Weekly AWS アップデート情報 - 2024/7/29 ~Meta Llama 3.1 生成系AIモデルが Amazon Bedrock、Amazon SageMaker JumpStart で一般提供開始~

2024年7月29日掲載

キービジュアル

皆さま、こんにちは。

先週 (2024/7/22~28) の主な AWS アップデート情報をお送りいたします。

目次

今週の注目アップデート

Meta の Llama 3.1 生成系AI モデルが Amazon Bedrock で利用可能に
Meta の最新の Llama モデルである Llama 3.1 が Amazon Bedrock で利用可能になりました。Amazon Bedrock は Llama を使用した生成系AI アプリケーションを構築するためのターンキーソリューションを提供します。
Llama 3.1 モデルは 8B、70B、405B パラメーターサイズのモデルコレクションで、生成系AI アプリケーションに新機能をもたらします。全ての Llama 3.1 モデルは以前のバージョンから大幅に改善されています。
主な特長:
- 128K のコンテキスト長をサポート
- Llama 3 の 16 倍の容量
- 8言語での多言語対話ユースケースにおける推論能力の向上
- 長文からより多くの情報を取得し、より適切な判断が可能
- より豊富なコンテキストデータを活用し、より繊細で洗練された応答を生成
Meta によると、Llama 3.1 405B は公開されている最高かつ最大の基盤モデルの1つで、合成データ生成やモデル蒸留に適しています。Llama 3.1 モデルは一般知識、数学、ツール使用、多言語翻訳において最先端の機能を提供します。
Meta の Llama 3.1 モデルは、US West (Oregon) リージョンの Amazon Bedrock で一般提供されています。


Meta の Llama 3.1 生成系AI モデルが Amazon SageMaker JumpStart で利用可能に
Meta の最新かつ最も高性能な Llama 3.1 モデルが、Amazon SageMaker JumpStart で利用可能になりました。SageMaker JumpStart は、事前トレーニング済みモデルや組み込みアルゴリズムを提供する機械学習ハブです。
Llama 3.1 モデルは、SageMaker Studio での数回のクリックや SageMaker Python SDK を通じてプログラム的にデプロイおよび使用できます。これらのモデルは、トレーニングデータと規模の拡大により、以前のバージョンから大幅に改善されています。
これらのモデルは、US East (Ohio)、US West (Oregon)、US East (N. Virginia) の AWS リージョンで利用可能です。

 

分析

Amazon EMR がリリースバージョンに対して24カ月のサポートを提供開始
Amazon EMR がリリースバージョンに対して24カ月のサポートを提供することを発表しました。Amazon EMR は、コアエンジンとオープンテーブルフォーマットの最新オープンソースバージョンを、アップストリームリリースから90日以内にお客さまに提供することを目指しています。
この延長されたサポート期間により、お客さまは予算計画、テスト、ワークロードの移行について予測可能なタイムラインを得ることができます。24カ月の期間中、Amazon EMR はセキュリティ、バグ、データ破損に関する重要な問題に対するサポートと修正を提供します。
標準サポートは、推奨構成下での対象コンポーネントをカバーします。Amazon EMR は修正が利用可能になり次第、最新のパッチ、マイナー、またはメジャーバージョンに修正を適用し、Amazon EMR による検証から90日以内に展開することを目指しています。
新しい EMR on EC2 クラスタ、EMR on EKS コンテナ、またはサーバーレスジョブを起動する際に、Amazon EMR は自動的に修正を適用します。24カ月のサポート期間を過ぎたクラスタは、サポート期間終了後もアクセス可能な状態を維持します。
古いリリースからの移行に追加の時間を提供するため、Amazon EMR はこれより少なくとも12カ月間、全てのリリースに対して既存のサポートレベルを維持します。その後、標準サポートは追加コストなしで、全ての対象リリース、全てのデプロイメントモデル(EMR on EC2、EMR on EKS、サーバーレス)、Amazon EMR が運用する全てのリージョンで利用可能になります。

