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大手のクラウドで、以下のようなAI関連サービスをご存知でしょうか(ディープラーニングに限らず、機械学習も指して本記事内ではAIと表現します)。
AWSのSageMakerやGoogle CloudのVertex AIなどのサービス名を聞いたことがあるという方もいるかもしれません。AIモデルを構築するサービスです。
上にあげたサービスは、SageMakerではなく、SageMaker Clarifyです。Vertex AIではなく、Vertex Explainable AIです。モデル構築サービスに対する、何か別の役割を担ったサービスとなります。AzureやIBM Cloudにもモデル構築サービスはあり、その名前を踏襲してはいませんが、AWSやGoogle Cloudと同じポジションでのサービスとして、上のサービスが存在しています。
実はこれは、AIモデルのバイアスを検出したり、予測結果を説明するためのサービスとなります。
本記事では、AIモデルを構築するサービスとは別のサービスと機能がどうして必要なのかを探っていきます。
AI技術が急速に進展し、企業のAI導入も増加しています。モデルの性能として正解率、適合率、再現率などの精度に注目が集まりがちですが、公平性や透明性、セキュリティ・堅牢性、安全性などの指標の重要性も認識されつつあります。
性能以外のAIガバナンスという観点も考慮しなくてはならない理由を列挙してみます。
他にもまだまだあるのですが本題に戻りましょう。先のAIサービスは公平性と説明性(透明性)への課題を解決するために焦点を当てたサービスです。
公平性と、説明性に焦点をあて、もう少し詳しく見ていきましょう。
英語では、フェアネス(fairness)と言います。
悪意を持たないでモデルを構築すれば公平になるというわけではありません。バイアスが生まれる原因は大きく3つあります。
公平であることを、誤解がないように少し補足します。
本来、バイアスがかかってはいけないデータが、予測にバイアスをかけ、公平ではなくなることを問題にしている点にご留意ください。
お金を貸せるかどうかのローン審査をする際に、収入がなく、借金がある方へは貸出判定は厳しくせざるを得ないでしょう。
意図した不公正が起きることは問題ではありません。意図しない不公平が発生することが問題です。
もう一つ例を出します。公共自治体においては、収入がなくなり、生活に困っている方へ、社会保障の役割が求められます。
データから得られる性格は一律に決まっているわけではありません。文脈によってその目的と意義を踏まえて判断することが大事になってきます。
英語では、XAI(Explainable AI:説明可能なAI)や、解釈可能性(Interpretability)と表現されます。
AIによる決定がどのように導かれたのかを人間が理解できなければ、AIの判断結果への信頼性を得られない可能性があります。
法的責任の観点も意識しなければなりません。AIが誤った結果を導いた場合、その責任をどのように追及するかという問題があります。AIの判断であった場合でも、最終的な責任が人間にある領域では、説明責任が生まれることがあります。
具体例を出します。
AIを使った医療診断支援システムでは、患者の症状や検査データをもとに、病気の診断や治療法の提案を行うことができます。しかし、AIがどのような理由で診断や治療法を提案しているのかを理解できない場合、患者がその結果に対して信頼を持つことが難しくなります。
いくつか手法を紹介しますが、クラウドサービス内部で使われるアルゴリズムと一致しているわけではない点ご留意ください。またクラウドサービスごとに、できることとできないことに若干相違点がございます。
AIの公正性を担保するためには、モデルを構築する過程の、前処理、学習中、後処理の3つの段階でさまざまな手法を適用することができます。
AIの予測結果を説明をするための手法についてです。
まずは、先に紹介した大手クラウドのAI系のサービスではないですが、古典的な手法を復習します。
線形回帰や決定木は、計算過程が人間にとって理解しやすく、意図しない挙動を起こす可能性も低いです。 データ数が少ない場合や、精度よりも安定性を重要視する場面においては依然として有用です。
AIに利活用される手法は下記のようなものがあります。
各クラウドのサービスの仔細には触れていませんが、AIモデルを補助する立場でのAIサービスがなぜリリースされているかご理解いただけたかと思います。
AIモデルは作成して精度を測るだけではなく、AIガバナンスの観点から公正性と説明性も求められるようになってきています。このようなサービスもぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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