フォーム読み込み中
皆さんこんにちは。クラウドエンジニアのKangです。
この記事ではCentOS 7 からAlibaba Cloud Linux 3への移行方法を紹介します。
CentOS Linux (CentOS とも呼ばれます) のサポート終了 (EOL) が公式で発表されました。Alibaba Cloud ECSのCentOS パブリックイメージも同じ公式のCentOS Linux のイメージを利用しているため、以下の表の記載通り、Alibaba Cloud ECSのCentOSもサポート終了予定です。引き続きテクニカルサポートを受けるため、CentOSから別のLinux OSに移行することをお勧めします。
CentOS系のサポート終了時期
Version | End-of-update date | End-of-maintenance date |
CentOS Stream 9 | 2027-05-31 | 2027-05-31 |
CentOS Stream 8 | 2024-05-31 | 2024-05-31 |
CentOS 8 | 2021-12-31 | 2021-12-31 |
CentOS 7 | 2020-08-06 | 2024-06-30 |
CentOS 6 | 2017-05-10 | 2020-11-30 |
CentOS 5 | 2007-04-12 | 2017-03-31 |
・Alibaba Cloud Linux系のサポート終了時期
Version | End-of-support date |
Alibaba Cloud Linux 3 | 2031-04-30 |
Alibaba Cloud Linux 2 | 2024-03-31 |
Alibaba Cloud Linux 3のサポート終了は2031/4/30 となっておりますので、今回はCentOS 7から Alibaba Cloud Linux 3への移行する2つの方法を紹介したいと思います。
方法1はAlibaba Cloud ECSコンソールから対象ECSインスタンスのmigrate OS機能を利用することで、OSを移行すること(CentOS 7 => Alibaba Cloud Linux 3)を実現しています。
方法2はAlibaba Cloud社が提供するServer Migration Center(SMC)を利用し、移行元のサーバーにSMC clientをインストールすることで、マイグレーションタスクを作成してOSの移行を実現しています。
前提条件
・スナップショットサービスが有効化されていることが必要です。 スナップショットサービスをアクティブ化する方法を参照してください。
・移行する ECS インスタンスは、現在の Alibaba Cloud アカウントに属していることが必要です。
制限事項
・Anolis OS と Alibaba Cloud Linux は、i686 ベースのソフトウェア パッケージを提供しません。 CentOS オペレーティング システムに i386 または i686 ベースのソフトウェア パッケージが付属している場合、Anolis OS または Alibaba Cloud Linux に移行することはできません。
・カスタム イメージから作成されたインスタンスのオペレーティングシステムは移行できません。
・オペレーティングシステムの移行プロセス中は、O&M スクリプトを使用して手動または自動でインスタンスを停止、再起動、またはリリースしないでください。
Alibaba Cloud Linux は、Alibaba Cloud 社が提供する Linux ディストリビューションであり、 Red Hat Enterprise Linux (RHEL) および CentOS エコシステムと完全な互換性があります。また、Alibaba Cloud Linux はAlibaba Cloud プラットフォーム用の最適化が数多く含まれておりますので、Alibaba Cloud Linuxの利用を推奨しております。
現在Alibaba Cloud は、Alibaba Cloud Linux 用の無料サポートサービス(LTS) を提供しています。 パブリックイメージとしてAlibaba Cloud Linux 2 および Alibaba Cloud Linux 3 の2つのバージョンが提供されています。Alibaba Cloud Linuxの詳細については、公式ページを参照してください。
ECS OS Migration 機能(方法1)と後述するSMCによる移行方法(方法2)でサポートしている移行元と移行先のOSは以下の通りです。
※ Alibaba Cloud Linux 2 およびAlibaba Cloud Linux 3 は GUI をサポートしていませんので、CentOS 7 または CentOS 8 に GUI がある場合は、Anolis OS 7 または Anolis OS 8 に移行する必要があります。
今回は移行前と移行後、OS上のデータがそのまま移行できるかを検証するため、予め対象サーバーにWordPressをインストールしております。
また、こちらのECS OS migration機能(方法1)を利用するには、Alibaba Cloudコンソールからチケットを起票し、以下の2つの利用申請が必要です。
・Alibaba Cloud 新コンソールの利用申請
・ECS OS migration機能の利用申請
1.OSマイグレーションする前に、WordPressが動作していることを確認します。
2.Alibaba Cloud ECSコンソールにログインして、対象ECSインスタンスを停止します。
3.右側の操作列で、[Replace Operating System]をクリックします。
4.Replace Operating System画面で、[Migrate Operating System]を選択し、注意事項をチェックした上で、[Continue to Replace Operation Syst
5.Migrate Operating System画面で、[Alibaba Cloud Linux 3]を選択し、[Confirm]をクリックします。
6.マイグレーションタスクが送信され、ECSのステータスに[Replacing OS]が表示されていることを確認できます。
7.マイグレーションタスクが完了すると、ECSのOperating Systemが[Alibaba Cloud Linux 3]に変更されていることを確認できます。
8. OSマイグレーション後、WordPressも正常に動作していることを確認できます。
Server Migration Center (SMC) は、Alibaba Cloud によって開発されたサーバー移行プラットフォームです。 SMC を使用すると、複数のサーバーを Alibaba Cloud に一括で移行できます。 また自己管理型のデータ センター内のサーバー、仮想マシン (VM)、サードパーティのクラウドサーバーなどの移行もサポートしております。