AWS Clean Rooms が AWS Entity Resolution、ML モデリング、プライバシー、分析制御の新機能を発表
AWS Clean Rooms に4つの新機能が追加されました:
1. AWS Entity Resolution の一般提供開始
2. データ分析のためのプライバシー制御の強化
3. 分析結果を受け取るコラボレーターを設定する機能
4. SQLを使用してルックアライクモデリング用のシードデータを生成する機能
これらの機能により、データマッチングの改善や、データコラボレーションの制御と柔軟性の向上が可能になります。
AWS Entity Resolution が AWS Clean Rooms に統合され、お客さまとパートナーが関連するお客さまレコードを簡単に準備・マッチングできるようになりました。ルールベースまたはデータサービスプロバイダーベースのマッチングを使用することで、広告キャンペーンの計画、ターゲティング、測定のためのデータマッチングを改善できます。
プライバシーと分析制御の強化により、コラボレーションにおける複数のユースケースをより柔軟にサポートできるようになりました。カスタム SQL データ分析から特定の出力カラムを禁止してデータ保護を強化したり、分析結果を受け取るコラボレーターを選択したりできます。さらに、AWS Clean Rooms ML でルックアライクモデリングのシードデータソースとして SQL クエリを使用できるようになりました。
AWS Clean Rooms は、企業とそのパートナーが互いの基礎となるデータを共有・コピーすることなく、集合的なデータセットを簡単に分析・コラボレーションできるようにするサービスです。

アプリケーション統合

Amazon MQ が RabbitMQ 3.13 のクォーラムキューをサポート
Amazon MQ が、オープンソースの RabbitMQ が提供するレプリケーション型 FIFO キューであるクォーラムキューのサポートを開始しました。クォーラムキューは、Raft コンセンサスアルゴリズムを使用してデータの一貫性を維持します。
クォーラムキューを使用することで、開発者はより高いデータ一貫性と耐障害性を持つ高可用性メッセージングシステムを設計できます。クォーラムキューは、ネットワーク障害をより迅速に検出し、より速く回復することができ、メッセージブローカー全体の回復力を向上させます。また、ポイズンメッセージ処理機能も提供し、未処理メッセージのより効率的な管理を支援します。
Amazon MQ のベンチマークによると、クォーラムキューは RabbitMQ ブローカー上の従来のミラーキューと比較して、最大2倍のスループット向上を提供します。
Amazon MQ は RabbitMQ 3.13 以上でのみクォーラムキューをサポートしています。キュータイプを 'quorum' として新しいキューを宣言するだけで、簡単にクォーラムキューを使いはじめることができます。

AWS Step Functions がカスタマーマネージドキーをサポート
AWS Step Functions が AWS Key Management Service (AWS KMS) のカスタマーマネージドキーを使用して、Step Functions のステートマシンとアクティビティリソースを暗号化できるようになりました。
この新機能により、独自の暗号化キーを使用してワークフロー定義と実行データを暗号化できます。AWS Step Functions は、220以上のAWSサービスから12,000以上のAPI操作をオーケストレーションできるビジュアルワークフローサービスです。
カスタマーマネージドキーのサポートにより、ワークフローデータに対するきめ細やかなセキュリティ制御が可能になり、組織の規制やコンプライアンス要件を満たしやすくなります。また、AWS CloudTrail を使用して暗号化キーの使用状況を監査および追跡できます。

ビジネスアプリケーション

Amazon Connect Contact Lens がコンタクト終了後数秒で生成系AI による要約を提供開始
Amazon Connect Contact Lens が、コンタクト終了後数秒以内に生成系AI を活用した要約を提供するようになりました。これにより、以下のような利点があります:
- コンタクトのレビュー時に、より迅速な洞察が得られる
- コンタクト後の作業時間を短縮できる
- コンタクト品質とエージェントのパフォーマンス向上の機会をより迅速に特定できる
これらの高速な要約は API と Kinesis データストリームを通じて利用可能で、サードパーティーのエージェントワークスペースや CRM システムとの統合が可能です。また、Amazon Connect 内のコンタクト詳細画面やコンタクトコントロールパネル(CCP)からネーティブにアクセスすることもできます。
この機能は Contact Lens の会話分析に含まれており、追加料金はかかりません。

Amazon Connect Contact Lens がアウトバウンドキャンペーン分析用の新ダッシュボードを提供開始
Amazon Connect Contact Lens に、アウトバウンドキャンペーン分析用の新しいダッシュボードが追加されました。これにより、音声ワークロードのキャンペーンパフォーマンスの可視化と監視、効率性の追跡、コンプライアンスの測定、結果の理解が容易になります。
カスタム期間とベンチマークを使用したリアルタイムおよび履歴リポートの表示、キャンペーンの進捗状況と配信状況の追跡、通話分類結果(人間の応答、ボイスメールなど)の詳細分析が可能になりました。また、ダイヤル試行回数や放棄率などの主要指標全体のトレンドやパターンを素早く特定し、キャンペーンパフォーマンスを監視・向上させることができます。
さらに、これらの指標は API を通じて利用可能になり、カスタムリポートや他のデータソースとの統合に活用できます。アウトバウンドキャンペーン分析は、Amazon Connect Contact Lens リポートおよび GetMetricDataV2 API で利用可能です。

