セキュリティグループの管理をシンプルに!Alibaba Cloud Prefix listの紹介

2023年6月20日掲載

キービジュアル

ご覧いただきありがとうございます。ソフトバンクの結城です。

今回はAlibaba Cloudのセキュリティグループで設定しているCIDRブロックの管理をシンプルにする機能の「Prefix list」について紹介します。

目次

■Alibaba Cloud Prefix listとは

Alibaba CloudのPrefix listは、その名の通り、ネットワークプレフィックス(CIDRブロック)をリスト化できる機能です。作成したPrefix listはセキュリティグループでAllow / DenyIPの設定の際に、指定することができます。また、Prefix listはセキュリティグループとは異なり、特定のVPCと紐づけはされず、リージョン単位となるため、Prefix listを作成したリージョン内のセキュリティグループであれば、どのセキュリティグループでも指定、利用することができます。

Prefix listが登場する前までは、1つ1つネットワークプレフィックス(CIDRブロック)をそれぞれのセキュリティグループに追加していた方もいらっしゃると思います。そこでPrefix listを作成、利用することによって、セキュリティグループにネットワークプレフィックス(CIDRブロック)追加する作業時間を大幅に短縮することができます。

また、Prefix listで設定しているネットワークプレフィックス(CIDRブロック)に変更を加えた場合、Prefix listを利用しているセキュリティグループに変更が適用されるため、利用している環境でネットワークプレフィックス(CIDRブロック)に変更があってもPrefix listのネットワークプレフィックス(CIDRブロック)を変更することによって、1つ1つのセキュリティグループでネットワークプレフィックス(CIDRブロック)を変更することが不要になります。
なお、Prefix listに追加できるのは、ネットワークプレフィックス(CIDRブロック)のみで、特定のIP(47.xx.xx.xx)をリスト化できる機能ではないことをお含みおきください。

■Prefix listの料金について

Prefix listで課金は発生いたしません。

■Prefix listの作成方法について

Prefix listは「Elastic Compute Service」コンソールの画面のメニューとして表示されています。では、早速「プレフィックスリストの作成」をクリックしPrefix listを作成します。
※Prefix listの作成画面では、リージョン選択ができないため、あらかじめ作成したいリージョンに移動した後、操作を実行してください。

Prefix listの設定画面が表示されるので、設定を入力します。

<名前>
任意の名前を入力します。

<説明>
Prefix listの説明を入力します。

<アドレスファミリー>
IPv4 or IPv6を選択します。(IPv6を指定できないリージョンがあります)

●リージョンごとのアドレスファミリー対応状況 (2023年6月19日現在)

リージョン

IPv4

IPv6

China (Hnagzhou)

China (Shanghai)

China (Nanjing - Local Region)

未対応

China (Qingdao)

China (Beijing)

China (Zhangjiakou)

China (Hohhot)

China (Ulanqab)

China (Shenzhen)

China (Heyuan)

China (Guangzhou)

China (Chengdu)

China (Hong Kong)

China (Fuzhou - Local Region)

Japan (Tokyo)

未対応

South Korea (Seoul)

未対応

Singapore

Australia (Sydney)

未対応

Malaysia (Kuala Lumpur)

未対応

Indonesia (Jakarta)

未対応

Philippines (Manila)

Thailand (Bangkok)

未対応

India (Munbai)

未対応

Germany (Frankfurt)

UK (London)

未対応

US (Silicon Valley)

未対応

US (Virginia)

UAE (Dubai)

未対応

SAU (Riyadh)

未対応

<最大エントリ数>
プレフィックスリストに追加できるエントリ数を指定します。
値としては、1〜200までの値を指定できます。Prefix list作成後、設定値を変更することができませんので、ご注意ください。

<エントリ数>
リストに追加したい、ネットワークプレフィックス(CIDRブロック)を入力します。

Prefix listの作成が完了すると作成したPrefix listが表示されます。

●詳細の表示

Prefix listに追加したネットワークプレフィックス(CIDRブロック)を確認することができます。

●関連リソース
Prefix listを使用しているセキュリティグループを確認することができます。

●複製
別リージョンに同様の設定をコピーすることができます。

●削除
Prefix listを削除することができます。削除条件としては、関連するリソースが0(無い)である必要があります。

■Prefix listの使用方法について

作成したPrefix listをセキュリティグループで使用する方法について説明します。ECSコンソールを開き、セキュリティグループの一覧を開きます。表示された画面でPrefix listを設定したいセキュリティグループのインスタンスIDをクリックします。

「ルールの追加」をクリックし、セキュリティグループにルール追加をします。「権限付与オブジェクト」の入力欄をクリックし、作成したPrefix listを指定します。各種パラメータを入力した後、「保存」をクリックします。

セキュリティグループのルールを確認すると権限付与オブジェクトで先程保存したルール(Prefix list)が指定されたルールが表示されていることが確認できます。

■動作確認

セキュリティグループに追加したPrefix listが動作しているか確認をします。

●方法
VPC内に2つのECSを作成し、それぞれのECSから互いにpingを打ち、疎通確認を行います。

●セキュリティグループの設定内容
権限付与ポリシー : 許可
優先度 : 1
プロトコルタイプ : 全てicmp(IPv4)
ポート範囲 : -1/-1
権限付与オブジェクト : Prefix listを指定(今回は192.168.0.0/16)

pingの実行結果を確認すると互いのECSで疎通ができていることが分かります。
※以下画面の右側のECSのプライベートIPは192.168.0.1
※以下画面の左側のECSのプライベートIPは192.168.0.2

■最後に

今回はセキュリティグループでネットワークプレフィックス(CIDRブロック)をシンプルに管理をすることができる機能のPrefix listについて紹介しました。

個人的にはPrefix listの作成や使用方法の操作は簡単な印象でした。セキュリティグループで多くのネットワークプレフィックス(CIDRブロック)のルール設定をされている場合は、是非Prefix listを使ってネットワークプレフィックス(CIDRブロック)の管理をシンプルにしてみてはいかがでしょうか。

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