Google BIツール（Looker Studio、Looker Studio Pro、Looker）を比較してみた

１．Looker Studio とは

Looker Studio は、Google が提供するビジネスインテリジェンス（BI）ツールです。

Looker Studio は無料で利用することができ、リアルタイムに反映された多種多様なデータをもとに直感的にレポートを作成することが可能です。なお、データの可視化と分析を簡単に行い、効率的な意思決定の役に立ちます。

Looker Studio に関するブログも併せてご覧ください。

・Looker Studioで売上データを分析〜ユースケースに沿った見せ方を作成してみた〜

２．Looker Studio Pro とは

Looker Studio Pro は、有料版の Looker Studio です。

無料版の Looker Studio で利用できる機能に加え、よりエンタープライズに向けた機能が追加されています。また、サポート対象となる点も大きいです。

３．Looker とは

Looker は、Google が提供するデータプラットフォームです。

Looker の特長はデータを可視化する BI 機能だけでなく、データの接続や統合・変換といったデータガバナンスをもったデータ管理も行うことができる点です。

Looker に関するブログも併せてご覧ください。

・データプラットフォーム「Looker」 の機能紹介

Looker は有料版でのみ提供しています。詳細については Looker の料金をご参照ください。

Looker のライセンスを持っているユーザーは Looker Studio Pro を無料で利用することができます。

４．Looker Studio、Looker Studio Pro と Looker の比較

まずは各プロダクトの比較を表形式で示します。

ここからは主な機能の詳細を見てみましょう。

■ データソース

Looker Studio / Looker Studio Pro で使用可能なコネクタ

Looker で使用可能なデータベース

■ レポート管理

Looker Studio Pro ではチームワークスペースを作成してチーム間で共有や共同作業を行うことができます。

開発環境と本番環境の環境ごとのアクセス権管理にも活用できます。

Looker ダッシュボードには、ユーザー定義ダッシュボードと LookML ダッシュボードの 2 種類があります。

LookML ダッシュボードは開発者によって作成され、バージョン管理されたファイルとして保存されます。Git 管理ができるため「誰が」「いつ」「どこを」変更したのかを追跡することができます。

■ ダウンロード

Looker Studio のダウンロード画面

Looker のダウンロード画面

Looker ではフォーマットや用紙サイズを選択することもできます。

■ スケジュール配信

Looker Studio の設定画面

Lookerの設定画面

■ 予測機能（Looker のみ）

ビジュアリゼーションにて予測したいフィールドと期間を選択すると自動で予測をしてくれます。

予測部分は点線や実績値よりも薄いカラーで表示されます。

■ アラート（Looker Studio Pro / Looker）

どちらもグラフごとにアラートの設定ができます。

Looker Studio のアラートは Pro のコンテンツであれば設定可能です。

そのため無料版の Looker Studio から Looker Studio Pro のユーザーに共有しているコンテンツでは使用できません。

Looker Studio Pro ではアクセスという設定項目にてアラート先の対象をレポートの閲覧者かアラートのオーナーに設定できます。

Looker のアラート設定

５．プロダクト選定

Google の BI ツールの中でもこのように機能に差があります。

これまで紹介した機能の差を踏まえて、プロダクト別に選択すべきユースケースを紹介します。

■ Looker Studio

　・手元にデータがあり、とりあえずデータ分析をはじめてみたい

　・個人または小規模な範囲でデータ分析を行いたい

■ Looker Studio Pro

　・Google Cloud のサポートを受けたい

　・Looker Studio でアラート機能を利用したい

　・チーム間共有を活用し、部門やプロジェクトなど中規模な範囲でデータ分析を行いたい

　・レポートやデータを組織単位で管理したい

■ Looker

　・きめ細かいデータ制限によるセキュリティ強化がしたい

　・データ定義の統一を行い、構築・運用コストの削減をしたい

　・カスタマイズされたデータや予測機能を使って高度なデータ分析を行いたい

おわりに

いかがでしたでしょうか。

各プロダクトの特長を理解し、ユーザーの要望に沿った適切な機能を備えているプロダクトを選択することで、より充実したデータ分析が実施できるようになるかと思います。

既存の BI ツールで課題を持っている方、これから BI ツールを利活用しようと思う方、本記事がその一助となれば幸いです。

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