クラウド財務管理

AWS Cost Categories が「Billing Entity」ディメンションをサポート
AWS Cost Categories に新しいディメンション「Billing Entity」がルールに追加されました。コストカテゴリールールの作成時に、「Linked Account」「Charge Type」「Service」「Usage Type」「Cost Allocation Tags」「Region」「Billing Entity」および他の「Cost Category」の8種類のディメンションを使用できるようになりました。
AWS Cost Categories は、AWS コスト管理製品スイートの機能で、ニーズに基づいてコストと使用情報を意味のあるカテゴリーにグループ化できます。カスタムカテゴリーを作成し、さまざまなディメンションを使用して定義したルールに基づいて、コストと使用情報をこれらのカテゴリーにマッピングできます。
コストカテゴリーを設定して有効にすると、AWS Cost Explorer や AWS Cost and Usage Report (CUR) などの AWS コスト管理サービスで、これらのカテゴリーごとに AWS のコストと使用情報を表示および管理できます。コストカテゴリーは、月初めまたは最大12カ月遡って AWS のコストと使用状況に適用できます。
Billing Entity の追加により、お客さまはコストカテゴリーをより細かく制御できるようになりました。Billing Entity は、お客さまの請求書や取引が AWS Marketplace 向けか、他の AWS サービスの購入向けかを識別するユニットです。

コンテナ

Amazon EKS が Kubernetes バージョンサポートポリシーの新しいコントロールを導入
Amazon EKS が Kubernetes バージョンポリシーの新しいコントロールを発表しました。これにより、クラスタ管理者は EKS クラスタの標準サポート終了時の動作を設定できるようになりました。この動作は EKS コンソールと CLI を通じて簡単に設定できます。
Kubernetes バージョンポリシーコントロールは、標準サポート中の Kubernetes バージョンで利用可能です。このコントロールにより、どのクラスタを延長サポートに移行させるか、また標準サポート終了時にどのクラスタを自動アップグレードさせるかを選択しやすくなります。
この機能は、環境やクラスタごとに実行されているアプリケーションに応じて、バージョンアップグレードとビジネス要件のバランスを取る柔軟性を提供します。

Amazon ECS がオンプレミスコンテナワークロード向けに Amazon Linux 2023 などをサポート
Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) が、オンプレミスワークロードの管理をサポートするOSを拡大しました。新たにサポートされるOSは以下の通りです:
- Amazon Linux 2023
- Fedora 40
- Debian 11
- Debian 12
- Ubuntu 24
- CentOS Stream 9
Amazon ECS Anywhere は、オンプレミス環境(自社の仮想マシンやベアメタルサーバーを含む)でコンテナベースのアプリケーションを実行・管理できる Amazon ECS の機能です。

Amazon ECR のリポジトリ作成テンプレートが一般提供開始
Amazon Elastic Container Registry (ECR) がリポジトリ作成テンプレートの一般提供を発表しました。これにより、プルスルーキャッシュやレプリケーションを通じて ECR が自動的に作成するリポジトリの初期設定を指定できるようになりました。
ECR のお客さまは、これらのリポジトリに対して暗号化設定、ライフサイクルポリシー、リポジトリ権限などの設定を指定できます。これにより、カスタム設定を定義し、レジストリ内のさまざまなユースケースに対してデフォルトとして割り当てることが可能になります。
リポジトリ作成テンプレートでは、リソースベースのアクセスポリシー、タグの不変性、暗号化、ライフサイクルポリシーなど、全てのリポジトリ設定の構成を指定できます。各テンプレートには、新しいリポジトリを特定のテンプレートに一致させるために使用される、お客さまが指定したプレフィックスが含まれています。
ECR によって新しいリポジトリが作成されると、設定が自動的に適用されます。これにより、プルスルーキャッシュやレプリケーションを通じて作成される新しいリポジトリに適用される設定を制御し、デフォルトの作成設定をカスタマイズすることができます。