Alibaba Cloud SMCを利用すると、具体的に次の利点があります。
・幅広い移行シナリオに適用されます。
SMC を使用すると、主流のサーバー(物理ホスト、VM、および他のクラウドプラッフォーム上のホスト)と多数のオペレーティングシステム(Windows 2003 以降、CentOS、Red Hat、Ubuntu、Debian、SUSE、openSUSE など)を移行できます。
・自動サーバー移行をサポートします。
SMCは自動化され管理なしでサーバーの移行をサポートしています。 移行の進行状況は、SMCコンソールまたはAPIを呼び出すことで確認できます。
・サーバーの自動復元を提供します。
SMC はサーバーの状態を自動的に検出し、異常があると移行前のサーバーに復元することができます。
1.OSを移行する前に、WordPressが動作していることを確認します。
2.移行元対象サーバにログインして、SMC Client toolをインストールします。
①以下のコマンドを入力し、SMC Client tool をダウンロードします。
wget https://p2v-tools.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/smc/Alibaba_Cloud_Migration_Tool.zip
②以下のコマンドを実行し、ダウンロードされたファイルを解凍します。
unzip Alibaba_Cloud_Migration_Tool.zip
unzip goaliyun_client2.6.6_linux_x86_64.zip
③以下のコマンドを実行し、実行権限を変更し、go2aliyun_clientを実行します。
cd go2aliyun_client_linux_x86_64
chmod +x go2aliyun_client
./go2aliyun_client
④Alibaba CloudアカウントのAccessKeyIDとAccessKeySecretを入力します。
※RAMアカウントのAccessKeyIDとAccessKeySecretを利用している場合、事前に
RAMアカウントにSMCの実行権限を付与する必要があります。
AccessKeyIDとAccessKeySecretの取得方法は、こちらのドキュメントをご参照ください。
⑤以下の画面が表示されれば、SMC Clientのインストールが完了です。
3.SMCコンソールにログインし、移行対象サーバーがSMC移行元リストに表示されていることを確認します。
4. 右側のAction列で、[Create Migration Job]をクリックする。
5. Create Migration Job画面で、[OS Migration]を選択、移行先のOSを選択します。(今回はAlibaba Cloud Linux 3を選択します。)
6. [Create]をクリックすると、移行タスクが作成されていることを確認できます。
7. 移行タスクが100%完了するまで待ちます。
※タスクの進捗75%になると、移行元のECSサーバーが自動的に停止されるので、サービス断は必ず発生する。(10分~15分程度)
8. ECSコンソールに戻って、対象サーバーのOperating Systemが[Alibaba Cloud Linux 3]に変更されていることを確認できます。
9. OSを移行後、WordPressも正常に動作していることを確認できます。
項目 | 方法1:ECSコンソールを利用する | 方法2:SMCコンソールを利用する |
メリット | ・SMC Client のインストール不要、ECSコンソールで簡単に操作可能 | ・移行タスクの進捗状況を確認できる |
デメリット | ・移行タスク進捗状況がECSコンソールに表示されない | ・SMC Client のインストールやAccessKeyID、AccessKeySecretなどの設定が必要 |
サービス断の有無 | 有り →OS交換機能はECS停止していることが前提条件となるため | 有り →SMC ClientによるOS移行開始時にはECS停止する必要はないものの、移行途中で(タスク進捗75%)必ずECSが自動停止されるため |
データの持ち越し | ・データをそのまま保留し、既存で動作していたソフトも移行後、そのまま動作できます。 | ・データをそのまま保留し、既存で動作していたソフトも移行後、そのまま動作できます。 |
料金 | 無料 ※ただ、OS移行中、いくつかのリソースが作成されるので、その分に関しては従量課金で料金が発生します。 | 無料 ※ただ、OS移行中、いくつかのリソースが作成されるので、その分に関しては従量課金で料金が発生します。 |
OS移行自体は無料ですが、OS移行中、下記の表の記載通り、いくつかのリソースが一時的に作成されるので、その分に関しては従量課金で料金が発生します。
課金項目 | 説明 | 課金方式 | 参考URL |
ECS instance (中継用) | 移行中、中継用インスタンスが一時的に作成されるので、その分で従量課金で料金が発生します。タスク完了後、中継用インスタンスが自動的に削除される | Pay-as-you-go | |
Cloud disk (中継用) | 移行中、ディスクを中継用インスタンスにattachする必要がありますので、一時的にディスク料金が発生する | Pay-as-you-go | |
Snapshot (中継用) | 中継インスタンス用の中継スナップショットが一時的に作成されるので、従量課金でスナップショット料金が発生 | Pay-as-you-go | |
Public bandwidth | インターネット上で移行する場合、移行元のECSから中継ECSまたは移行先のECSにデータが転送されるので、outbandトラフィックが発生する | Free | N/A |
Custom image | カスタムイメージが作成されるですが、無料です。 | Free | N/A |
サーバーの老朽化、複雑なO&M、遅いアップグレードとスケールアウト、高額なメンテナンスコストなどの問題を解決するために、オンプレミスのサーバーをクラウドに移行する企業が増えています。 ただし、サーバーの移行は、複雑な移行シナリオ、長い移行期間、ビジネスの中断、データ損失など、複数の課題に直面しています。
本章ではAlibaba Cloud ECSのOS migration 機能とAlibaba Cloud SMCを利用した2つのOS移行方法を紹介させて頂きました。
Alibaba Cloud ECSのOS migration 機能による移行方法は、AlibabaCloudコンソール上の操作だけで済むのでクラウド初心者の方にも簡単に実行できます。
Alibaba Cloud SMCの移行方法は事前に移行対象サーバーにログインし、SMC Client Toolのインストールや、AccessKeyIDとAccessKeySecretの設定が必要なので、少し手間が掛かります。
興味を持っている方はぜひお試しいただければ幸いです。
条件に該当するページがございません