストレージを3つの観点から分類してみます。
現在、主流となっている補助記憶装置は「HDD」と「SSD」の2種類があり、いずれも今回の記事の対象となります。
なお、参考までに「RAMディスク」についても記載しておきます。
⚠️ RAMディスクはストレージサービスのプロダクトではありません。
| 種類 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| HDD | 高速に回転する金属などの円盤上の磁気を読み書き |
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| SSD | 不揮発性メモリを電気的に読み書き |
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| RAMディスク | OS上でメモリを仮想的にディスクとして利用 |
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ストレージの使い方としては以下の3つが挙げられます。
今回の記事の対象は3つめの「データディスク」になります。
| 分類 | 説明 |
|---|---|
| 起動ディスク (ブートディスク、システムディスク、OSディスクなど) | オペレーティング システムのイメージ、起動情報などの保存用 |
| 一時ディスク (ページファイル、スワップなど) | アプリケーションやプロセスなど、短期間データの保存用 |
| データディスク | アプリケーションなど、ユーザーデータの保存用 |
仮想マシンとストレージを接続する方式には以下の2つがあります。
今回の記事の対象は「ネットワーク接続」方式である、「ブロックストレージ」になります。
⚠️ 接続可能なストレージプロダクトとその台数は仮想マシンのスペックに左右される場合があります。
| 接続方式 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| ネットワーク接続 |
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| 物理マシン直結 |
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| Alibaba Cloud | Amazon Web Services | Microsoft Azure | Google Cloud | |
|---|---|---|---|---|
| 名称 | クラウドディスク | Amazon EBS ( Amazon Elastic Block Storage ) | Azure Managed Disks
| Persistent Disk |
| 特徴 |
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それでは、ストレージのプロダクトについて、ベンダごとに特徴とユースケースについて見ていきます。
| 名称 | 種類 | 特徴 | ユースケース |
|---|---|---|---|
| Ultra ディスク | HDD |
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| 標準SSD | SSD |
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| Enhanced SSD | SSD |
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| 名称 | 種類 | 特徴 | ユースケース |
|---|---|---|---|
ColdHDD (sc1) | HDD |
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スループット最適化HDD (st1) | HDD |
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汎用SSD (gp2, gp3) | SSD |
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Provisioned IOPS (io1, io2, io2 Block Express) | SSD |
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| 名称 | 種類 | 特徴 | ユースケース |
|---|---|---|---|
Standard HDD | HDD |
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Standard SSD | SSD |
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Premium SSD | SSD |
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| Ultra ディスク | SSD |
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| 名称 | 種類 | 特徴 | ユースケース |
|---|---|---|---|
標準永続ディスク (pd-standard) | HDD |
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バランス永続ディスク (pd-balanced) | SSD |
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SSD永続ディスク (pd-ssd) | SSD |
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エクストリーム永続ディスク (pd-extreme) | SSD |
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バックアップの機能については、どのベンダも大差ありません。初回に完全なスナップショットを作成して、以降は必要に応じて増分スナップショットを作成していきます。
なお、ここで言及しているバックアップの対象はストレージであり、仮想マシンのバックアップではないことに注意してください。
⚠️ 作成されたスナップショットにはストレージ料金が発生します。
| Alibaba Cloud | Amazon Web Services | Microsoft Azure | Google Cloud | |
|---|---|---|---|---|
| 名称 | クラウドディスク | Amazon EBS | Azure Managed Disks | Persistent Disk |
| 既定のスナップショット先 | Alibaba Object Storage のバケット | Amazon S3のバケット | スタンダードマネージドディスク | Google Cloud Storage のバケット |
| スケジュール実行 | 自動スナップショットポリシー | Amazon データライフサイクルマネージャー | Azure ディスク バックアップ(プレビュー) | スナップショット スケジュール |
暗号化については大差なく、いずれもストレージ、スナップショットの暗号化が可能です。
アクセス制御もあまり差はありせんが、ベンダによってはストレージ用のロールが事前定義されている場合があります。
| Alibaba Cloud | Amazon Web Services | Microsoft Azure | Google Cloud | |
|---|---|---|---|---|
| 名称 | クラウドディスク | Amazon EBS | Azure Managed Disks | Persistent Disk |
| 暗号化に使用する鍵 |
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| アクセス制御 |
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料金の詳細については、シミュレーションも交えてパート3で紹介したいと思います。
| Alibaba Cloud | Amazon Web Services | Microsoft Azure | Google Cloud | |
|---|---|---|---|---|
| 名称 | クラウドディスク | Amazon EBS | Azure Managed Disks | Persistent Disk |
| 課金方法 |
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| 課金単位時間 |
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| 課金対象 |
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| ストレージの無料枠 | なし | 一部あり | なし | なし |
今回はストレージオプションの概要について、簡単に紹介しました。
ストレージのディスクタイプには2種類あり、HDDは性能よりコストを重視する場合、SSDはコストより性能を重視する場合のひとつの目安になると思います。
セキュリティ、バックアップについては、どのベンダも必要にして十分な機能を持っているようです。
次回は、各プロダクトについて、より詳細に違いを見ていきたいと思います。
Alibaba Cloudは中国国内でのクラウド利用はもちろん、日本-中国間のネットワークの不安定さの解消、中国サイバーセキュリティ法への対策など、中国進出に際する課題を解消できるパブリッククラウドサービスです。
ソフトバンクはAWS アドバンストティアサービスパートナーです
「はじめてのAWS導入」から大規模なサービス基盤や基幹システムの構築まで、お客さまのご要望にあわせて最適なAWS環境の導入を支援します。
Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームです。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどのリソースを、必要な時に必要な量だけ従量課金で利用することができます。
Google サービスを支える、信頼性に富んだクラウドサービスです。お客さまのニーズにあわせて利用可能なコンピューティングサービスに始まり、データから価値を導き出す情報分析や、最先端の機械学習技術が搭載されています。
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