データベース

Amazon DocumentDB がリーダーインスタンスでの変更ストリームをサポート
Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) がリーダーインスタンスでの変更ストリームをサポートするようになりました。この機能により、以下のことが可能になります:
1. 変更ストリームのワークロードを特定のリーダーインスタンスに分離し、クラスタのライターインスタンスの負荷を軽減できます。
2. 変更ストリームトークンをライターとリーダーインスタンス間で共有できるため、クラスタのフェイルオーバーやメンテナンス時に、任意の Amazon DocumentDB インスタンスから特定のドキュメントや時間から変更ストリームを再開できます。
3. Amazon DocumentDB グローバルクラスタでも利用可能で、セカンダリグローバルクラスタのリーダーインスタンスから変更ストリームを読み取ることができます。
これらの機能は、Amazon DocumentDB 5.0 インスタンスベースのクラスタとグローバルクラスタで利用可能です。
Amazon DocumentDB は、インフラストラクチャーを管理することなく、ほぼあらゆる規模で重要なドキュメントワークロードを簡単かつコスト効率よく運用できる、フルマネージドのネーティブ JSON データベースです。

Amazon DocumentDB がドキュメント圧縮の改善を発表
Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に、以下の機能が追加されました:
1. 既存のコレクションに対する圧縮の有効化
2. コレクションごとの圧縮しきい値の設定
3. クラスタ全体の設定による新規コレクションの圧縮の有効化
圧縮されたドキュメントは、非圧縮のものと比べて最大7倍小さくなり、ストレージコストとI/Oコストの削減、クエリパフォーマンスの向上につながります。
クラスタ全体のパラメーターグループ設定を使用して、圧縮を有効にできます。この設定により、データベース移行時やクラスタアップグレード後に作成される新しいコレクションはデフォルトで圧縮されます。また、insert操作や$out集約ステージで作成されるコレクションにも適用されます。
新しい CollMod 設定を使用して、既存のコレクションの圧縮設定を変更できるようになりました。これにより、ドキュメントを新しい圧縮コレクションに移行することなく、既存のコレクションの圧縮を有効にしたり、ドキュメントサイズの最小圧縮しきい値を設定したりできます。これらの圧縮設定は、変更されたコレクション内の新規および更新されたドキュメントの両方に適用されます。
これらの圧縮機能は、Amazon DocumentDB 5.0 インスタンスベースのクラスタで利用可能です。

機械学習

Mistral Large 2 基盤モデルが Amazon Bedrock で利用可能に
Mistral AI の Mistral Large 2 (24.07) 基盤モデルが Amazon Bedrock で一般提供されました。このモデルは Mistral AI の主力大規模言語モデル Mistral Large (24.02) の最新バージョンで、多言語精度、会話能力、コーディング能力、推論能力、指示に従う能力が大幅に向上しています。
新バージョンでは、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、中国語、日本語、韓国語、ポルトガル語、オランダ語、ポーランド語、アラビア語、ヒンディー語など、数十の言語で情報を処理できます。
コンテキストウィンドーが128kに拡大され(旧バージョンは32k)、より多くの情報を処理して正確な応答を生成できるようになりました。
高度なコーディング機能により、Python、Java、C、C++、JavaScript、Bash、さらに Swift や Fortran などの専門言語でのソフトウェア開発が可能です。
また、ネーティブの関数呼び出しと JSON 出力機能を備えた最高クラスのエージェント機能により、外部システム、API、ツールとの連携が可能です。

Amazon SageMaker が生成系 AI モデル向けの高速自動スケーリングを開始
Amazon SageMaker Inference に新機能が追加され、生成系AI モデルの自動スケーリングにかかる時間を短縮できるようになりました。1分未満の間隔でメトリクスを取得し、AI モデルの全体的なスケーリングの遅延を大幅に削減できます。これにより、需要の変動に応じて生成系AI アプリケーションの応答性を向上させることができます。
この機能では、より高速な自動スケーリングを可能にする2つの高解像度 CloudWatch メトリクス( ConcurrentRequestsPerModel と ConcurrentRequestsPerModelCopy )が提供されます。これらのメトリクスは10秒間隔で発行され、モデルによって処理される実際の同時実行数や推論リクエスト数を追跡することで、エンドポイントの負荷をより正確に表現します。
ユーザーはこれらの高解像度メトリクスを使用して自動スケーリングポリシーを作成し、 SageMaker エンドポイントにデプロイされたモデルをスケーリングできます。定義されたしきい値に達すると、 Amazon SageMaker は1分以内に新しいインスタンスやモデルコピーの追加を開始します。これにより、 SageMaker 上の推論ワークロードのパフォーマンスとコスト効率を最適化できます。

