SAGデバイス故障時の交換方法

2024年3月29日掲載

Weekly Alibaba Cloud

みなさん、こんにちは。クラウドエンジニアの莫です。

はじめに

Alibaba CloudのSmart Access Gateway (以下SAG) は、企業が分散した場所のネットワークを安全かつ簡単にAlibaba Cloudのリソースに接続できるようにするサービスです。SAGには以下の3つのサービス提供方式があります。

それらはSAG customer-premises equipment (CPE) devices(以下SAGデバイス)、SAG vCPE及びSAG appです。本記事ではSAGデバイスを取り上げて紹介します。

SAGデバイスは、中国国内の拠点やデータセンターがAlibaba Cloudへの接続をセキュアかつ高品質に保つために使用する物理的なアプライアンスです。

デバイスが故障した場合、オンプレミスの環境からAlibaba Cloudへの接続が断たれ、ビジネスに影響を与える可能性があります。そのため、速やかにデバイスの交換を実施する必要がありますが、公式ドキュメントだけでは手順が把握しづらいので、この記事ではSAGデバイス故障時の交換方法について紹介いたします。

 

目次

<1>デバイスの状況確認

最初に、デバイスが本当に故障しているかを確認します。電源が入らない、ネットワーク接続ができない、異常な動作やエラーが頻発するなど、故障の兆候があります。

このような状況に直面したら、機器の状況やAlibaba Cloudの管理コンソールを確認すると思います。詳しい確認方法やトラブルシューティングについて、Alibaba Cloudの公式ドキュメントで紹介されていますので、是非参考にしてみてください。

<2>デバイスの交換連絡

SAGデバイスが故障したと確認された場合、Alibaba Cloudコンソールを通じてチケットを起票し、Alibaba Cloudのサポートチームに連絡するか、加入しているテクニカルサポートプランに基づいて直接弊社のサポートチームに連絡して、状況を連絡し、対処方法について相談することができます。
SAGデバイス故障の件について上記の方法でAlibaba Cloud社と認識を共有した後、Alibaba Cloud社は交換用の新しいデバイスを手配し、指定された住所に発送します。
※旧デバイスはAlibaba Cloud社が指定する住所へ返送する場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

<3>旧デバイスの取り外し

新しいデバイスが現地に到着したら、デバイスの交換作業を開始します。

※今回使用する機種はSAG-1000です。

①まず、Alibaba Cloudのコンソールにアクセスして故障している旧デバイスをSAGインスタンスからアンバインド(紐づけ解除)します。

   - 対象のSAGインスタンスをクリックします。
   ‐「Device Management」タブにおける対象デバイスに対して「Unbind Device」をクリックします。

unbind

②その後、旧デバイスをラックや設置されている場所から取り外します。

<4>新デバイスの取り付け

新しいデバイスをラックまたは設置場所に取り付けます。
※配線は旧デバイスと同様に行い、SAGデバイスがインターネットに接続できる状態にしてください。

<5>新デバイスの有効化

配線が完了したら、Alibaba Cloudコンソール上に新しいデバイスを追加/バインドします。

-「Device Management」ページにアクセスし、デバイスのシリアルナンバーを入力して「Add Device」をクリックします。

add

上記の手順でデバイスを追加した後、デバイスの接続ステータスと設定可能性を確認します。

ステータスの確認
・「Device Management」>「Device Information」> 「Control Status」が【Normal】の場合、
      正常です。
※【Normal】と表示されていない場合は、Alibaba CloudがSAGデバイスを認識できていない可能性が高いです。配線状況とネットワーク状況を確認してください。

stutas

 

設定変更可否の確認
WAN、LANポートなどの設定ページが表示され設定可能の状態になったことを確認してください。例えば、「Assign Port Roles」、「Manage Wan Ports」や「Manage Lan Ports」などの設定ページが表示でき、編集できるようになったことが確認ポイントです。

▼「Assign Port Roles」

ports

▼「Manage Wan Ports」
※「WAN ports status」が【Connected】になり、かつ編集できる状態は正常です。

WAN

▼「Manage Lan Ports」

LAN

この2つの確認点がどちらも正常であれば、新しいデバイスは正しく有効化出来たことになります。

<6>新デバイスの設定

新デバイスの有効化が完了したら、旧デバイスと同じ設定を新デバイスにも反映する必要があります。
SAGデバイスの設定方法は2つあります。AlibabaCloudのコンソールを使用すて設定する方法とSAGデバイス本体のWEBコンソールから設定する方法があります。詳細な設定方法は公式ドキュメントと関連記事を参照してください。

AlibabaCloudのコンソールから設定する方法

公式ドキュメント
Manage devices

WEBコンソールから設定する方法

公式ドキュメント
Configure an SAG-1000 device in the web console
Configure SAG-100WM in the web console

関連記事リンク
Alibaba Cloud SAGデバイスの管理画面紹介

■SAGデバイス本体のWEBコンソールから設定した場合の注意点

AlibabaCloudコンソールでの設定が自動的にSAGデバイス本体側に反映されることに対して、WEBコンソール経由でデバイス設定が完了した後、Alibaba Cloudコンソールに「Settings of the on-premises SAG device are updated. Synchronize the settings to the console at the earliest opportunity. [Synchronize Now]」

synchronize

というメッセージが表示される場合があります。このメッセージが表示された際には、[Synchronize Now]をクリックして、設定内容をAlibaba Cloudコンソールに反映する必要があります。

<7>その他

突然の故障に備え、SAGデバイスの可用性を保持するためには、予備のデバイスを常に用意しておくことと、HA(High Availability)構成を採用することです。
予備のデバイスにより、デバイスが故障した際には迅速に交換し、サービスの中断を最小限に抑えることができます。HA構成を用いることで、アクティブデバイスに問題が生じた場合でも、自動的にスタンバイデバイスがトラフィックを引き継ぎ、サービスの連続性を確保することが可能です。このようにして、SAGデバイスの可用性を高めることができます。

終わりに

本記事では、SAGデバイス故障時の交換方法について紹介しました。
故障の確認から始め、新旧デバイスの入れ替え設定までに関するステップを説明しました。デバイスのタイプによって設定できる内容及び設定画面の違いが存在しますが、上記の手順に従いつつ公式ドキュメントを参照していただければと思います。

 


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