新規事業のプラットフォームにAWSを採用する理由(SBイノベンチャーインタビュー)

2022年12月16日掲載

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Amazon Web Services(AWS)をはじめとしたパブリッククラウドサービスがスタートアップや大企業の新規事業開発プラットフォームとして採用される機会が増えています。

その中でも特に利用者の多い、AWSを利用するメリットについて「ソフトバンクイノベンチャー」の企画・運営を行うSBイノベンチャー株式会社の担当者に聞いてみました。

ソフトバンク株式会社 石井基章

志村 直樹氏
SBイノベンチャー株式会社
管理部

ソフトバンク株式会社 土屋馨

山中  一弘 氏
SBイノベンチャー株式会社
事業推進部

社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」

-SBイノベンチャーの事業概要について教えてください

山中氏「SBイノベンチャーではソフトバンクグループの社内起業制度『ソフトバンクイノベンチャー(SoftBank InnoVenture)』の運営を通じて、新規事業の創出や事業の成長支援を行っております。具体的には事業フェーズにあわせた活動を行っており、いわゆる‟ゼロイチ”の事業創造を行いソフトバンクイノベンチャーの審査に向けた支援を行う『Innoventure Lab』と、最終審査を通過したプロジェクトの事業成長、会社設立、資金調達等を支援する『Innventure Studio』の2つのプログラムを提供しています」 

SBイノベンチャー事業概要 SBイノベンチャー事業概要(Webサイトより)

山中氏「また、2022年度からはこれまで培ってきた新規事業創出のノウハウをさまざまな企業や団体にも提供する『Innoventure Xross』という育成プログラムの提供を開始しました」

Innoventure Xrossのサービス概要 Innoventure Xrossのサービス概要

-事業フェーズにあわせた支援を行うなかで、技術的な支援も積極的に行っているのですか?

山中氏「各プロジェクトには『ガイド役』としてSBイノベンチャーのメンバーがついており、プロダクト開発やUI/UX設計に関するサポートなどを行っています。私自身も『Scatch!』という配送サービスの立ち上げプロジェクトに関わっていたこともあるので、その時の経験などをもとにサービスの設計や運用についてのアドバイスを行うこともあります。

 ただし、ソフトバンクイノベンチャーでは事業化まで『自走できる』ことを重視しており、応募する際にもメンバー内でサービスの設計や構築が完結できることが必須条件になっています。基本的にはプロジェクト側ですべて内製で構築していますね」

 

-各サービスではどのようなクラウドサービスを利用しているのですか?

山中氏「クラウドサービスの選定も各プロジェクトに委ねています。用途によってさまざまなクラウドを利用しているようですが、全体的な傾向だとAWSの利用が多いと感じます。シェアが高いサービスですし、スタートアップがサービス開発をする際に必要な機能がひととおりそろっている印象です。

 ソフトバンクイノベンチャーの新規事業は限られた予算、期間の中でサービスを開発する必要がありますが、AWSのようなクラウドサービスは必要な時に必要な分だけリソースを利用できるので、コストパフォーマンスにも優れていますよね」

 

-新規事業のサービス開発にAWSを採用するメリットはありますか?

山中氏「AWSはサーバーだけでなく、PaaS関連のプロダクトのラインナップも豊富ですし、スタートアップを支援するサービスも充実しているので、利用しやすいプラットフォームだと思います。事業フェーズがシード期から、アーリー、ミドル、レイターと成長していく中でシステムに求められる要件も変わってきますが、スケールもしやすいのではないでしょうか。

 あとは、多くのAWSユーザーがQiitaなどのブログで技術情報を積極的に発信しているため、困ったときには検索すれば解決策がすぐに見つかることもよくありますよね。AWSはユーザーコミュニティも活発なので勉強会などでエンジニア同士が交流する機会も多いと思います」

 

「攻めと守りの両立」をどう乗り越えたか?

-新規事業ならではの悩みとかありますか?

志村氏「新規事業なのでスピード感や利便性など『攻め』の部分は重視していますが、サービスとして提供する以上、信頼性、安定性などの『守り』の部分も重要だと考えています。最近はB to C系のサービスも増えてきたため、個人情報の管理など内部統制の強化にも取り組んでおります。ただ、守りを意識しすぎてスピード感が落ちてしまうのは本末転倒なので、現場の負担が掛からないように管理部側が主導して全社横断的な仕組みを作っております」

 

-例えば、どのような仕組みを作ったのですか?

志村氏「一例をあげると、機密情報にアクセスするための専用システムを構築しました。当社はリモートワークが主流なのですが、社外からも安全にアクセスする仕組みとしてリモートアクセスソリューションの『Zscaler™プライベートアクセス(ZPA)』を2020年に導入しました。

 当社は専任の情報システム担当がいないので、システムの導入には不安もあったのですが、ソフトバンクのエンジニアがPoCの支援などをしてくれたので、スムーズに導入することができました」

(Zscaler™プライベートアクセスのイメージ図) ※SBイノベンチャーの構成図ではありません。 (Zscaler™プライベートアクセスのイメージ図) ※SBイノベンチャーの構成図ではありません。

志村氏「ZPAの認証インターフェースとして『ZPA APPコネクタ』というサービスを導入することにしたのですが、これはAmazon EC2上に構築することになりました。これも山中さんなどAWSの知見がある社内のメンバーがサポートしてくれたので、現在まで大きな問題もなく安定稼働しております」

 

-今後の展望などがあれば教えてください。

山中氏「先ほど紹介した『Innoventure Xross』など、ソフトバンク社内に留まらず、さまざまな企業や団体との共創を進めていきながらにスタートアップ業界を盛り上げていきたいと思ってます」

志村氏「今後もITだけでなく、さまざまな面で環境を整備し、起業を目指す社員のサポートを続けていきたいと思います」

 

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Amazon Web Services

ソフトバンクはAWS アドバンストティアサービスパートナーとして「はじめてのAWS導入」から大規模なサービス基盤や基幹システムの構築まで、お客さまのご要望にあわせて最適なAWS環境の導入を支援します。

Zscaler™プライベートアクセス

ソフトバンクが提供するクラウド型のリモートアクセスソリューションです。

従来のオンプレミス型のリモートアクセスと異なり、ゼロトラストセキュリティモデルに基づくSDP(Software Defined Perimeter)アーキテクチャにより、柔軟なアクセスポリシーの適用、セキュリティレベルの向上、シンプルかつ短納期の展開を可能とし、企業のリモートアクセス環境を大幅に向上します。

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MSP(Managed Service Provider)サービスは、お客さまのパブリッククラウドの導入から運用までをトータルでご提供するマネージドサービスです。

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