AWS HealthImaging がコピーと更新機能を強化
AWS HealthImaging に新しいコピーおよび更新機能が追加され、医療画像データの管理がこれまで以上に容易になりました。この機能により、一般的な臨床および研究ワークフローをサポートするために、医療画像データをより効率的に整理、結合、更新できるようになりました。
主な機能強化は以下の通りです:
1. DICOM データの変更機能の強化
2. メタデータの不整合解決の簡素化
3. 複数の DICOM インスタンスのコピー機能(画像の Study と Series による整理が容易に)
4. メタデータ(Study、Series、SOP Instance UID を含む)の更新が容易に
5. プライベート DICOM メタデータ要素の変更機能
6. 単一のアクションでメタデータを以前のバージョンに戻す機能
これらの機能強化により、医療画像データのライフサイクル全体を通じて、品質と一貫性を向上させるワークフローが簡素化されました。

マネジメントとガバナンス

CloudWatch RUM の PutRumEvents API が AWS CloudTrail でのデータイベントログ記録をサポート
CloudWatch RUM に、PutRumEvents API の AWS CloudTrail データイベントログ記録機能が追加されました。これにより、ガバナンス、コンプライアンス、運用監査のためのデータ可視性が向上します。
RUM Web クライアントまたは「アプリケーションモニター」を使用して収集された各データ項目は RUM イベントとして扱われ、PutRumEvents API を通じて CloudWatch RUM に送信されます。
CloudTrail ログは PutRumEvents API 呼び出しの包括的な監査証跡を提供し、リクエストパラメーター、送信元 IP アドレス、タイムスタンプなどの情報を提供することで問題のトラブルシューティングを支援します。これらのログは S3 データストアに安全かつ高可用性で保存できます。
この機能を使用することで、API 呼び出しがアカウント制限を超えた場合のスロットリング例外や、認証失敗によりRUMアプリケーションモニターにデータ送信が拒否された場合を特定できます。また、これらのログは SIEM ソリューションで活用し、監査やコンプライアンス要件に対応することができます。
CloudTrail コンソール、AWS CLI、AWS SDK を使用して、CloudWatch RUM の CloudTrail イベントログ記録を開始できます。

AWS AppConfig がフィーチャーフラグのターゲット、バリアント、分割機能を発表
AWS AppConfig のフィーチャーフラグに高度なターゲティング機能が追加されました。
主な特長:
- フラグデータ内に複数の値を設定可能
- 細分化された高カーディナリティのユーザーセグメントにターゲティング可能
ユースケース:
1. 許可リスト: 特定のユーザーIDやお客さま層に新機能やプレミアム機能を限定して提供
2. トラフィック分割: ユーザーベースの15%に対して新しいユーザー体験を試験的に提供
この機能は、EC2、Lambda、ECS、EKS、オンプレミス環境で利用可能です。

移行と転送

AWS Mainframe Modernization で mLogica によるコード変換機能が一般提供開始
AWS Mainframe Modernization で mLogica によるコード変換機能が公開されました。この新機能により、アセンブラ言語で書かれたレガシーコードを COBOL に自動変換できるようになりました。
多くのメインフレーム環境には保守コストの高いアセンブラコードが含まれています。このコード変換により、リファクタリングプロジェクト、リプラットフォームプロジェクト、メインフレーム上での近代化イニシアチブが可能になります。これは AWS Mainframe Modernization ツールチェーンの中で、あるいはサードパーティーの近代化ツールチェーンと併用して利用できます。
AWS Mainframe Modernization サービスを使用すると、オンプレミスのメインフレームアプリケーションを AWS 上で近代化および移行できます。このサービスは、自動化されたリファクタリングおよびリプラットフォームパターンに加え、データレプリケーションやファイル転送による拡張パターンを提供します。
AWS Mainframe Modernization コード変換機能は、AWS Mainframe Modernization サービスコンソールから利用可能です。

