ストレージオプションの選び方 容量・性能編 (Alibaba/AWS/Azure/Google)

2022年8月10日掲載

キービジュアル

クラウドコンピューティングのストレージオプションについて、どのような選択肢があり、どういった違いがあるかをふまえて、選択時のポイントについてまとめてみました。

目次

  • この記事ではクラウドコンピューティングでのストレージオプションについて説明しています。
  • これからコンピューティングをはじめてみようという方や、ストレージオプションは何を選んだらいいか迷っている方向けの記事です。
  • この記事を読むことによって、ストレージオプションの違いがわかり、目的に最適なストレージを選択するための手がかりになることを意図しています。

今回の内容

前回は、ストレージオプションの概要について、簡単に紹介しました。

今回は、各プロダクトのディスク容量と性能(IOPS、スループット)について、違いを見ていきたいと思います。

⚠️ 複数のストレージを束ねて、1つのストレージとして扱うことのできる、LVMやRAID構成についてはこの記事では割愛します。

ストレージオプションに関する関連記事もぜひご覧下さい。

ディスク容量

一般的に性能の高いストレージは大容量であるため、ディスク容量だけで選んでしまうと宝の持ち腐れになりかねません。また、ストレージのディスク容量に対する課金は使用量ではなく、確保(プロビジョニング)済みの容量になります。データの用途や利用頻度を考慮しつつ、経年後の容量を事前に見積もっておくことはコストの面からも大切です。

⚠️ プロビジョニング可能な最大容量は、仮想マシンのスペックに左右される場合があります。

⚠️ 仮想マシンに接続可能なストレージの台数は、仮想マシンのスペックに左右される場合があります。

HDDでの利用可能なディスク容量

HDDの利用可能な最大ディスク容量のレンジは、16384ギガバイトから65536ギガバイトまでとなっています。

SSDでの利用可能なディスク容量

SSDの利用可能な最大ディスク容量のレンジは、16,384ギガバイトから65,536ギガバイトまでとなっています。

HDDと比較してみると、同等もしくはそれ以上のディスク容量の選択肢が増えていますね。

性能 (IOPS)

IOPS(Input Output Per Second)とは、1秒あたりに読み書きができる回数を表したもので、値が大きいほど性能の高いストレージです。

IOPSの性能が高いストレージは、一般の道路に対する高速道路をイメージするといいかもしれません。高速道路の方がスピードを出せるので、より速く人や物を運べますね。

IOPSは仮想マシンのスペックやディスク容量に左右されます。グラフの値は最大ディスク容量の選択時に利用可能な値を示しています。

なお、一部のプロダクトではピーク時などに一時的に性能をあげることが可能な、バースト機能を利用できます。

⚠️ バースト機能は利用時の条件があり、別途課金も発生します。

HDDでの利用可能なIOPS

HDDの利用可能な最大IOPSのレンジは、192から15,000までとなっています。

バースト機能は、Amazon Web ServicesのColdHDDとスループット最適化HDDで利用可能です。

SSDでの利用可能なIOPS

SSDの利用可能な最大IOPSのレンジは、6,000から1,000,000までとなっています。

総じてHDDより大幅に高い値になっていますが、とりわけAlibaba CloudのEnhanced SSD PL3は突出していますね。

バースト機能は、Microsoft AzureのStandard SSDとPremium SSDで利用可能です。

性能 (スループット)

スループット(throughput)とは、一定の時間内にどれだけの量のデータを転送できるかを表したもので、値が大きいほど性能の高いストレージです。例えば、100MB/秒の場合は1秒間に100メガバイトのデータを転送できることを表しています。

スループット性能の高いストレージは、片側1車線の道路に対して、4車線の道路をイメージするといいかもしれません。車線がたくさんあれば、同じ時間内により多くの人や物を運べますね。

スループットは仮想マシンのスペックやディスク容量に左右されます。グラフの値は最大ディスク容量の選択時に利用可能な値を示しています。

一部のプロダクトでは、IOPSと同様にバースト機能が利用できます。

⚠️ バースト機能は利用時の条件があり、別途課金も発生します。

HDDでの利用可能なスループット

HDDの利用可能な最大スループットのレンジは、140MB/秒から1200MB/秒までとなっています。

バースト機能は、Amazon Web ServicesのColdHDDとスループット最適化HDDで利用可能です。

SSDでの利用可能なスループット

SSDの利用可能な最大スループットのレンジは、250MB/秒から4000MB/秒までとなっています。

HDDと比較してみると、同等もしくはそれ以上のスループットの選択肢が増えていますね。

バースト機能は、Amazon Web Servicesでは汎用SSD gp2、Microsoft AzureではStandard SSDとPremium SSDで利用可能です。

ここまでのまとめ & 次回は

今回は各プロダクトのディスク容量と性能(IOPS、スループット)について、簡単に紹介しました。

  • ディスク容量は、将来の利用状況を事前に見積もっておくことが大切です。
  • IOPSは、同じ時間に何回データを読み書きできるか、回数に着目した性能の判断材料になります。
  • スループットは、同じ時間にどれだけの量を読み書きできるか、データ量に着目した性能の判断材料になります。

次回は、各プロダクトの料金について、違いを見ていきたいと思います。

関連サービス

Alibaba Cloud

Alibaba Cloudは中国国内でのクラウド利用はもちろん、日本-中国間のネットワークの不安定さの解消、中国サイバーセキュリティ法への対策など、中国進出に際する課題を解消できるパブリッククラウドサービスです。

Amazon Web Services (AWS)

ソフトバンクはAWS アドバンストティアサービスパートナーです

「はじめてのAWS導入」から大規模なサービス基盤や基幹システムの構築まで、お客さまのご要望にあわせて最適なAWS環境の導入を支援します。

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームです。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどのリソースを、必要な時に必要な量だけ従量課金で利用することができます。

Google Cloud

Google サービスを支える、信頼性に富んだクラウドサービスです。お客さまのニーズにあわせて利用可能なコンピューティングサービスに始まり、データから価値を導き出す情報分析や、最先端の機械学習技術が搭載されています。

おすすめの記事

条件に該当するページがございません