AWS DataSync がオプトインリージョンを含むエージェントレスのクロスリージョンデータ転送をサポート
AWS DataSync が、オプトインリージョンを含む商用 AWS パーティーション内の全てのリージョン間で、エージェントレスのクロスリージョンデータ転送をサポートするようになりました。
この更新により、DataSync エージェントを導入・管理することなく、異なるリージョン間の Amazon S3、Amazon EFS、Amazon FSx などの AWS ストレージサービス間で、数百万のファイルやオブジェクトを転送できるようになりました。
AWS DataSync は、ファイルやオブジェクトの転送を簡素化、自動化、高速化するオンラインデータ移動サービスです。専用のネットワークプロトコルとスケールアウトアーキテクチャーを使用して、AWS ストレージサービス、オンプレミスストレージ、エッジロケーション、他のクラウド間でデータを迅速かつ安全に移動します。
この機能により、ビジネス継続性のためのマネージドファイルシステム間のデータレプリケーションや、進化するアプリケーション要件を満たすためのデータの一部を異なるバケットやファイルシステムにコピーすることが容易になります。

ネットワーキングとコンテンツ配信

Amazon VPC IPAM が任意のインターネットレジストリに登録された IP アドレスの BYOIP をサポート
Amazon Virtual Private Cloud (VPC) の IP Address Manager (IPAM) が、任意のインターネットレジストリに登録された IP アドレスに対して Bring-Your-Own-IP (BYOIP) をサポートするようになりました。
この新機能により、JPNIC、LACNIC、AFRINIC などの以前はサポートされていなかったインターネットレジストリに対しても BYOIP のサポートが拡張されました。
AWS は、ユーザーが AWS に持ち込む IP アドレス空間の管理権限を検証します。これにより、他者の IP レンジの不正使用を防ぎ、ルーティングやセキュリティの問題を回避します。
新たに DNS レコードを使用して IP アドレスの所有権を検証できるようになり、インターネットレジストリに依存しない方法が提供されました。
BYOIP のセットアップ後は、BYOIP アドレスレンジから Elastic IP アドレス(IPv4)を作成し、Amazon EC2 インスタンスや NAT ゲートウェイなどの AWS リソースで使用できます。BYOIPv6 アドレスの場合、VPC 内のサブネット、Elastic Network Interface (ENI)、Amazon EC2 インスタンスに関連付けることができます。

セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス

AWS Signer がコンテナイメージ署名用の Notation プラグインをオープンソース化
AWS は Notation 用の AWS Signer プラグインをオープンソース化しました。これにより、お客さまはマネージド署名サービスである AWS Signer を使用してコンテナイメージの署名と検証を行う際の柔軟性と透明性が向上します。
Notation は、Notary Project が開発したオープンソースツールで、コンテナイメージやその他の OCI アーティファクトを認証することでソフトウェアサプライチェーンを保護するための業界標準です。このプラグインは、Signer のマネージドシークレットと失効機能を Notation に拡張します。
お客さまは Signer プラグインをライブラリとして自身のネーティブツールに組み込み、コンテナアーティファクトの署名を生成および検証できるようになりました。Notation は CLI 実行ファイルまたは Go ライブラリとして使用できます。
オープンソース化された Signer プラグインにより、Go ライブラリを追加するだけで、既存のアプリケーションやツールに署名と検証の機能をシームレスに組み込むことができます。これにより、プラグインを実行ファイルとしてインストールして呼び出す必要がなくなります。
さらに、署名の生成と検証に AWS Signer API がどのように使用されているかが透明化されます。CLI との統合を希望する場合は、Signer プラグインの実行ファイルを独自にビルドすることもできます。
AWS Signer プラグインは Apache 2.0 ライセンスの下でオープンソースプロジェクトとしてリリースされています。

AWS KMS が暗号化操作のデフォルトサービスクォータを引き上げ
AWS KMS は、全ての AWS リージョンでの暗号化操作に関するデフォルトのサービスクォータを2倍に増やしました。具体的には以下の変更が含まれます:
1. US East (N. Virginia)、US West (Oregon)、Europe (Ireland) リージョンにおいて、対称暗号化操作のリクエストレートを50,000から100,000に引き上げ
2. 全ての AWS リージョンで、RSA および ECC KMS キーを使用する暗号化操作のリクエストレートを500から1,000に増加
これらのデフォルトサービスクォータの引き上げは、AWS GovCloud (US) リージョンを含む全ての AWS リージョンで適用されています。
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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